中川 昌俊 2017/1/19 11:30

中国国家工商行政管理総局(工商総局)は1月6日、ネット通販で販売した商品について、7日以内の返品を可能とする暫定規定を公布した。

中国ではすでに、ネット通販の7日以内の無条件返品を規定する法律が複数存在している。今回の規定はネット通販の返品に関して整理し、具体化したもの。3月15日に施行する予定。

新たに発表したのは「ネット通販、7日以内無条件返品暫定方法」。EC事業者に7日以内の無条件返品義務を果たす必要があると記載。ECプラットフォーム提供者には出店店舗の経営者が7日以内無条件返品義務を果たすように監督・検査し、技術的な保障を提供する必要があると規定している。

7日期間は消費者が商品を受け取った翌日からカウントを始める。

ただし、消費者のオーダーメイド品、生鮮品、封を切った後のコンピュータやCD・DVDなどは返品規定には当たらないとしている。

また、商品パッケージが壊れた食品や健康食品、ラベルが取られたファッションアイテムやおもちゃなどは不完全商品として返品できないと規定している。

返品に関わる料金は消費者負担とし、返送方法について売り手は消費者と話し合って決められるが、消費者の返送方法を制限してはいけないと規定している。

中国のネット通販における返品規定は、2014年3月15日に施行された「消費者権益保護法」で、ネット通販(テレビショッピングや電話注文、通信販売も含む)で購入した商品も7日以内無条件返品できることを明記。

さらに、2015年3月15日に施行された「消費者の権益を侵害する行為に対する処罰方法」で

  1. 7日以内無条件返品に適する商品だが、消費者の返品連絡を受けても返品手続を進めない
  2. 消費者に確認してもらわないのに、「商品が7日以内無条件返品に適しない」と勝手に返品を拒否する
  3. 「消費者が商品パッケージの封を切ったから商品の完全性が欠けていた」と勝手に返品を拒否する
  4. 返品商品を受け取ってから正当な理由はないが、消費者に返金しない

などの行為を15日間以上続けた場合、処罰される旨が規定されている。

今回、新たに発表した「ネット通販、7日以内無条件返品暫定方法」では、こうした規定をネット通販に関する部分に特化し、整理したものとなる。

担当編集者のコメント: 

今回、中国政府がこうした法規定を新たに公布したのは、これまで厳密な運用を行ってきていなかった返品規定について、今後は厳密に行っていくという意思表示であるとの見方も出てきている。

規定では、海外からの注文に関する特記がないため、中国向けの越境ECを行っている日本企業にとって影響が出てくるものとみられる。

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