石居 岳[執筆] 2022/10/13 9:00

完全栄養食のD2Cブランド「BASE FOOD」を展開するベースフードは11月15日、東京証券取引所グロース市場へ株式を新規上場する。

2022年2月期の売上高は、前期比264.2%増の55億4575億円、営業損失は4億5421万円、経常損失は4億6098万円、当期純損失は4億6307万円。

完全栄養食のD2Cブランド「BASE FOOD」を展開するベースフードは11月15日、東京証券取引所グロース市場へ株式を新規上場
「BASE FOOD」のECサイト(画像は編集部がキャプチャ)

有価証券報告書によると、新規ユーザー獲得や認知度向上を目的としたオンライン広告、テレビCMによるプロモーション活動を実施(テレビCMは2022年2月期から)したことから、第2期(2018年2月期)から経常損失、当期純損失が続いている。

ベースフードのミッションは「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」。完全栄養の主食を中心としたBASE FOODシリーズ(「BASE PASTA」「BASE BREAD」「BASE Cookies」)の開発と販売を行う。BASE FOODシリーズは2017年2月の販売開始から、累計5000万袋を販売(2022年6月時点)した。

完全栄養食のD2Cブランド「BASE FOOD」を展開するベースフードは11月15日、東京証券取引所グロース市場へ株式を新規上場
BASE FOODシリーズの販売数(画像は有価証券報告書から編集部がキャプチャ)

販売チャネルは、自社ECでの直接販売、「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」といったECプラットフォーム、卸販売の3チャネル。各販売チャネルの特性を活かしながら、自社および自社商品に対する認知および顧客の商品体験の拡大・定着を図っている。自社ECにおいては販売開始時から、卸などを介さず顧客に直接販売を行うD2Cモデルでの販売を手がける。

自社ECサイトでの販売の多くは、4週間に1回の頻度で顧客が定期的に購入し、配送するサブスクリプションモデル(定期購入)。収益構造の大半はサブスクリプション会員による定期購入。2022年8月時点でのサブスクリプション会員数は13万7620人、顧客継続率は93.2%。

ECプラットフォームでは「Amazon」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」などに出品し、複数の商品をセット販売。自社商品の認知および商品体験の拡大を目的にECプラットフォームを活用している。2022年5月からは香港のECプラットフォームである「HKTV Mall」での販売を始めた。

卸販売は卸業者を経由してコンビニエンスストアやドラッグストア、スポーツジムで「BASE BREAD」、完全栄養のクッキー「BASE Cookies」を販売している。全国の実店舗で買いたい時に1袋から購入することが可能。オンラインでリーチできない層のアプローチとして活用する。2022年8月時点の展開実店舗数は、1万7878店舗となっている。

完全栄養食のD2Cブランド「BASE FOOD」を展開するベースフードは11月15日、東京証券取引所グロース市場へ株式を新規上場
事業系統図(画像は有価証券報告書から編集部がキャプチャ)

ベースフードは売上高、売上高成長率のほか、限界利益率を経営上の重要な経営指標とし、それを高めるためにLTV(顧客生涯価値)を重要指標に位置づけている。

2022年1月から自社倉庫が本稼働したことによる配送関連費用の削減で、限界利益率は40.3%(前事業年度末は36.0%)。2022年8月時点のLTVは2万12円。効率的な新規顧客獲得を行うプロモーション活動の指標としているCPAは1万253円。

完全栄養食のD2Cブランド「BASE FOOD」を展開するベースフードは11月15日、東京証券取引所グロース市場へ株式を新規上場 LTVとCPAの推移
LTVとCPAの推移(画像は有価証券報告書から編集部がキャプチャ)

 

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