アパレルECのサルースがMBO、創業者の木下社長がソフィアHDから4405円で譲受

サルースは前期末で約3億6000万円の債務超過に陥っているため、財務基盤の改善が急務となりそうだ

瀧川 正実

2015年7月8日 10:00

アパレルECサイト「SALUS(サルース)」を運営するサルースは6月30日、MBO(経営陣が参加する買収)の実施により、創業者で現社長の木下秀夫氏が全株式4405株をソフィアホールディングスから4405円(1株あたり1円)で取得、再びサルースの全株式を保有する株主となった。

ソフィアホールディングスは2012年8月期にサルースを買収。直販ビジネスを手がけるサルースを取り込むことでEC支援などとのシナジーを生み出すための買収だったが、想定していた効果を得ることができなかったという。

また、本業のBtoBビジネスに経営資源を集中することから、BtoC事業をメインとするサルースの売却先を模索。サルースの創業者で、木下社長とMBO方式によって株式を買い取ることで合意した。

サルースが運営するECサイト

サルースが運営するECサイト(画像は編集部がキャプチャ)

サルースの2015年3月期における業績は、売上高が15億400万円(前期比6.1%減)、営業損失は1億2300万円の赤字(前期は2800万円の黒字)、当期純損失は1億4300万円(同1600万円)。同時期時点で約3億6000万円の債務超過に陥っている。

サルースは2014年3月期は1600万円の最終黒字を計上したものの、前期は最終赤字に転落。債務超過の解消が急務だ。ソフィアホールディングスという後ろ盾を失ったサルースは、第三者割当増資といった資金調達などで財務基盤の改善が迫られそうだ。

サルースは若年女性層を顧客ターゲットとした、シューズやウェアなどのアパレル製品を企画・製造・仕入・販売し、ECサイト「salus」でEC展開。「2014年度 楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー靴ジャンル大賞」などを受賞している。

この記事のキーワード

この記事をシェアしてほしいタヌ!

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る

企画広告も役立つ情報バッチリ! Sponsored

AI時代を勝ち抜くEC戦略。レガシーシステムから脱却し、「Shopify」で実現するPDCA高速化とイノベーション 12月23日 7:00 「声のする方に、進化する。」会社全体最適を目標とするワークマンの「補完型EC」 が実践する「レビューマーケティング3.0」とは? 12月17日 7:00 「所有から利用へ」の潮流をAIで勝ち抜く。事例で学ぶレンタル・リユースビジネスの成功法則とEC構築術 12月16日 7:00 「サムソナイト」「グレゴリー」のEC改善事例。CVR改善+購入完了率が最大45%増の成果をあげたアプローチとは 11月12日 7:00 スマホゲーム「モンスト」ファンがお得にアイテムを購入できる「モンストWebショップ」はなぜ「Amazon Pay」を選んだのか。導入効果+UI/UX向上に向けた取り組みを聞いた 10月30日 7:00 アンドエスティが「3Dセキュア2.0」の超効率的運用に成功したワケ。オーソリ承認率大幅改善、売上アップにつながった不正対策アプローチとは? 10月28日 7:00 EC業界で市場価値を最大化する――「全体を見渡せる人材」になるためのキャリア設計 10月27日 7:00 転売ヤーが引き起こすEC市場の混乱に立ち向かう! Shopifyパートナー・フラッグシップが提案する最新対策 9月29日 8:00 14か月で累計売上30億円超え。 韓国のネイルブランド「ohora」の急成長を支えたEC戦略とは 9月22日 8:00 生成AI検索が変える消費者の購買行動。UGC活用でサイト流入を最大化する 9月10日 8:00