通販新聞[転載元] 4/10 7:00

通販専門放送を行うジュピターショップチャンネルがリアル展開を進めている。3月から同社の商品を展示販売するポップアップストアを都内に開設した。リアル展開はポップアップストアだけでなく、既存顧客を招いて特別な商品をその場で紹介、販売する催しなども行っており、今後はさらに強化していくという。同社経営企画本部の中曽根悟司経営企画部長にショップチャンネルが描くリアル戦略について聞いた。

ジュピターショップチャンネル 経営企画本部 中曽根悟司経営企画部長
ジュピターショップチャンネル 経営企画本部 中曽根悟司経営企画部長

リアルの顧客接点を強化

2回目のポップアップストアを開催

――3月13日から東京・北千住の「北千住マルイ」でポップアップストアを開設した(前号4面既報)。昨年2月にも東京・二子玉川でポップアップストアを開設しており、2回目となる。

ポップアップストアはまだショップチャンネルを知らない層との接点作りが目的だ。また、これまでのテレビ通販だけでなく、お客さまのライフスタイルの変化にあわせてテレビとデジタル、リアルを連動させた新たな通販の形の構築にチャレンジしていこうと考えて行っている。

東京・北千住の「北千住マルイ」で開催したポップアップストア
東京・北千住の「北千住マルイ」で開催したポップアップストア

その目的自体は変えていないが、昨年は商品を販売しないショールーミング店だったが、今回は商品を販売するなど前回の反省を踏まえて変えたところがある。

前回はデジタルやテレビとの連動を強く意識していた。商品を購入頂く場合、掲示したQRコードを読み込んで頂き、通販サイトからという形だった。ただ、お客さまは手に取ったものをその場で購入して、すぐ使用したいという声も多かった。そうしたことを踏まえて今回はデジタルとの連携よりお客さま満足度の高い小売店の形にすることにした。

また、前回はテレビとの連動のために番組での紹介商品に合わせて展示する商品を毎日変えていた。ただ、テレビとの連動であまり目まぐるしく入れ替えるとお客さまは少し混乱してしまうこともある。今回は商品を固定して展示、販売することにした。

なお前回は試用できる化粧品がメインだったが、今回は皆さまの興味関心が高いファッション雑貨やアクセサリーが多めとしている。

――今回はポップアップにおけるデジタルやテレビとの連携は行わないということか。

QRコードの掲示などを行っていないが、店内で販売する商品の多くは実はテレビの番組では販売していないネット限定商品だ。これらの商品は値段も手ごろで購入頂きやすいと思う。お買い求めいただいた際に、ネット限定商品であることをお知らせするなどして、ショップチャンネルの通販サイトへの興味を持って頂こうと考えている。

テレビとの連動は告知媒体を置いたり、店内にテレビモニターを置いて当社の番組を流すなどして「ここはテレビショッピングの店舗なんだ」と視覚的に思って頂けるような意識付けを行っていく。

――今回のポップストアは北千住に開設した。理由は。

北千住駅は乗り入れている路線も多く、当社がターゲットしているお客さま層の利用者が多い。また、出店させて頂いた「北千住マルイ」は取扱高が多く、その「北千住マルイ」の中でも多くのお客さまの目に触れる2階のイベントスペースに出店できるということも大きかった。

3月18日にはBSよしもとの番組「発信Liveジモトノチカラ!」でポップアップストアを紹介頂いたほか、当社の番組や北千住周辺に在住の方に告知するネット広告を配信しており、来店促進を促している。期間中に1200人程度の来店を見込んでいるが、想定通り順調に推移している(編注:ポップアップストアは3月25日に終了しています。記事は3月20日の「通販新聞」配信時点です)。

既存顧客向けの取り組みも推進

――今後のリアル展開の方向性は。

リアル展開は今後さらに重要になってくるとみており、リアル戦略を考える専門部署「OMOグループ」を昨年12月に立ち上げて強化を進めている。色々なことがデジタル上でできてしまう時代だからこそ、リアルでのつながりは存在感を増していくはず。ポップアップストアは今後も継続して開設していきたいが、それだけでなく既存のお客さま向けにも新たな取り組みを進めている。

従来からアウトレット品などを販売する催事を行ってきたが、それは別に昨年11月には初の取り組みとして、テレビ通販では紹介していない一点物のジュエリーや数量限定の高級バッグなど「特別なもの」を番組でおなじみのキャスト(司会者)やゲスト(ベンダーの担当者)がその場でテレビショッピングのように販売するイベントを200人程度のお客さまにお越し頂いて本社で開催した。

当社ではこうした既存のお客さま向けの催しを今後も企画や場所を考えながら展開していこうと考えている。いかにお客さまとのタッチポイントを増やしていけるかが重要だ。テレビ、デジタル、リアルすべてで実施して、「ショップチャンネルに触れる機会」をできるだけ増やし、その蓄積がお客さまに選んで頂けるポイントとなると思う。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

→ 年間購読を申し込む(通販新聞のサイト)
通販新聞の過去記事を読む(通販新聞のサイト)
→ 通販新聞についてもっと詳しく知りたい

この記事が役に立ったらシェア!
これは広告です

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
[スポンサー]