消費者の4割が買い物中に意識。コスパ、タイパの次にくる「コミュパ」とは?購入行動への影響は?【消費者調査まとめ】

調査の結果、2人に1人が“コミュパ”という概念が「今後重要になる」、7割以上が「少ないやりとりで成果を得たい」と回答したことがわかった。購入行動にも影響が表れている

大嶋 喜子[執筆]

8月22日 7:30

パロニムが実施した「Tig LIVEコミュパ意識調査」によると、費やしたコミュニケーション量に応じた効果や満足度――すなわち「交流対効果」を指す「コミュパ」(コミュニケーションパフォーマンス)について、約6割が「今後重要になる」と考えている。買い物中に「コミュパ」を重視する割合は4割以上だった。

調査対象は全国の20歳〜69歳の男女500人。実施期間は2025年4月。

2人に1人以上が「コミュパという概念が今後重要になると思う」と回答

コミュニケーションにおけるやり取りの回数(量)と、伝え方の工夫(質)、どちらを大切にしているかを聞いたところ、最も多かったのは「伝え方の工夫(質)」が49.8%、続いて「どちらも同じくらい」が38.4%、「やり取りの回数(量)」が11.8%だった。

少ないコミュニケーションで大きな効果を得られる場合、それを良いコミュニケーションだと思うかを聞いたところ、「非常にそう思う」が21%、「ある程度そう思う」が56%だった。合計すると77%が、少ないコミュニケーションでも効果があればそれを良いと感じることがわかった。

コミュニケーションにおけるやり取りの回数(量)と、伝え方の工夫(質)、どちらを大切にしているか(左)、少ないコミュニケーションで大きな効果を得られる場合、それを良いコミュニケーションだと思うか(右)
コミュニケーションにおけるやり取りの回数(量)と、伝え方の工夫(質)、どちらを大切にしているか(左)、少ないコミュニケーションで大きな効果を得られる場合、それを良いコミュニケーションだと思うか(右)

「コミュパ」という概念が、今後のコミュニケーションにおいて重要になると思うかを聞いたところ、全体では「コミュパという概念が重要となると思う」が58.6%、「コミュパという概念が重要となると思わない」が41.4%だった。

世代別に見ると、20代、30代、50代、60代は約60%が「重要になる」と回答。40代で「重要になる」と回答したのは53%だった。

“コミュパ”という概念が、今後のコミュニケーションにおいて重要になると思うか
“コミュパ”という概念が、今後のコミュニケーションにおいて重要になると思うか

「コスパ」「タイパ」の意識層は「コミュパ」も重視

普段の生活の中で「コミュパ」、「コスパ」(費用効率)、「タイパ」(時間効率)をどの程度意識したことがあるかを聞いたところ、コスパの意識があると回答した割合はコミュパの「意識あり」が91.6%、同「意識なし」が41.2%だった。

タイパの意識があると答えた回答者のなかでは、コミュパの「意識あり」が84.0%、同「意識なし」が41.2%だった。

「コミュパ」を意識している回答者ほど「コスパ」「タイパ」を意識している割合が高いことがわかった。

普段の生活の中でコミュパ、コスパ(費用効率)、タイパ(時間効率)をどの程度意識したことがあるか(右)
普段の生活の中でコミュパ、コスパ(費用効率)、タイパ(時間効率)をどの程度意識したことがあるか(右)

買い物中に「コミュパ」を意識するは41%

普段の買い物の中で「コミュパ」をどの程度意識したことがあるかを聞いたところ、「常に意識する」が9.2%、「時々意識する」が32%で、合計41.2%が買い物中にコミュパを重視していることがわかった。

買い物をする際に、どのような体験や感情を求めることが多いかを聞いたところ、「コミュパ」の意識がある割合は「お得に購入したい」が最も多い42.0%、続いて「欲しかったものを手に入れて満足したい」が35.6%、「信頼できる商品・店で、安心して買い物をしたい」が34.8%だった。いずれの項目の回答率も、「コミュパ」を重視しない割合を上回っている。

普段の買い物の中でコミュパ(交流効率)をどの程度意識したことがあるか(左)、買い物をする際に、どのような体験や感情を求めることが多いか(右)
普段の買い物の中でコミュパ(交流効率)をどの程度意識したことがあるか(左)、買い物をする際に、どのような体験や感情を求めることが多いか(右)

口コミやレビューを参考にする割合がコミュパ層では7割超

購入判断にあたり、商品のインターネット上のクチコミやレビューを参考にする割合は、「コミュパ意識あり」と答えた割合が75.2%、「コミュパ意識なし」は47.2%だった。

商品のインターネット上のクチコミやレビューは、購入判断にどの程度影響するか(左)、店舗での買い物において、店員や販売者とのコミュニケーションをどの程度重視するか(右)
商品のインターネット上のクチコミやレビューは、購入判断にどの程度影響するか(左)、店舗での買い物において、店員や販売者とのコミュニケーションをどの程度重視するか(右)

「コミュパ」層の半数以上がライブコマースを認知

ライブコマースについて聞いたことがあるかは、「コミュパ意識あり」と回答した全世代の52.8%が「知っている」と回答した一方、「コミュパ意識なし」と回答した全世代で「知っている」と回答したのは21.6%だった。

これまでにライブコマースを使ったことがあるかを聞いたところ、「コミュパ意識あり」の割合は全世代の28.4%が「視聴経験あり」、12.4%が「購入経験あり」と回答した。「購入経験あり」は特に20代では26.0%、30代では24.0%となっており、突出して高くなっている。

「コミュパ意識なし」の回答者は、全世代では12.8%が「視聴経験あり」、2.0%が「購入経験あり」と回答した。「コミュパ意識あり」の回答者と比べるとライブコマースの視聴・購入経験がある割合は大きく下回っている。

ライブコマースについて聞いたことがあるか(左)、これまでにライブコマースを使ったことがあるか(右)
ライブコマースについて聞いたことがあるか(左)、これまでにライブコマースを使ったことがあるか(右)

コミュパ層の約半数「配信者とのやりとりが購買意欲に影響する」

ライブコマースで配信者とのコミュニケーションが購買意欲に影響するかを聞いたところ、「コミュパ意識あり」の割合は全世代の48.8%が「影響する」と回答した。20代、30代は特に高く、購買意欲に影響する割合は両世代ともに60%となっている。

ライブコマースのどの要素が魅力的だと思うかは、「コミュパ意識あり」の回答者では「お得な情報が得られる」が最多の30.4%、続いて「普段聞けないような質問ができる」が29.6%、「商品の詳細な情報が得られる」が26.8%だった。

「コミュパ意識なし」の回答者においては、「その他」を除き、最多が「お得な情報が得られる」で24.4%、続いて「新しい商品やサービスに出会える」が16.8%、「商品の詳細な情報が得られる」が16.4%だった。

ライブコマースで配信者とのコミュニケーションは、購買意欲に影響するか(左)、ライブコマースのどの要素が魅力的だと思うか(右)

調査概要

  • 実施期間:2025年4月
  • 実施方法:インターネット調査
  • 調査対象:全国の20歳〜69歳の男女500人(年代均等に100人ずつ、「コミュパ」意識可否均等に250人ずつ)
  • 調査手法:インターネットリサーチ
  • 調査元:パロニム
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