「楽天市場」のRPP広告にAIを活用した「自動最適化機能」を導入、11月に完全移行

「楽天市場」は2段階の移行措置を設けた。7月14日から10月31日までは手動移行期間、11月以降は旧方式(手動配信)の提供を終了し、全てのキャンペーンがシステムで自動的に「自動最適化機能」へ移行する予定。

宮本和弥[執筆]

8月5日 9:30

楽天グループは7月14日、「楽天市場」出店店舗向けの検索連動型広告(RPP)に「自動最適化機能」を実装した。これまでの手動で設定していたクリック単価(CPC)や配信タイプに、AIを活用した自動最適化を選べるようになった。

「自動最適化機能」は、掲載面・時間帯・閲覧者の属性に応じて予算配分やCPCを動的に調整する仕組み。これまでの配信方式は、固定のクリック単価(CPC)に基づいた広告表示のため、効率性や費用対効果(ROAS)の改善が見込まれる。

たとえば上限CPCを20円に設定した場合、実際の入札は10円〜20円の範囲で自動的に調整。広告費の無駄を抑えつつ、より効果的な配信ができるようになるとしている。

「楽天市場」が事前に一部出店店舗で実施したテストでは、「自動最適化機能」を導入したキャンペーンにおいて、これまでの手動配信と比べて広告の費用対効果(ROAS)が75.7ポイント向上という結果が得られたという。

「自動最適化機能」のリリースに合わせて、「楽天市場」は2段階の移行措置を設けた。5月から6月にかけては、事前に同意した店舗に対してシステム側で自動移行を実施。7月14日から10月31日までは手動移行期間として、店舗側で新キャンペーンを作成し、配信タイプ「自動最適化(推奨)」を選択することで移行できる。

11月以降は旧方式(手動配信)の提供を終了し、全てのキャンペーンがシステムで自動的に「自動最適化機能」へ移行する予定。

今回のRPP「自動最適化機能」について、EC店舗の支援を手がけるあるコンサルタントは次のようにコメントしている。

今回のアップデートは、楽天市場における広告配信ロジックが大きく変わる転換点となる。出店店舗は新しい入札設計に対応するため、キャンペーン設計の見直しや上限CPCの調整、目的に応じたROAS戦略の導入が求められる。制度変更後も引き続き成果を上げるためには、戦略的に運用・改善していく姿勢が不可欠だ。

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