東南アジア・台湾で最大規模のEコマースプラットフォーム「Shopee(ショッピー)」の日本法人であるショッピージャパンは、毎年11月11日に実施する大型ショッピングイベント「11.11メガデー」で、2025年は日本越境セラーの注文数が大きく伸びたと発表した。
需要が継続的に高いフィリピン、シンガポール、台湾といった主要市場に加え、タイやマレーシアでも著しい成長を記録。ブラジル市場では日平均約16倍を記録したという。
「11.11メガデー」は、東南アジア、台湾、ブラジル、メキシコで毎年11月11日に開催するショッピングイベント。ショッピージャパンによると、日本での「ブラックフライデー」に並ぶ大型セールイベントとして世界中の消費者が期待を寄せていることから、出店している販売事業者(セラー)にとっては認知向上と売上成長を狙いやすいという。
2025年の「11.11メガデー」は、日本の越境セラーの注文数は前年比で大きく成長。日本製品の需要や品質・機能性に対する信頼が「Shopee」全体で急速に拡大していることが示されたという。
特に成長が目立った市場は、タイが前年同日比147%増と最も高い成長率を記録。マレーシアでは同102%増、フィリピンは同70%増だった。ショッピージャパンは「マレーシアは新たな成長市場として存在感を高めた。フィリピンは引き続き安定した成長トレンドを維持している」と解説している。
また、平均日次注文数で比較すると、ブラジルは約16倍、台湾は約8倍。「日本製品の競争力が多様な市場で広がっていることが明確になった」(ショッピージャパン)
カテゴリー別トレンドと消費者ニーズ
2025年の「11.11メガデー」では、次のカテゴリーで特に高い需要が見られた。
- ビューティー:フィリピンが最も高い関心を示し、台湾が続いた。ヘアケア、スキンケア、バス&ボディケアなど、日本製処方と高い品質が信頼され、幅広い市場で好調な売れ行き。
- ホビー・コレクション:フィリピンとタイで特に高い人気。玩具、キャラクターグッズ、コレクションアイテムが好調に推移。
- 食品・飲料:フィリピンとシンガポールが主要市場で、飲料、菓子類、昆布だしなどの日本調味料が現地消費者から高い支持を獲得。
- ヘルスサプリメント:フィリピンとシンガポールを中心に、健康志向の高まりを背景に安定した成長を維持。
このほか、文房具カテゴリーでも日平均の約7倍の注文数を記録したという。
「11.11メガデー」のトップ日本商品
日本製ならではの高い品質と機能性が、各市場で高い評価を得たという。特に人気の高かった日本商品は次の通り(一部を抜粋)。
- ホーユー「CIELO 白髪染め / EXヘアカラークリーム」
- 味覚糖グループ「UHA グミサプリ(鉄&葉酸)」
- 資生堂「資生堂ベビーパウダー」
- セザンヌ化粧品「セザンヌ パールグロウハイライト」
マーケティングソリューションによる効果
日本越境セラーの注文数が日平均と比較して大幅に増加した一因に、ショッピージャパンが提供するマーケティングソリューションの寄与があるという。
ショッピージャパンによると、東南アジア市場では、ライブ配信などのコンテンツ型ツールを含むマーケティングソリューションが広く活用された。特に、インフルエンサーにSNSなどで商品を取り上げてもらい、注文の発生に応じて料金を払う成果報酬型ツール「アフィリエイトマーケティングソリューション」や、「ショッピービデオ」を活用したプロモーションは、通常日と比較して約7倍の注文数を創出したという。
ベトナム市場では、日本のセラーの注文数の27%がライブ配信などのソリューション由来だったという。なかでも「アフィリエイトマーケティングソリューション」由来の注文数は13%を占めた。
ショッピージャパンは「日本製品の品質と、デジタルマーケティング施策を組み合わせたプロモーションが購買転換率を効果的に促進した」と考察している。
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