石田 麻琴[執筆] 8:00

EC業界でも生成AIの活用は急激に進んできています。しかし、生成AIによる業務効率化が進む一方で、「儲け」につながらないという声も少なくありません。今回の「ネッ担まとめ」では、生成AI活用による効率化と成果のズレをひもときます。

「自己満足AI化」の罠

生成AI導入で効率化しているのに"儲からない"のはなぜ? 意外と多い「自己満足の落とし穴」3つのパターン。「重要なのはAIそのものではない」 | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/890262

問題の本質は単純だ。「効率化」と「成果」を混同しているのである。

メール作成が10分から3分になった。議事録作成が30分から5分になった。素晴らしい効率化だ。しかし、それで終わっている。

削減できた時間で何をしているのか。この質問に明確に答えられる企業は驚くほど少ない。

(中略)

効率化で生まれた時間を、売り上げにつながる活動に投資していないからである。

生成AIの活用で「時間が空いた」こと、それがイコール「成果」ではありませんよね。効率化自体が「目的」になってしまうと、そこで思考は止まります。

大切なのは「その空いた時間で何をするか?」という再設計。もっと言えば、売り上げを伸ばすための活動を増やせているか。生成AIというツールではなく、活用者の「意図」が成果を分けるという視点が必要ですよね。

削減した時間やコストを、どこに再投資するか。この問いに明確に答えられなければ、AI導入は自己満足で終わる。

重要なのは、AIそのものではない。AIで生まれたリソースをどう活用するか。この戦略と実行力が問われている。

AI活用によって確保できた時間・人員・コストを、どこにどう生かすのか。その「再投資戦略」こそが成果に直結するポイント。

ECの領域でも「自動化する」「効率化する」だけではなく、「空いた時間でお客さまと向き合えたか?」という問いを、自分自身に返す必要がありそうです。また、その行動をAI時代のEC運営の指標に設定する必要がありますよね。

要チェック記事

売り上げ世界一も“一人負け”状態 なぜ「クール」だったナイキは失墜してしまったのか | ITmedia ビジネスオンライン
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ある意味ひとつの「イノベーションのジレンマ」かもしれません。D2Cブランドも多様化している時代ですし、仕方ないのかも。

【EC新時代の戦略】なぜ今“動画コマース”なのか? 変わる購買行動+施策の設計ポイント+ユニクロの事例+成功・失敗要因を解説 | ネットショップ担当者フォーラム
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普通に考えたら、ECのない時代は、お客さまはみんな店舗で商品を「見ていた」わけで、テクノロジーが追い付いてきただけ、とも言えますね。

「楽天市場」でパーソナライズド検索がスタート、ユーザーごとに検索結果を最適化 | ネットショップ担当者フォーラム
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これは自然の流れですよね。むしろ遅かったくらい。検索のパーソナライズやAIの一般化により、SEOの価値は少しずつ変化しています。

「日傘は借りる時代へ!」≪日傘シェア≫が山手線駅含む東京都内でスタート、“24時間140円”の勝算は? | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/890741

いやもう、男性も日傘を差している時代なので、市場は一気に増えたでしょう。それくらいの気候というのもありますが。

PV減なのに大成功? パシフィコ横浜が目指した「無駄ゼロ」のサステナブルWeb戦略 | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2025/07/15/49641

「サイトで迷子が増えると排出CO2は増える」!(笑)目の付けどころが面白いっす。でも、こういうサイトが今後主流になるかもですね。

わかっているのに「なぜか動き出せない」…。意志が弱いせいじゃない"本当の理由" | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/886988

たしかに「意思が弱い」とかではないですよね。ちょっとしたズレで自信がないだけ。ちょっと修正するだけで動きやすくなる。人はそんなものだと思います。

今週の名言

カミタケモータース黒石さんに聞く!現場主導のマーケティング最前線 | QA ZERO
https://qazero.com/blog/team-driven-marketing-kamitake/

皆さんがそれぞれ考えて、AIも活用して、現場の声を聴いて、日々コミュニケーションの中から企画が生まれて、すぐに実行する。(丸山氏)

(中略)

未来への展望、というとおこがましいのですが、特定の誰かが決めるのではなく「データと現場の声を聞きながら、みんなで考えていく中に次の施策がある」と考えています。(黒石氏)

「次の打ち手は、現場にある」。この言葉は、どんなにAIが進化しても変わらない本質です。

意思決定は現場の「観察、対話、実行」のなから自然に生まれていくことが理想ですし、あくまでそこをめざしたいところです。なぜなら、お客さまに接するのは「現場」だから。

これを実現できた組織が変化にも強く、時代に応じて柔軟に進化していけるのだと感じています。

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

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