鳥栖 剛[執筆] 7:30

帝国データバンク(TDB)は11月14日、「高市政権に求める経済政策関連アンケート」の結果を公表、企業の75.7%が新政権による経済効果を「期待している」と回答した。

高市政権の経済政策への企業評価

高市政権の経済政策について、「期待している」が75.7%、「どちらともいえない」が18.4%、「期待していない」が5.6%だった。

高市政権に75%の企業が「期待」、小売からは「物価を下げて、国民生活に大いに寄与してほしい」の声も
75.7%が高市政権の経済政策に期待

企業からは以下のような声があがっている。

  • 物価を下げ、国民生活に大いに寄与していただきたい。(専門商品小売)
  • 停滞する日本経済に対し、積極財政や日本の強みを生かす戦略を掲げる新政権に期待する。(教育サービス)
  • 新政権の実行力とスピードに大いに期待している。(専門商品小売)

政策遂行力への期待が寄せられた一方で、「AI活用による人手不足解消に期待するが、事業実施のための予算が課題」(メンテナンス・警備・検査)といった懸念の声もあがった。

「ガソリン税・軽油引取税の暫定税率廃止」への期待

高市政権の掲げる政策のなかでも、「ガソリン税・軽油引取税の暫定税率廃止」への期待は82.1%と最も高かった。

高市政権に75%の企業が「期待」、小売からは「物価を下げて、国民生活に大いに寄与してほしい」の声も
「ガソリン税・軽油引取税の暫定税率廃止」への期待は8割強

企業からは、次のような意見が出ている。

  • 暫定税率が廃止されれば、すべての層が等しく恩恵を受け、経済全体に好影響を及ぼす。(放送)
  • 輸送コストが下がれば、ものづくり分野の仕入価格高騰を一定程度抑えられるのではないか。(機械製造)
  • 政策としては良いが、代替財源が示されていない点が懸念。(情報サービス)

「年収の壁」引き上げへの期待は65.1%

「年収の壁」引き上げには65.1%が期待を示した。「どちらともいえない」は27.6%と3割近い。現場からは「最低賃金上昇に伴い、扶養内に収めるため勤務時間を調整せざるを得ない状況が現実にそぐわない」(機械・器具卸売)と、早期の制度見直しを求める声があった。

一方で、「所得税の壁を引き上げても、“社会保険の壁”“住民税の壁”まで手当てしなければ課題解決にはつながらない」(自動車・同部品小売)と、制度全体を一体で見直す必要性を指摘する意見もあった。

高市政権に75%の企業が「期待」、小売からは「物価を下げて、国民生活に大いに寄与してほしい」の声も
「年収の壁」引き上げに対しては、65.1%が期待

17の戦略分野、「AI・半導体」に最も期待

政府が重点投資を掲げる17分野のうち、最も期待が集まったのは「AI・半導体」(69.2%)。「防災・国土強靱化」(53.9%)、「デジタル・サイバーセキュリティ」(48.2%)、「資源・エネルギー安全保障・GX」(46.4%)などリスク対策分野が上位にあがった。

「情報通信」(42.8%)や「量子」(40.1%)など次世代技術への期待も高い。一方、「フードテック」(23.9%)や「港湾ロジスティクス」(23.7%)、「海洋」(22.8%)、「フュージョンエネルギー(核融合)」(20.9%)は2割台にとどまった。

高市政権に75%の企業が「期待」、小売からは「物価を下げて、国民生活に大いに寄与してほしい」の声も
17の戦略分野、「AI・半導体」に最も期待

TDBは今回の結果について、高市政権の政策遂行力や積極財政への期待が全体として強い一方、財源確保や関連制度の包括的見直しを求める声も多いと分析している。今後は、不確実性の高い環境に対応しつつ、日本経済の持続的成長につながる中長期的政策運営が求められるとした。

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