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通販新聞社は今年7月、「第66回通販・通教売上高ランキング調査」を実施し、前号で売上上位300社の売上高ランキングを発表した。同時に健康食品、化粧品、食品、衣料品といった通販の主力商材別の売上高調査も行った。今回は通販市場でも有力な事業者がひしめく「総合通販」や「家電」、有店舗小売業やネット販売専業社などがしのぎを削る「家具」や「日用品」を販売する上位の通販実施企業の直近の売上高を抜粋したランキング表を掲載しつつ、それぞれの商材・ジャンルの市場を解説する。注目される商材ジャンル別の通販市場の動向と各プレイヤーの状況などを見ていく。

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「総合通販」ニッセンなどカタログ大手が伸び悩み

「総合通販」のジャンル別売上高ランキング、ニッセンホールディングス、ジュピターショップチャンネル、千趣会、ディノス・セシール、ベルーナ、QVCジャパン、スクロール、日本生活協同組合連合会、高島屋、三越伊勢丹通信販売

カタログやテレビを主要媒体とした総合通販では上位10社のうち、半数が減収になるなど苦戦が目立った。上位勢の動きを中心に見ていく。

1位のニッセンホールディングスは14年12月期にシャディなど一部連結子会社の決算期を変更し、15カ月分の売上高を組み込んでいたことから、大幅減収に。決算期変更の影響を除いても、連結ベースで14.4%の減収となっている。主力子会社ニッセンにおいては、プロモーション費用の最適化によるコスト効率改善を目指し、新規カタログ配布部数の削減を中心とした広告宣伝費、販売促進費の圧縮を優先したことで、前年同期の実績を下回っている。

2位のジュピターショップチャンネルは昨春に地上波デジタル化後もケーブルテレビが実施してきた「デジアナ変換」(※デジタル放送をアナログ方式に変換し再送信するサービス)が終了した影響で期初は若干の苦戦を強いられた模様だが引き続き、商品力や番組力、オペレーション力の強化などが売上増に貢献。前年の冬から始めた家電だけに販売商品を絞った特別編成番組なども好調だったこともあり創業以来の連続増収をキープした。また、増収効果などで利益面も順調で最終利益ベースで最高益を更新した。

3位の千趣会は、ブライダル事業や法人事業が好調なものの、主力の通販事業で消費増税後の反動減が長期化し、ボリュームゾーンの中価格帯商品が振るわなかった。また、カタログの部数やページ数を主要媒体で約1割減らしたことや、テレビCMの回数を2回から1回に減らしたことも影響した。一方で、昨年4月にはJフロントリテイリングと業務資本提携を締結。百貨店と連携したオムニチャネル戦略に着手し始めているほか、同年10月には新基幹ブランド「ベルメゾンデイズ」を立ち上げ、丁寧かつ価値ある物作りで業績回復を図っている。

4位のディノス・セシールは前年は苦戦していたセシール事業が回復。主力カタログの発行頻度の見直し効果などで主力の衣料品および下着の売り上げが回復。加えて、美容健康商材や大きめサイズの衣料品カタログ、化粧品販売事業なども堅調に推移。また、ポイントプログラム刷新およびポイント増量キャンペーンなどの販促策も奏功、暖冬の影響で下期は伸び悩んだが通期ベースではセシール事業全体で増収で着地した。ディノス事業は暖冬の影響でカタログ通販事業は減収だったものの、テレビ通販事業が順調に売り上げを伸ばし、ディノス事業もトータルでは増収となった。

5位のベルーナは主力の総合通販事業は衣料品は堅調に推移したが、家具・雑貨等が伸び悩み微増に。一方、専門通販事業では輸入雑貨などを扱う丸長を取得したことで売り上げが大きく伸びており、両事業の合算では5.5%の増収だった。

7位のスクロールは市場低迷の影響を受けて、通販アパレル事業や家具・雑貨の通販LF事業が苦戦した。化粧品・健康食品の通販H&B事業は大幅増収に。特に化粧品子会社の豆腐の盛田屋は好調だった。通販事業全体は微減となった。

9位の高島屋は消費増税以降に大きく減らしていた部数やページ数を戻したほか、会員組織に向けて積極的に媒体を告知し底上げにつなげたことでカタログ事業が復調した。特におせちなど百貨店の信用力を生かせる食料品や日用品などを増やしたことが奏功した。EC事業もギフト商材に続く戦略カテゴリーとして強化中のコスメやランドセル、ワインが計画通りに順調に推移。人員を割いて企画ページを作り込んだことも奏功した。

「家電」1000億円に迫るヨドバシ

商材ジャンル別売上高ランキング 家電 ジャパネットたかた、ヨドバシカメラ、上新電機、キタムラ、ビックカメラ、MOA、ピュアクリエイト、エディオン、ストリーム、ソフマップ

