Yahoo! JAPANの検索データから見えた意外な「卒業」「新生活」シーズンの消費トレンドと消費行動
受験シーズンが終盤に差し掛かり、多くの受験生が3月には「卒業」を迎え、「新生活」を始める人が増える時期となりました。今回は「卒業式」「新生活」のそれぞれのイベントで発生する消費ニーズをYahoo!検索のキーワードから探ってみます。
検索数上昇は1月から、ピークは3月
Yahoo!検索において、「卒業式」「新生活」というキーワードはいずれも正月明けに増え始めます。そう、受験シーズン前に関心が高くなり始めるのです。つまり、1月中にはECサイトに商品が並んでいる状態を作っておくのが得策です(来年以降はぜひ対策をしてください)。
この検索傾向は、関連商材を扱うネット通販事業者はもちろん、関連キーワードで流入を増やしたいと考えているEC事業者は必ずチェックしておきましょう。「卒業特集」「入学特集」「新生活特集」の企画を組んで誘導を強化するのに役立ちます。
早目に商品を登録することで、「検索流入」「特集ページからの流入」による、集客チャンスが広がるのです。
「卒業式」の関連検索。最速、最多キーワードは?
まず「卒業式」と一緒に検索されるキーワード(関連検索ワード)を見てみましょう。
最も早い時期から検索され始め、最も多く検索されるキーワード……実は、毎年同じなのです。
主役であるはずの「子ども」ではなく、「母の服」が第1位の常連。私も同じ母として思わず笑ってしまいました。そして弁護を1つ。母はこれまで子育てに頑張ったのです、許して!
こんな風に人々の隠れた本音が見えてしまうのも、検索データの面白いところ。レディースファッションを取り扱っている事業者さんは、関連商品の準備(キーワード選定、商品ページ作りなど)を早めに準備してください。
「卒業式」を検索したユーザーの検索行動
次に、「卒業式」を検索したユーザーが、その前後24時間で検索する傾向の高いキーワードを抽出してみました。
「レピピアルマリオ」「ピンクラテ」「ラブトキシック」――。まるでおまじないのような“カタカナワード”。何を指すかご存じですか?
これらは、おもに女子児童が卒業式で着用する服、いわゆる「卒服」を売り出している、今、大人気のティーンファッションブランドの名前なのです。
また、小学校の卒業式といえば、「袴」を着る女の子も増えています。「袴」といえば大学生のイメージでしたが、最新の検索データを見ると「小学生」が、「大学生」よりも2倍近く多い状態でした。
検索データで発見、通年商品の需要の山
「卒業式」を検索するユーザーは、「パールネックレス」も検索しています。これは、前述した母親向けの商品ですね。
「パールネックレス」は季節感に左右されないアクセサリーのようにも思えますが、検索数は1月、2月、3月が最も多く、検索データから需要の山があることが発見できました。
「パールネックレス」を取り扱う事業者さんは、たとえば、次のような施策はいかがでしょうか?
- パーティードレスではなく、スーツやワンピースとのコーディネート写真を追加
- 「卒業式におすすめ」「入学式におすすめ」といったキーワードの追加登録でSEO対策
- セール企画
- インターネット広告を通常より多めに出稿
「新生活」の関連検索。最速、最多キーワードとは?
進路によっては、春から一人暮らしを始める学生や新社会人が増えるため、いわゆる「新生活」に必要な商品の需要が高まります。
まとまった商品の購入、かつ高額商品も多いため、関連商品を販売している事業者さんは「何が必要とされているか」、最新の情報が気になることでしょう。
「新生活」と一緒に検索されるキーワード(関連検索ワード)を見てみましょう。
1位の「家電セット」は、予想通りといったところでしょうか? EC事業者の皆さんは、次点に注目ください。消費者は、「必要なもの」を確認している状態であることがわかるんです。
御社のECサイト内で、新生活で必要な「必要なもの」リストを作成することで、検索流入の増加も期待できますし、同時に「合わせ買い商品」を提案することもできるようになります。
「セット」「応援」といったキーワードへの関心も高いことから、セット割引、新生活応援クーポンなども企画すれば、購買率が高まりそうです。
「新生活」を検索したユーザーの検索行動
検索行動でのニーズを探るため、「新生活」を検索したユーザーが、その前後に検索する消費に関するキーワードを抽出してみました。
- インテリア
- 家具
- 部屋コーディネート
- 冷蔵後 一人暮らし
- 一人暮らし 必要なもの
家電に関しては「セット」、インテリアはコーディネート例などから暮らす部屋や好みに合う商品を探す傾向がありそうです。
参考までに「家電セット」と検索したユーザーは、その前後に「ベッド」「ソファ」「カーテン」を検索する傾向が高いようです。
まとめ
季節行事系の消費に共通する傾向として、イベント当日の2か月ほど前から検索数の上昇が目立ってきます。同時に、事業者さんも、関連商品への誘導を強化する傾向があります。
季節商品を取り扱う場合は登録を早めに行い、集客と売上アップのチャンスを拡大しましょう。