宅配品質の維持に追加料金は払える?「品質低下するとしても払いたくない」消費者が約半数【ネオマーケティング調査】
マーケティング支援を手掛けるネオマーケティングは11月12日、「宅配サービスに関する調査」の結果を発表した。
20歳以上の男女で直近1年以内に配送を伴う通販購入経験がある1000人にインターネット調査を実施。調査実施日は10月7日(月)から10月8日(火)。
置き配サービス・配送の日時指定サービスについて利用頻度を聞いたところ、「必ず利用する」「ほとんどの場合で利用する」の合算で比較すると、「置き配サービス」よりも「配送の日時指定」の方が利用率が高い。また「置き配」は「利用しない」が30.7%と割合が高い傾向が見られた。
「置き配」を「ほとんど利用しない」「利用しない」と回答したユーザーに対しその理由を聞いたところ、「盗難や紛失が心配だから」が48.9%でトップ。次いで「置き配に適した場所がない」(32.7%)があがった。「荷物が汚れる可能性があるから」「荷物が破損する可能性があるから」など荷物を一定時間放置することへの懸念よりも、場所問題の方が理由として大きかった。利用していない理由を自由記述式で聞いたところ、「オートロックの物件で、置き配ができないから」と、オートロックを理由にあげる声も散見された。
宅配の再配達依頼の頻度についても聞いた。「よく行う」という割合(「ほとんど毎回依頼する」「依頼することが多い」の合算)は11.2%で、さらに「依頼することがある」を含めると46.8%に上った。
再配達依頼が「ほとんど毎回依頼する」「依頼することが多い」と回答したユーザーに対してその理由も聞いた。トップは「配送時間帯に自宅にいないことが多いから」(39.3%)。「予定が変更になり、受け取れなかったから」(21.4%)、「配送時間帯の指定ができないサービスを利用しているから」(19.6%)、「再配達を気軽に依頼できるから」(17.9%)と続いた。ネオマーケティングでは「現状、再配達に対して再配達料の設定などはないため、再配達が生活者のダメージになることはないため、不用意な再配達依頼が増えてしまっているのではないか」と考察している。
宅配サービスの満足している点についても調査した。「配送日時の指定ができること」が39.2%でトップだった。
「不満な点」についても聞いた。トップは「配送料が高い、またはかかること」で13.2%。「配達時間帯の選択肢が少なく時間帯が広すぎること」「配送日時の指定が自由にできないこと」など、受け取りに関する項目が9%前後で続いた。
宅配サービスについて、改善を要望する点や実現してほしい機能を自由記述で聞いた。その結果、「時間はかかっても、安い配達サービス」「納期を遅らせることによる、割引サービス」などと、通常の配送料金よりも安価にゆっくり配達するサービスを求める声などがあがった。
「物流の2024年問題」の認知率についても調べたところ、認知率は半数を超えていることがわかった。一方で「内容をよく知っており、詳しい影響についても理解している」は24.2%にとどまった。
あわせて「現在の宅配サービスの品質を維持するには費用がかかるとしたら、どう思うか」についても聞いた。品質維持のためなら追加料金を支払っても構わないと回答した割合は34.9%で、品質が低下したとしても追加料金は支払いたくないと回答した割合が48.9%。「品質向上」ではなく、「品質維持」に追加料金を支払うことに抵抗があることがわかった。ネオマーケティングでは「物流の2024年問題の理解度や危機意識の強さが関係しているのではないか」と分析している。
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