アマゾンがリフォーム商品などの「リフォームストア」を開設、積水ハウスらが出品

まずは積水ハウス、大和ハウス、ダスキンの3社が出品

中川 昌俊

2015年6月30日 17:45

アマゾンは6月30日、キッチンやトイレ、ハウスクリーニングなどのリフォーム工事を取り扱う「リフォームストア」を開設した。リフォームには従来、条件に応じた工事費などの見積もりが必要だが、アマゾンでは商品に工事費を含めた価格で設定。購入しやすい環境を整えた。

キッチン、トイレ、風呂場といったリフォーム商材は近年、テレビ通販が積極的に扱うなど通販ニーズが増えている商材。アマゾンも取り扱いを始めることで、流通額拡大につなげていく。

開始時には、積水ハウスグループ、大和ハウスリフォーム、ダスキンの3社が商品を提供する。積水ハウスグループ、大和ハウスリフォームがネットで受注を始めるのは初めて。ダスキンでは従来から自社のサイトで受注を行ってきたが、今回のようにパッケージで展開するのは初めてとなる。

リフォームストア

積水ハウスは過去の施行実績のデータを活用することで、工事費を含めた「定額パッケージリフォーム」を191品目用意。あわせて、滋賀県栗東市に「リフォーム研究所」を2015年3月に開設して人材育成も強化。実際にリフォームを行う際、購入者への対応といった品質を高めることで、悪いユーザーレビューが付かないようにした。

積水ハウスの阿部俊則社長は会見で「リフォームは満足度の高いサービスのため、一度行うとリピートするお客さまが多い。簡単にネットで注文できるようにして、将来的な大規模リフォームなどにつなげていきたい」と、ネット販売を開始した狙いを語った。

大和ハウスでは、まずはネットでどれだけ受注があるかを見極める。キッチン、ユニットバス、洗面所、トイレなどニーズが見込めるリフォーム商材を中心に展開。また、インスペクション(建物診断)も商品として出品し、ニーズを探っていく。

ダスキンはハウスクリーニングを定額で提供するほか、ハウスクリーニングのギフトカードを販売。母の日などのギフト需要を開拓していく。

住宅設備のEC市場は拡大しており、多くの事業者が参入を始めている。ただ、従来は設備の販売店がメインで、ハウスメーカーのネット通販対応は進んでいなかった。今回、アマゾンがこうしたハウスメーカーに働きかけることで販売体制を構築。今後、ハウスメーカーのEC参入が進んでいきそうだ。

左からアマゾンジャパン・ジャスパー・チャン社長、大和ハウスリフォーム・杉浦純一社長、
積水ハウス・阿部俊則社長、ダスキン・山村輝治社長
この記事のキーワード

この記事をシェアしてほしいタヌ!

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る

企画広告も役立つ情報バッチリ! Sponsored

「声のする方に、進化する。」会社全体最適を目標とするワークマンの「補完型EC」 が実践する「レビューマーケティング3.0」とは? 12月17日 7:00 「所有から利用へ」の潮流をAIで勝ち抜く。事例で学ぶレンタル・リユースビジネスの成功法則とEC構築術 12月16日 7:00 「サムソナイト」「グレゴリー」のEC改善事例。CVR改善+購入完了率が最大45%増の成果をあげたアプローチとは 11月12日 7:00 スマホゲーム「モンスト」ファンがお得にアイテムを購入できる「モンストWebショップ」はなぜ「Amazon Pay」を選んだのか。導入効果+UI/UX向上に向けた取り組みを聞いた 10月30日 7:00 アンドエスティが「3Dセキュア2.0」の超効率的運用に成功したワケ。オーソリ承認率大幅改善、売上アップにつながった不正対策アプローチとは? 10月28日 7:00 EC業界で市場価値を最大化する――「全体を見渡せる人材」になるためのキャリア設計 10月27日 7:00 転売ヤーが引き起こすEC市場の混乱に立ち向かう! Shopifyパートナー・フラッグシップが提案する最新対策 9月29日 8:00 14か月で累計売上30億円超え。 韓国のネイルブランド「ohora」の急成長を支えたEC戦略とは 9月22日 8:00 生成AI検索が変える消費者の購買行動。UGC活用でサイト流入を最大化する 9月10日 8:00 ほしい商品が見つからないイライラを解消し、CVRを向上! 検索機能強化と顧客満足度アップを実現するBtoB-ECサイト改善のポイントとは? 9月9日 7:00