小売やブランドなどのマーケターが考える事業課題は「新規顧客の獲得」「顧客層の拡大」 「コスト削減」「業務効率化」「既存顧客の維持」
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Criteoが実施した「日本のデジタルマーケティングに関するマーケターの意識調査」によると、小売りやブランドなどのマーケターが考える主な事業課題は「新規顧客の獲得」「顧客層の拡大」「コスト削減」「業務効率化」「既存顧客の維持」であることがわかった。
調査対象は企業でデジタルマーケティングの意思決定に関与している人。小売業、ブランド、代理店の3業界に分けて実施した。有効回答数は514サンプルで、調査期間は2024年11月15日~18日。
新規獲得、顧客維持、コスト減などが急務
ブランド、小売業、代理店のいずれの業界でも、約5割が今後1年間の最優先事項は「新規顧客の獲得や顧客層の拡大」と回答。次いで「コスト削減や業務効率化」や「既存顧客の維持」が全業界で上位になった。
マーケティングでは顧客との関係性強化を意識
今後1年間、自社またはクライアント企業の最優先事項を達成するために、マーケティング部門がすべきことは何か聞いたところ、いずれの業界も「顧客ロイヤリティやエンゲージメントの向上」「顧客との接点の整理・最適化」「ブランドイメージの強化・改善」など、顧客との関係性強化を優先事項としてあげた。
デジタルマーケティング、小売業は「最適化」を約4割が優先
今後1年間のデジタルマーケティングの優先事項について、小売業は「デジタル広告のパフォーマンス選定と予算配分の最適化」(38.6%)、ブランドや代理店は「SNSマーケティング強化」(ブランドは34.4%、代理店は44.4%)と回答した。
小売業では、「自社ECサイトのスペースの有効活用」が優先事項として3番目に高く、リテールメディアとして取り組むべき課題が見られた。
いずれの業界も、約7割が「具体的なビジネス成果を示さないメディア投資は、削減されるリスクがある」と感じており、5割以上が「プライバシー規制の強化が、メッセージを大規模にパーソナライズすることを妨げている」と感じている。
顧客接点は6割以上がWeb
消費者との接点における課題は、消費者のタッチポイントはいずれの業界でも「Webサイト(60%以上)」が最も多く、7割が「タッチポイントの増加・多様化により、最適な広告チャネルと投資のバランスを見極めるのが困難だ」と感じている。
ECサイトやメディアの空きスペース有効活用に課題
自社の企業サイト、ECサイト、アプリなどのオウンドメディアや店舗サイネージを含むメディアの活用について、小売業では49%、ブランドでは57%の回答者が「ECサイトやメディアにスペースの空きがあるも活用しきれていない」と回答。今後のファーストパーティデータの活用意向は小売業で66%、ブランドで70%となっている。

小売業、ブランドによるリテールメディアの認知は約8割
リテールメディアについて知っていたかを聞いたところ、小売業、ブランドともに回答者の8割超が認知している。また、これらの活用経験は半数にとどまるが、約7割が「活用したい」と回答し、活用への関心が高いこともわかった。
代理店は、73%の回答者がリテールメディアを認知し、活用経験がある人は36%だった。
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コマースメディアの活用意向
ファーストおよびサードーパーティデータとAIを活用して最適な広告をユーザーに届け、それにより商品やサービスの売り上げを最大化し、収益化するデジタル広告の取り組み「コマースメディア」の活用意向は、いずれの業界でも68.9%と関心が高かった。活用を意向する理由は「購買データやサイトへの訪問データを活用したターゲティングができるため」が40.4%と最も高かった。
調査概要
- 実施期間:2024年11月15日~18日
- 調査対象:20~60代の男女かつ、従業員数300人以上の企業でデジタルマーケティングの意思決定に関与している人
- 有効回答数:514サンプル(小売業:171サンプル、ブランド:253サンプル、代理店:90サンプル)
- 調査方法:インターネット
- 調査実施機関:マクロミル