ファッションデザイナー・NIGO氏創業のHUMAN MADE、ファッションブランド「UNDERCOVER」のアンダーカバーを5.5億円で買収へ
HUMAN MADEが9月11日、ファッションブランド「UNDERCOVER」を展開するアンダーカバーの全株式を取得し、子会社化すると発表した。取得額は概算5億5400万円。ブランドレガシーを活かしながら事業構造を見直し、収益性向上とグローバル展開をめざす。
9月15日 9:00
ファッションデザイナー・NIGO氏が創業したHUMAN MADEは9月11日、ファッションブランド「UNDERCOVER」を展開するアンダーカバーの全株式を取得し、子会社化すると発表した。同日付で株式譲渡契約を締結しており、株式譲渡の実行日は2027年2月を予定。取得価額は5億5400万円。
HUMAN MADEは、ブランド資産の価値が十分に利益につながっていない企業を買収し、自社ブランドに続く成長の柱へ育成する方針を掲げている。今回の買収を、その「第1号案件」と位置付ける。
「UNDERCOVER」のブランド価値を収益につなげる
取得するのはアンダーカバーの普通株式240株。株式取得価額は5億3800万円で、これにアドバイザリー費用など約1600万円を加え、取得額は合計5億5400万円となる。取得後の議決権所有割合は100%。
HUMAN MADEは今回の買収を、ミッション・ビジョンや成長戦略に沿った「第1号案件」と説明する。
同社はパーパスとして「CULTIVATE CULTURE」を掲げ、人の創造性から生まれるカルチャーを、日本を代表するクリエイティブ産業へ育てていくことをめざしている。成長戦略の1つとして、ブランド資産の価値が十分に利益へ結び付いていない企業を買収し、「HUMAN MADE」に続く第2、第3の成長の柱へ育成する方針を打ち出している。
今回のアンダーカバーについても、ブランド認知度や30年以上にわたって築いてきたブランドの歴史に対して、その価値が売り上げや利益に十分反映されていないと認識。HUMAN MADEの経営ケイパビリティを掛け合わせ、事業モデルを変革することでブランド価値と収益性を高め、将来的なグローバル展開につなげる考えだ。
アンダーカバーは売上35.9億円、営業利益6500万円
買収対象のアンダーカバーは、デザイナーの高橋盾氏が代表を務める企業。「UNDERCOVER」はストリートとモードを融合した独自の立ち位置で、30年以上にわたりブランドの歴史を積み重ねてきた。
HUMAN MADEは「UNDERCOVER」について、「世界中で高い知名度を有するデザイナーズブランド」と評価している。
アンダーカバーの2026年6月期業績は、売上高が前期比7.8%増の35億9000万円、営業利益が同97.0%増の6500万円、経常利益が同240.0%増の5100万円、当期純利益が同640.0%増の3700万円だった。
事業内容は紳士服、婦人服、アクセサリーなどの企画、製造、販売。1994年設立で、大株主は高橋氏が80%、高橋弘史氏が20%を保有している。
HUMAN MADEは「UNDERCOVER」について、十分なブランド認知度を持つ一方、そのブランド力が売り上げや利益に十分結び付いていないと認識している。高い認知度と30年以上にわたるブランドの歴史を業績に反映しきれていない点を課題とし、その解決を買収の狙いの1つに挙げている。

NIGO氏と高橋氏は30年以上の親交、2025年にはコラボも
HUMAN MADEとアンダーカバーは、すでに協業を通じて接点を持っている。2025年にはコラボレーションアイテム「HUMAN MADE × UNDERCOVER」を発売するなど、関係を築いてきた。HUMAN MADEは、アンダーカバーが持つブランド価値やクリエイティブに対する姿勢、カルチャーを起点とした事業づくりが、自社のパーパスや事業方針と高い親和性を持つと判断した。
また、NIGO氏と高橋氏には30年以上の親交がある。両氏は1990年代の裏原宿ストリートカルチャーを代表する存在として知られ、1993年に共同で開業したショップ「NOWHERE(ノーウェア)」は“裏原ブーム”の象徴的な存在になったとしている。
こうした関係性も踏まえ、HUMAN MADEはアンダーカバーをグループに迎え入れ、自社の経営ケイパビリティを掛け合わせることで、ビジネスモデルの変革やブランド価値の向上、ひいてはグループ全体の企業価値向上につなげられると判断した。
高橋氏はヘッドデザイナーとしてクリエイティブを継続
買収後、高橋氏は経営から離れ、アンダーカバーのヘッドデザイナーとしてブランドに関与する予定。
経営面はHUMAN MADEが担い、バックオフィス、物流、ITシステムなどの経営基盤を共有化しながら、ビジネスモデルの変革を進める。
クリエイティブは引き続き高橋氏が担う一方、デザインのIP化も進め、持続的な成長につながる経営体制を構築する。

1~2年で事業構造を改革、5年程度で営業利益9~11億円をめざす
買収後1~2年は「ビジネスモデル変革期」と位置付け、本格的な収益貢献は2〜3年目以降を想定しているという。
直営への切り替えや直営チャネルの拡大・強化、インフラ整備、コスト構造の見直し、商品構成の見直し、新ラインの展開、ブランドコンセプトの策定などを進める。
具体的には、国内百貨店を中心とした店舗展開を段階的に直営店舗へ切り替えるほか、モール中心のECも自社ECへ移行。海外向け卸売りについても取引先を見直す。
商品構成や価格帯、プロモーション政策もチャネル戦略に合わせて再設計し、収益性の向上を図る。
そのうえで、5年程度の中期では売上高45億~55億円、営業利益9億~11億円、営業利益率20%前後を目標に掲げる。
事業構造の切り替えが計画通りに進んだ場合、その後はグローバル展開によるさらなる成長をめざす。
2028年1月期から連結子会社化の予定
HUMAN MADEによると、アンダーカバーは2028年1月期第1四半期から連結子会社となる予定。今回の買収が2027年1月期の業績に与える影響は軽微と見込む一方、中長期的にはグループ連結業績の向上に寄与するとしている。
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