「A Bathing Ape」を立ち上げたファッションデザイナー・NIGO氏創業のHUMAN MADEが東証グロース市場に上場、ビジネスモデル＋業績は？

「A Bathing Ape」を立ち上げたことで知られる著名ファッションデザイナー・NIGO氏が創業し、ストリートファッションブランドを展開するHUMAN MADEは11月27日、東証グロース市場に新規上場した。

HUMAN MADEは2016年の設立。「HUMAN MADE」ブランドを自社で企画、自社ECおよび自社店舗を通じて国内や海外に展開している。

2025年1月期の業績は売上高が前期比34.2％増の112億5800万円、営業利益は同41.5％増の31億8000万円、経常利益は同40.7％増の31億7600万円、当期純利益は同34.1％増の21億2800万円だった。

売上高の内訳は、自社店舗が同80.8％増の54億4000万円、EC売上高は同10.0％増の36億6500万円、卸売は同28.9％増の18億5100万円、その他が同50.9％減の3億100万円。

国内では直営店舗を8店舗運営、ECは外部モールを利用せず自社ECのみを運営。自社ECは、SNSを活用したプロモーション戦略との親和性が高く、低い固定費で効率的に運営できるため、事業戦略において重要なチャネルと位置付けている。売上構成は実店舗が48%、ECが33%、残りの19%はパートナー販売および卸販売などの間接チャネル経由。

HUMAN MADEのプロモーションには特長がある。広告枠を活用した一般的な広告宣伝活動は実施せず、自社SNS、クリエイター、アーティスト、ミュージシャン、グローバル展開する企業とのコラボレーションを通じて商品情報を発信し、ファンを獲得している。

商品のデザイン関連は創業者であるNIGO氏がクリエイティブディレクターを務めるほか、アーティストで音楽プロデューサーのファレル・ウィリアムス氏、現代アーティストのKAWS氏がアドバイザーとして参画。さらに、クリエイティブパートナーとしてグラフィックアーティストのVERDY氏を迎えている。

従業員数は190人で、直近1年間の臨時従業員（アルバイト）の平均人員は22人。平均勤続年数は2.1年、平均年収は609万2000円。

上場による調達資金は、国内直営店の新規出店資金、新本社の設備資金、ECシステム強化のための設備資金、海外子会社への投融資などに充当する予定である。なお、ECシステム強化には約8600万円を投じる予定。

今後は、新規ブランドの展開や海外展開の強化を計画。店舗戦略として、既存標準店舗の2.5〜4倍規模となる大型の旗艦店を東京および大阪エリアに出店する方針だ。