アマゾンジャパン合同会社 2018/6/6 8:00

20以上のECサイトを通じてファッション通販を手がけるピー・ビー・アイ(PBI)は、約5年前からレディース向けの季節商材の販売にも力を入れている。2017年5月には、販売事業者名「DITA(ディータ)」として「Amazon.co.jp」で浴衣の出品をスタート、同年12月には米国の「Amazon.com」でも販売を開始するなどした結果、初年度で事業拡大の手応えを感じる結果になったという。今後は浴衣以外の季節商材の充実ならびに海外販売の拡大にも取り組んでいく考えだ。

急な需要が多い浴衣にAmazonのFBAがマッチ

ピー・ビー・アイが季節商材に注力する中、“気軽に浴衣を着たい”という若い女性を中心とする顧客のニーズに応えるため、ECで簡単に購入できる浴衣セットの開発に取り組んだ。自社で展開する他のECサイトで可能性を感じ始めていた自信作の浴衣セットの販売を「Amazon.co.jp」で始めたのは、ちょうど浴衣のシーズンがピークとなる2017年5月だった。

準備期間が短かったにもかかわらず、シーズンが終わってみると他のECサイトよりAmazonでの売り上げが約2倍に伸びた

遠山蘭子マネージャー(EC事業部 店舗運営 レディースチーム)はこのように話す。その理由は、Amazonの在庫保管・配送代行サービス「フルフィルメント by Amazon(FBA)」の活用が大きかったという。

ピー・ビー・アイ(PBI)の遠山蘭子マネージャー(EC事業部 店舗運営 レディースチーム)
EC事業部 店舗運営 レディースチーム マネージャー 遠山蘭子氏

浴衣は「週末のイベントへ間に合わせたい」など、急な需要が増えるケースが多い。そのため、顧客にとって“すぐに商品が届く”というAmazonが想起されやすかったのではないかと遠山氏は推測する。

ピー・ビー・アイが販売する浴衣は、自分で帯を結ぶ必要がない「作り帯」と下駄がセットになっているのが特長で、価格帯は6000円台が中心。Amazonでの販売にあたり、こうしたセット内容が一目で分かるよう、サイト上の商品写真や商品説明に工夫をこらしている。

また、浴衣を仕入れる段階から「いかに『ネット映え』する絵柄であるかを意識している」(同)と話す。シンプルな絵柄は実物を見ればかわいく感じても、数多くの商品が並ぶオンラインの画面上ではインパクトに欠け、顧客の印象に残りにくいという。ピー・ビー・アイは、レトロ柄や大柄の花、水玉模様など、鮮やかでわかりやすい絵柄の浴衣を仕入れ、ECで販売している。

イベントを目前に控えている顧客にとって、届いてすぐに着用できることもポイントとなる。FBAを活用し、Amazonプライム会員であれば「お急ぎ便」や「お届け日時指定便」が無料で利用できるプライム対象商品として打ち出した。この施策で、「すぐにほしい」といった消費者ニーズを掴むことができたと考える。

さらに、「届いたらすぐに着られる」ようにするため、浴衣・作り帯の着付け方法や着こなし方のワンポイントアドバイスなどを紹介する「ゆかた着付けBOOK」を独自制作。この冊子を商品に同梱することで、顧客からは「ゆかた着付けBOOKがあったので、簡単に着付けられました」といった声が寄せた。顧客満足の向上にも一役買っているのだ。

また、Amazonでの販売を通じて、下駄に関するカスタマーレビューが多く寄せられたという。下駄は一般的にはサイズ感はきつめに作られているものだが、カスタマーレビューの書き込みからこうした下駄の特性が顧客に伝わっていないと感じ、サイト上の商品説明文に「性質上、最初はキツメになっております」「事前に数時間履きならすと◎」など細かく補足説明した

「Amazon.co.jp」上でも事前に消費者の疑問を解決することで、オンラインショッピングへの安心感を高めるよう心がけている。

ピー・ビー・アイが販売する浴衣は、自分で帯を結ぶ必要がない「作り帯」と下駄がセットになっている
ピー・ビー・アイが販売する浴衣は、自分で帯を結ぶ必要がない「作り帯」と下駄がセットになっている

絵柄やアイテムなど細かな検索キーワードで活用するスポンサープロダクト

「Amazon.co.jp」への出品当初から、クリック課金型広告サービス「Amazonスポンサープロダクト」を利用し、商品の露出を図った。浴衣はその他のアパレル商品に比べて、顧客ニーズやマーケットが明確化しているというビジネス環境がある。

そんなことを背景に、AmazonスポンサープロダクトのROAS(ロアス:広告費用対効果)は常時、高水準で推移。適切な露出が確保され、ピー・ビー・アイの「ネット映え」する浴衣は、数あるAmazon上で浴衣の中でも十分勝負できたという。

また、浴衣は「浴衣 アサガオ」「浴衣 作り帯」など、具体的な絵柄や関連アイテムで検索する消費者が大半を占める。そのため、詳細なキーワード設定でコンバージョン率を高めることができたという。

さらに、多くの消費者が活用する「Amazonランキング(売れ筋ランキング)」は1時間ごとに更新されるので、売れ始めるとすぐにランキング上位に表示され、販売のエンジンがかかりやすい。早い段階でAmazonランキングの上位にランクインすることも重要と説明する。

ピー・ビー・アイが展開するAmazon内の「Dita(ディータ)」
「Amazon.co.jp」と相性が良いという「Dita(ディータ)」

米国でも人気に、今夏からより積極的に展開

日本での浴衣シーズンが過ぎた2017年12月、米国の「Amazon.com」で販売を開始。海外展開は以前から意欲的に考えていたものの、まずは需要を見極めるため、初年度はシーズン中に日本で在庫が余った浴衣を出品した。

実際に販売を始めると、どの絵柄・浴衣にも需要があることが分かり、想定以上の反響があった。2018年夏からは米国での販売にも力を入れたい。現時点では、海外で人気が出る絵柄の傾向が読みきれない部分もあるが、日本で好評の浴衣を販売することで、共通点が見えてくるものと思う。また、日本とは異なるニーズがある海外にも販路を確保することで、取引関係のある卸売企業が持つ在庫の販売を弊社で引き受けることができ、双方のビジネスが活性化できると考えている。(遠山マネージャー)

季節商材にはオフシーズンがある。浴衣に限らず、水着やルームウェア、ハロウィーンコスチュームなど、商品ラインナップを増やすことで、「Amazon.co.jp」「Amazon.com」で年間を通して需要を確保していきたいとしている。

事業者概要

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