売れるネット広告社グループは12月16日、アドウェイズの中国子会社「愛徳威広告(上海)有限公司(ADWAYS CHINA)」と、香港子会社「ADWAYS ASIA HOLDINGS LIMITED」の株式をそれぞれ100%取得し、完全子会社化することについて基本合意書を締結したと発表した。中国市場への本格進出と支援領域の拡大を進める。
取得価額は現在協議中だが、連結純資産の15%以下の金額となる見込みとしている。
ADWAYS CHINAとADWAYS ASIAは、中国市場におけるブランド広告主向けデジタルマーケティング支援、アプリ開発者向けのアプリマーケティング支援、ライブコマース支援などを展開。現地プラットフォームやメディアとの強固なネットワークと高い運用ノウハウを持つ。
ブランド広告主向けには、マーケティング戦略の立案から、インフルエンサーマーケティング、クリエイティブ制作、SNS運用、オンライン・オフラインを組み合わせたキャンペーン設計までを提供し、中国市場におけるブランド認知の獲得とファン作りを支援。アプリ開発者向けには、フルチャネルでのアプリマーケティングを支援し、ユーザー獲得から継続利用、課金促進までを一気通貫でサポートしている。
売れるネット広告社グループは両社の子会社化で、中国市場で実績のあるデジタルマーケティング事業を取り込み、世界最大級のEC・SNS市場である中国へ本格進出。今後はアドウェイズグループとの協業も視野に入れ、越境EC、SNSマーケティング、アプリ広告、ブランディングまでを一気通貫で支援できる体制を構築し、中長期的なグローバル成長を加速させる方針だ。
売れるネット広告社グループは近年、越境EC事業の拡大を成長戦略の柱に据え、中国市場でライブコマースを中心に販路拡大を進めている。今回の子会社化は、この戦略との親和性が高く、現地ネットワークと運用力を融合させることで、日本企業の中国向け越境ECや中国SNSを活用したマーケティング支援を強化する狙いがある。
日本市場で培ってきたD2C・ECマーケティングのノウハウと、中国現地のネットワーク・運用力を掛け合わせることで、クリエイティブ制作から広告運用、ランディングページや購入導線の最適化、LTV最大化までを一気通貫で支援できる体制を構築。また、アプリ広告やブランド広告、インフルエンサーマーケティング、SNS運用といったブランディング領域までカバーし、日本発ブランドやアプリサービスの「認知」から「獲得」「CRM・LTV最大化」まで、フルファネルでの支援が可能となる。
さらに、アドウェイズグループとの協業を通じて、テクノロジーやデータ、メディアネットワークを活用した新たな商品開発や共同プロモーション、日中間での顧客紹介スキームなども検討する。
ADWAYS CHINAの2024年12月期の実績は、取扱高が前期比39.1%減の8億3100万円、売上高が同32.6%減の4億5900万円。営業損益は7900万円の赤字(前期は5800万円の黒字)、経常損益も7900万円の赤字(前期は5800万円の黒字)、当期純損益は1億900万円の赤字(前期は2700万円の黒字)となった。
ADWAYS ASIAの2024年12月期の実績は、取扱高が前期比29.5%減の23億2600万円、売上高が同41.6%減の3億900万円。営業損益は7300万円の赤字(前期は2300万円の赤字)、経常損益は8000万円の赤字(前期は1200万円の黒字)、当期純損益は1億7700万円の赤字(前期は1200万円の赤字)だった。
売れるネット広告社グループによると、両社の2025年12月期の業績見通しは、年間取扱高36億円、売上高5億2000万円、営業利益1800万円と黒字化を見込んでいるという。
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