通販新聞 2014/10/2 7:00

ヤフーは9月17日、仮想モール「ヤフーショッピング」の出店店舗を招き、都内で「ストアカンファレンス」を開催した。昨年10月に無料化と自由化を掲げた「eコマース革命」から1年。ヤフーショッピングはどこへ向かうのか。同社執行役員ショッピングカンパニー長の小澤隆生氏がカンファレンスの「戦略共有会」で語った。

「集客はまだまだ頑張るところがあるのかなというのが1年の振り返り」

昨年、この場で3つのお約束をしました。「料金」「機能」「集客」。この3つがそれぞれどうだったのか振り返ります。

「料金」に関してはご存じのように、出店料、ロイヤルティを無料化しました。「機能」は「ストアクリエイターPro」という管理ツールを出しました。エンジニアも当時は数十人だったのを百人以上、200人ほど増員させてもらうとお約束しましたがしっかりと増員もできております。「集客」に関してはこの1年ものすごくうまくいっていたかというとそうではないと思わざるを得ない。例えば「ヤフー知恵袋」との連携をやってみましたが、あまりうまくいきませんでした。「料金」「機能」に関してはなかなかうまくできましたが、「集客」はまだまだ頑張るところがあるのかなというのが1年の振り返りです。

では、これからどうするのか。我々は5つの方針を持ってヤフーショッピングを運営しています。

1つ目は「出店数/商品数」。ストアの数は13万店を超えました。商品数は(6月末時点で)1年前の160%となり1.2億点というところまできました。お店が増えるとライバルが増えるとお考えかもしれませんが、これは将来的に日本一のショッピングモールという定義の中で集客に対して非常に効いてくると考えていますので、継続してやっていきます。

2つ目が「訪問者数」です。ヤフーでモノを欲しがっている方をヤフーショッピングにしっかりと誘導するということをやります。ヤフーショッピングで売れさえすればヤフーの検索の上位に出てくる。単純にこう思っていただければ結構です。また、お買い物に特化した「NAVERまとめ」のようなサービスを作るつもりです。皆様方にも自由にご執筆いただけます。我々も執筆をします。

3つ目が「購買率」。昨年のeコマース革命以来、流入はもちろん増えています。流入が増えるとコンバージョンレートは下がりますが、コンバージョンレートも上がっています。例えば均一セール、半額セール。今、数字が出だしています。こうした小さな実験をたくさんやっていこうと思います。

4つ目が「リピート率」。「買い物は楽天もヤフーも一緒でしょう」という意見があります。確かに出店者様はかぶっています。ただ、システム利用料を無料にしましたので、かなりヤフーのほうが安いという展開もでてきました。そして私どもの原資負担でポイントを提供していますが、お客様には非常に好評です。

最後に「EC関連サービス」です。アスクルと資本提携させていただき、フルフィルメントサービス「ヤフーロジスティクス」を手がけていますが、モノを預かり、発注情報をいただいた上で我々が作業して出荷する。これに関しまして、出荷数は(昨年10月に比べ)20倍になっております。

ヤフー執行役員ショッピングカンパニー長の小澤隆生氏

ヤフー執行役員ショッピングカンパニー長の小澤隆生氏

優勝セールに期待を

年末までの施策ですが、もちろん年末商戦はやります。ヤフーのトップ、ヤフーの検索、ヤフー全体で盛り上げます。様々なセール、様々なキャンペーンを行っていきます。

しかし、その前に優勝セールです。今年は(ソフトバンク)ホークスの優勝が近い。恐らく明日くらいから事前エントリーのページができあがります。一品でも多くいい商品を。これで負けてしまったら元も子もありませんが、一応残念セールも計画しております。こちらもご期待いただければと思います。

皆様方がヤフーショッピングをもう少しご活用いただく。もう少し力をいれていただく。もう少し価格を下げていただく。そのためにシステム利用料、出店料無料にしております。2%、3%安くしてください。我々はそこにポイントを5%乗せます。場合によっては消費者からすると10%程安くなります。

皆様方が最終的に消費者に届ける金額がより安くできるようにショッピングモールとしてはまず我々が身銭を切って消費者に価値を提供したいと思っています。

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