消費者契約法の改正を巡って、「勧誘」に「広告」が含まれる可能性が出てきた。不利益な事実を記載していない広告や、事実と異なる情報を表示した広告に基づいて締結された消費者契約を取り消すことができる方向で議論が進んだためだ。「広告」に取消権が導入されれば、不当勧誘で商品を購入した消費者への返金を行う必要がある。「広告」の規制のあり方については、特定商取引法の改正で虚偽・誇大広告への取消の導入が議論されている。「広告」が「勧誘」に含まれれば、特商法改正の議論にも影響を及ぼしそうだ。
 
消費者委員会の「消契法専門調査会」は6月30日の会合で、「勧誘」の要件を検討。取消の対象となる「広告」は、事実と異なる表示を行うなどの不当勧誘を行い、特定商品の購入の意思決定に直接影響したものに限定。消費者庁は「消費者契約に関する法律となるため、契約の当事者が何をしたかで判断する」(消費者制度課)と説明した。
 
ただ、広告は商品を訴求する「広告」や、認知度向上のための「イメージ広告」などその種類はさまざま。メーカーのパンフレットを参考にして販売事業者が広告表示を行うことがあり、表示主体と販売主体が分かれる場合も少なくない。
 
検討では消費者庁が、勧誘にあたる広告について、特定の商品購入(契約)を誘引するものと説明しており、通販広告はこれに当たる。一方で、イメージ広告は商品購入を誘引する目的の有無で「勧誘」に当たるかどうかの判断が分かれるもようで、「整理する必要がある」(同)とした。
 
また、「第三者」の不当勧誘によって消費者が誤認したケースは、不当勧誘によって消費者が契約を締結したことを、事業者が知っていた場合や知ることができた場合には取消が認められることになる可能性がある。
 
販売業者と一定の関係にあるものを「第三者」とする。くちコミや芸能人のコメントなど、販売事業者がコントロールできないものは、取消の対象としない。販売主体と広告主体が異なる場合については、委員から「広告主に対する売主の調査義務は発生しないとして良いだろう」とする意見があった。
 
一方で、「広告」を勧誘として取消を導入することについて懸念する声があった。委員からは「本来の営業活動がどう阻害されるか、どの程度コストがかかるか、事後の検証は必要」とする意見が出ていた。
 
「広告」の規制を巡って、特商法専門調査会でも虚偽・誇大広告への取消の導入が議論されている。事業者サイドからは「消契法調査会の結論に先行して議論すべきではない」との意見が出ており検討を先送りしていた。今回の消契法の検討が進んだことで、特商法への取消導入の議論が進む可能性がありそうだ。
 
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消契法専門調査会「広告」に取消を導入へ、購入意思への働きかけで判断(2015/07/02)
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