佐川急便とグーグル・クラウド・ジャパンがタッグ、物流業務の自動化・省人化推進や次世代物流システムの開発で

佐川急便では物量や再配達の増加、ドライバー不足など問題に対応するため、DXを活用した省人化や効率化に取り組んでいるが、将来的な労働力不足を見据え、さらなる改善が急務となっていた。

松原 沙甫[執筆]

2024年10月25日 8:00

佐川急便とGoogle Cloud Japan(グーグル・クラウド・ジャパン)は10月24日、デジタルトランスフォーメーション(DX)を活用した総合物流機能の強化に向け、戦略的パートナーシップ協定を締結したと発表した。

佐川急便のトータルロジスティクス機能を支えるデジタル基盤と、Google Cloudのデータ分析やAIなどの最新テクノロジーを組み合わせ、物流業務の自動化・省人化を推進。提案領域の拡大や顧客ニーズに対応した新サービスの創出につなげる次世代物流システムの開発をめざす。

パートナーシップの第1弾として、ラストワンマイル配送におけるAIソリューションを活用した業務の効率化に取り組む。佐川急便が有する配送のデジタル基盤をベースにGoogle CloudやGoogle Maps Platformを活用、AIによる集配エリアの最適化や過去のデータに基づく将来の集配予測、必要な人員リソースの適正化を検討する。

従来は、繁忙期・閑散期に合わせた物量の増減、集配作業に要する時間を加味するなど、積み重ねてきた経験を基に集配エリアを設定していた。

また、トライアルで導入したDXを通じて、総配達時間の短縮や車両台数の削減を検証し、効率的な配達ルートに変更したことによるCO2排出量の削減効果を確認していく。

今後はGOALビジネス(佐川急便とグループ各社の機能を融合し、顧客企業に提供する物流ソリューション)の一環として、Google Cloudのデータ分析プラットフォームの活用や、AIとIoTデバイスを使った物流の可視化を通じたサステナブルな物流の実現など、各種施策の検討を進める。

物流業界では、EC市場の拡大に伴う荷物量の増加、ドライバー不足や再配達の増加による非効率な配送が深刻化。配送拠点から受取人へのラストワンマイル配送は、時間やコストの増大、環境負荷の増加が課題となっている。佐川急便ではこれらの問題に対応するため、DXを活用した省人化や効率化に取り組んでいるが、将来的な労働力不足を見据え、さらなる改善が急務となっている。

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