千趣会の2026年度の売上高を410億円に下方修正。「デジタルシフトに向けた各種施策の進捗および効果発現の遅れ」
千趣会は2026年12月期通期の連結業績予想を下方修正し、売上高を従来予想の450億円から410億円に引き下げた。背景には、顧客数減少に加え、通信販売事業で進めるデジタルシフト施策の進捗や効果発現の遅れがあったという。
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千趣会は8月7日、2026年12月期通期の連結業績予想を下方修正した。売上高は従来予想の450億円から410億円に引き下げ、営業利益は2億円の黒字予想から12億円の営業損失、経常利益も2億円の黒字予想から12億円の経常損失へと修正した。当期純利益は13億5000万円の黒字予想から収支均衡の見込みに見直した。

下方修正の理由について千趣会は、2025年2月に公表した「再生計画(2025年~2027年)」に基づき事業構造改革と業績回復施策を進めてきたものの、顧客ターゲットを明確化した世代別の事業ドメイン再編に伴う中間期の顧客数減少に加え、通信販売事業における「デジタルシフトに向けた各種施策の進捗および効果発現の遅れ」などによる受注未達の影響が大きいと説明している。
受注未達に加えて在庫処分販売も増加し、売上総利益額が減少したことも利益面を押し下げる。当期純利益については、固定資産の売却益を計上したことから収支均衡を見込むとしている。
業績予想の下方修正を受け、役員報酬の追加減額も決議した。対象期間は2026年8月から2027年3月までの8か月間で、代表取締役社長の月額報酬を現行のカット率から20ポイント上乗せし、50%減額する。
中間期は営業赤字10億9000万円
同日公表した2026年1-6月期(中間期)の連結業績は、売上高が前年同期比6.9%減の198億1500万円、営業利益は10億9000万円の赤字(前年同期は13億4600万円の赤字)、経常利益は10億8800万円の赤字(同14億8400万円の赤字)だった。中間純利益は1億1700万円(前年同期は19億2000万円の赤字)となり、黒字転換した。
中間純利益の黒字転換は、2026年3月に公表した旧千葉コールセンターの土地・建物を売却し、約12億5000万円の固定資産売却益を計上したことが主な要因としている。

販管費は、販売促進費や販売手数料など注文獲得費の効率化に加え、支払手数料など固定的費用の低減により前年同期比9.0%減となった。一方、売上高は前年同期を下回っており、再生計画に基づく構造改革を進めながらも、売上回復はなお道半ばと言える。
通信販売事業は8.1%減もECモールは19%増
主力の通信販売事業は、売上高が前年同期比8.1%減の168億3600万円、営業利益は12億9900万円の赤字(前年同期は16億3900万円の赤字)だった。
要因として千趣会は、自社ECにおけるデジタルシフト施策の遅れをあげる一方、ECモールやリアル店舗は伸長が続いているとした。一方でECモール(Amazon、Yahoo!ショッピング、楽天市場、ZOZOTOWNなど)の売上高は前年同期比19%増、リアル店舗の売上高は同14%増となった。
ベルメゾンの購入会員数は前年同期比3.6%減の75万1000人だった。一方、新規・復活購入会員数は同8.6%増の32万9000人と増加。継続購入会員数は同11.3%減の42万2000人、客単価は同6.4%減の1万6654円だった。
千趣会は、ターゲットを明確化した世代別事業ドメイン再編の成果が出始めていると説明。子育て世代向けの「With Family」では新規・復活会員が増加し、団塊ジュニア世代向けの「Around50」でも購入会員数の下げ止まりが見え始めたとしている。
カタログ発行部数を45%削減、SNS流入は70%超増
デジタルシフトでは、カタログ発行部数を45%減らしながらも、サイト集客は維持しているという。サイト全体のセッション数は前年同期比2%増で推移し、SNSからの流入は同70%超増と大きく伸長した。
カタログ依存からの脱却が進み、デジタルによる受注獲得は前進しているとの認識を示した。今後はSNS動画マーケティングによる集客強化に加え、他施策との連動やECサイトの接客品質向上を通じて、CVR(コンバージョン率)の改善を図るという。
ECモールでは、配達日の短縮による“お急ぎ需要”の取り込みや、モール向けに最適化した商品の投入、新規出店による顧客層の拡大が奏功した。
AmazonではFBAを活用し、Yahoo!ショッピングでは優良配送によって売上高を拡大。「楽天市場」ではインフルエンサーとのコラボ商品を投入した。2026年4月には「ZOZOTOWN」への出店も開始しており、今後は商品ジャンルの拡大による成長を見込む。

「楽天市場」の「家具・インテリアのベルメゾン」で展開したインフルエンサーコラボ商品「ホッチキスで壁に掛けられるすっきり見えラック」は、目標金額の5倍の売上を記録したという。売り切れと追加生産、再販を繰り返す人気商品となり、3月には家具・収納ジャンルで「楽天ショップ・オブ・ザ・マンス」を受賞。さらに、2026年上半期の「ROOM Style Award」も受賞した。

そのほか、日常の悩みに着目したソリューション型商品も売上をけん引したという。ズボンの「パツパツ問題」に対応する「座パンツ ラクドライ」など、生活者の具体的な不満や不便を起点とした商品開発が成果につながっているとしている。

動画活用も進めている。単なる商品訴求にとどまらない、暮らし提案型の「シーンメイキング動画」も奏功。短期間で100万回再生を超える動画が複数生まれたほか、自社制作動画を広告展開することで、効率的なリーチ拡大にもつなげている。

その他事業は子育て支援などが伸長
このほか、法人事業の売上高は前年同期比3.7%減の17億6300万円、保険事業は同6.1%減の2億円、子育て支援事業を含むその他事業は同12.7%増の10億1500万円だった。
子育て支援では2026年4月に東京都清瀬市で新園を開園。エシカル領域ではベルメゾンネットでの商品展開を拡大し、IP領域では人気コンテンツを活用したオリジナル商品開発や、催事とECを連動させた展開を進めている。
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