千趣会は、2016年12月期に通販が全セグメントの中で唯一、赤字となったことを受けてテコ入れを強化する。

通販セグメントは主力のベルメゾン事業が不調なため、今期は構造改革に重点を置き、「(ベルメゾン事業は)減収を覚悟で過去最大のカタログ部数削減に着手する」(星野裕幸社長)とし、とくに苦戦しているファッション系の媒体を統合することになるようだ。

千趣会では、「1年近く前に企画を固め、自社で在庫を抱えて販売するというカタログのビジネスモデルは将来が見通せない」(同)として縮小する方針で、カタログを好むユーザーには、よりスペシャリティの高い媒体に絞って展開することでレスポンス率を高める。

一方、前期はネット受注件数比率が通期で初めて80%を超えたものの、カタログ依存の体質が抜け切れていないため、「ネット企業らしい業務フローにできるだけ早く切り替える」(同)とする。

一環として、これまで消化率の低い商品はカタログの業務フローの中で値下げしていたが、1月1日付けの組織変更により、ECの販売部隊が機動的に価格を変更して売り切る体制とした。

今冬は、あったかインナーの「ホットコット」や、毛布や掛け布団などを展開する「とろける」シリーズなどが好評だったが、在庫を抑え過ぎたこともあり、欠品が相次いだ。新しい組織では商品カテゴリーごとに品ぞろえと在庫管理の責任の所在を明確化。ネット需要期の在庫コントロールを徹底して消化率改善と売り逃し防止に努める。

また、ネットでも支持される通販を目指し、MD面ではカテゴリーごとに品ぞろえのバランスをとっていく。これまでは売り上げの約7割を占めるオリジナル商品にこだわり過ぎた部分があり、オリジナルで作れない商品カテゴリーは品ぞろえが薄くなるなどの弊害があったようで、消費者の要望に応えられる魅力的な売り場を目指す。

ファッション分野を中心に不足する商品群は、ナショナルブランドで品ぞろえを補完。その際、主要顧客層である“育児ママ”というターゲットを明確にしたMDを組み、「ベルメゾンとしてのセレクト感をしっかりと出していくことが大事」(星野社長)とする。

一方、中長期経営計画で新たなターゲット層に設定したシニアへのアプローチについては、このほど100%子会社のフィールライフを設立。JFRオンラインから「大丸・松坂屋 通販販売カタログ」を軸としたシニア女性向けの通販事業を譲り受け、3月から運営を始める。

当該事業の中心顧客は70歳前後で、通販カタログが有効な年齢のため、ベルメゾンで長年培ったノウハウも活用できる。また、ベルメゾン会員と比べて客単価が高いこともあり、「チャンスは十分にある」(同)とする。実際、前期は大丸松坂屋百貨店でも展開するオリジナルファッションブランド「ケイカラット」の商品を提案し、よく売れたという。

加えて、千趣会は百貨店による販促支援を前提に同事業を継承したようで、百貨店カード会員へのアプローチを行いたいほか、将来的には百貨店外商顧客へのアプローチもあり得るとしている。

新会社のフィールライフではカタログ発行部数の適正化を図るほか、JFRオンライン時代の物流やコールセンター、システムなども順次、千趣会の持つインフラに切り替える方針で、それらがすべて完了すればコスト構造は大きく改善されるという。

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