鳥栖 剛[執筆] 8:30

白衣を中心としたメディカルアパレルの企画・開発・販売を手がける東証グロース上場企業のクラシコは11月、米国・カナダ・オーストラリアでの事業を本格的に開始した。

クラシコによると3か国の医師数(歯科医師含む)は、合計約164万人で日本の約3.8倍。個人購入文化やオンラインD2C市場が発達していることから、現地医療従事者の体型やユニフォーム文化に合わせたパターン設計・サイズレンジを拡充し、機能性・デザイン性・着心地を兼ね備えた製品を提供する。高品質な日本発アパレルが受け入れられやすい市場として位置付け、ブランドの認知拡大と販売成長をめざす。

対象3か国の医療現場は、国籍・体格・勤務環境が多様であるという。クラシコはUS基準を含む幅広いサイズ展開を順次導入し、日本市場で培ったパターン設計・素材選定・縫製品質をベースに、ラインアップの強化を進める。

クラシコは白衣・スクラブ(上下分かれた医療ウェア)・患者衣などを開発・展開しており、テーラード技術を生かした機能性と耐久性の高いモノ作りが強み。

クラシコがオリジナル白衣のEC販売を開始したのは創業した2008年12月。現在はECと実店舗によるBtoB・BtoC販売を展開しており、常設店舗は東京・大阪・名古屋・横浜の4か所に加え、全国でポップアップストアも展開している。

越境ECと代理店を通じたグローバル展開は2025年11月時点で日本を含む14の国と地域に広がり、グローバル会員数は8万200人、リピート率は51.9%に達する。

北米・オセアニアでの展開は、台湾での自社EC、中国でのモール出店、2024年11月に開設したマレーシア・タイ・フィリピン・シンガポール・香港向け公式オンラインストアに続く拡大ステップとなる。医療従事者への直接販売を中心に、現場の声を製品開発に反映しながらブランド体験の向上を図る。

今後は、日鉄物産の繊維事業と三井物産アイ・ファッションが統合して設立した繊維関連事業を展開するMNインターファッションと連携し、生産・物流体制を強化。多くの地域へ安定的かつ持続的に製品を届ける供給体制の構築を進める。

クラシコは11月に東証グロース市場へ上場。2024年10月期の売上高は前期比26.8%増の30億6100万円、経常利益は5500万円(前期は1億7500万円の赤字)、当期純利益は2800万円(前期は1億1900万円の赤字)だった。

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