資生堂、「草花木果」の化粧品通販子会社キナリをスクロールに売却へ

キナリの2016年12月期売上高は22億6900万円、純利益が4300万円。スクロールは化粧品領域の事業を強化

瀧川 正実

2017年6月1日 6:00

資生堂は5月31日、化粧品ブランド「草花木果」の通販で知られる子会社キナリを7月3日付でスクロールに売却すると発表した。売却額は非公開。

キナリは2001年4月に設立された、資生堂100%出資の化粧品販売会社。30歳代から40歳代女性が中心顧客で、自然派化粧品ブランド「草花木果」のネット通販を主力チャネルとして事業を展開している。

2016年12月期の売上高は22億6900万円、営業利益が6700万円、経常利益が5100万円、当期純利益が4300万円。

資生堂、「草花木果」の化粧品通販子会社キナリをスクロールに売却へ

キナリが運営するECサイト「草花木果」(画像は編集部がキャプチャ)

スクロールは2017年1月、化粧品や化粧品雑貨の製造・販売会社ナチュラピュリファイ研究所(化粧品ブランド「24h Cosme」などを展開)を子会社化。2010年には通販サイト「コスメランド」を運営するイノベートを買収してる。

また、2017年2月末までにアパレルECサイト「スクロールショップ」とシニア向けアパレルECサイト「ブリアージュ」を閉鎖。一方、化粧品や健康食品事業の強化を図っており、事業の選択と集中を進めている。

キナリの買収はこの一環で、スクロールはキナリの買収で、化粧品領域の事業拡大を図る。

売却に関する契約は5月31日に締結。株式譲渡実行日は7月3日を予定している。

資生堂とスクロール、それぞれのコメントは次の通り。

資生堂

同社(スクロール)は「草花木果」を今後の同事業の成長に貢献できるブランドと評価しており、「草花木果」のブランドコンセプトと、スクロール社が有する会員組織や販路、インフラなどの強みが相乗効果を発揮し、将来にわたる持続的な成長やブランド価値向上につながると判断し、今回の合意に至った

スクロール

当社健粧品事業においてブランド力の高い商材を導入することによる事業強化をめざすため、株式取得(子会社化)するに至りました。

「草花木果」のブランドコンセプトをそのままに、当社グループが持つ販売網および販売促進ノウハウ、ならびに通販インフラを活用することで、株式会社キナリ(草花木果)の成長拡大が図られるとともに、グループ全体としてシナジー効果が得られるものと考えている。

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