主に家電を販売する小売企業(メーカー直販は除く)を売上高順に10位まで抜粋した。

1位のジャパネットたかたの売上高は微増となった。同社では「前期は今後に向けた種まきと土台作りを行った」(高田旭人社長)としており、今上期は前年上期比で20%増となるなど好調に推移。下期からは新しい試みとして、7月に通販サイトの大規模な刷新を行い、販売する商品を大きく絞り込んだ。これにより、詳細に商品を説明できるようになったり、全部の商品の在庫をあらかじめ持つことができるようになるなど、効果が出ている。

2位ヨドバシカメラは、1000億円の大台まであと一歩という数字だった。書籍や日用品など、さまざまな商材を取り扱うことで「アマゾン化」を進めているほか、サービス面でも、購入額によらず送料無料、追加料金なしでも注文当日の配達など、アマゾンをも上回る充実ぶり。こうした点が消費者から大きく評価されているようだ。

3位上新電機(売上高は本紙推定)は、楽天市場やヤフー!ショッピングにおける大賞の常連企業。ネット販売に関しては、前期も堅調に推移したもようだ。

4位キタムラは「宅配売上」と「店受取売上」を合算した売上高がやや減った。デジタルカメラの販売が減ったことが主な要因。店頭でのキタムラネット会員募集と、店頭でのタブレットを使った取り寄せ販売を強化している。

5位ビックカメラは、子会社であるソフマップ、コジマと合算した売上高については、前期比約3.9%減の660億円に。当初は売上高800億円を見込んでいたが、消費増税後の需要減が響いた。昨年9月からは、ビックカメラの倉庫からコジマ通販サイトの商品を出荷する体制となり、ネットの在庫数が大きく拡大している。

8位エディオンは、楽天市場などを中心に近年はネット売上高を急拡大させている。前期は商品数拡大などが増収要因。

9位ストリームは、売れ筋商品の確保や在庫適正化、価格への対応などで売り上げを伸ばした。

「家具」ニトリが首位を独走

商材ジャンル別売上高ランキング 家具 ニトリ、タンスのゲン、ベガコーポレーション、山善、ジェネレーションパス

家具商品をメーンに通販を実施している企業では、ニトリが前期比9.8%増の170億円で前年に引き続き首位を獲得。昨年6月にはサイトリニューアルに伴い、一時的に自社通販サイトが利用できなくなっていたが、仮想モール店舗への誘導などを実施。また、新物流システムを導入したことで、それまで10%程度しか対応していなかった時間指定配送の精度を向上させるなどテコ入れを図ったことも奏功した。また、2月からは通販事業や取扱商品の拡大に伴い、物流子会社のホームロジスティクスの通販センター(=写真、川崎市)にロボットストレージシステムを導入。コンテナを隙間なく積み上げて収納できるため、収納力が向上しているという。

ニトリの物流子会社のホームロジスティクスの通販センターにロボットストレージシステムを導入

2位にはタンスのゲンがランクイン。前期は顧客対応強化に向けて本社にコールセンターを新築したほか、海外向け販売もスタート。仮想モールを中心に売り上げを伸ばし、「楽天市場」店では月商5億円を突破するなど順調に推移した。

3位のベガコーポレーションはオリジナル商品の開発による差別化が進み、全店舗における年間ページ・アクセス総数(重複ユーザーも含む)が前期比900万人増の2800万人を記録。売上高では前期比3割以上となる増収となっている。

4位の山善は家庭用品通販サイトの「くらしのeショップ」が10期連続で増収。「楽天市場」店でもジャンル大賞を受賞するなど好調だった。

5位のジェネレーションパスは商品取引先企業の開拓が進み、アイテム数が拡大。それに伴い撮影スタジオの増床や撮影機材・人員の拡大なども促進させたことで、10カ月の変則決算ながら前期の売り上げを上回った。また、昨秋からは中国向けの越境EC事業にも参入しており、国内に続く第2の基幹事業として投資している。

「日用品」ロハコと爽快ドラッグが急成長

商材ジャンル別売上高ランキング 日用品 アマゾンジャパン、イトーヨーカ堂、アスクル(LOHACO事業)、爽快ドラッグ、ケンコーコム

活況なECの中でも成長分野であり、競争が激しい領域の1つと言える日用品分野だが、中でも注目なのが特に高い伸長率で売上高を伸ばす3位のアスクルの「LOHACO(ロハコ)」と4位の爽快ドラッグだ。

ロハコ」は親会社のヤフーの仮想モールのセールと連動したポイント増量など販促施策やテレビCMで新客を順調に獲得するなどで直近売上高は6割増超と高い伸びを見せた。爽快ドラッグはベビー用品やペット用品のEC専業社のM&Aや飲料・ペット用品など特定カテゴリーに特化した専門サイトなどを各仮想モールに出店する多店舗展開などで安定的な成長を遂げているよう。

スピード配送などを始めたアマゾンに対応し、「ロハコ」は指定時間にピンポイントで届ける待たせない配送サービスを始めたり、爽快ドラッグも配送リードタイム短縮に今期から本腰を入れ始める模様。品ぞろえや価格はもちろん、配送面での競争もさらに注目されそうだ。

「通販新聞」掲載のオリジナル版はこちら:
注目ジャンル別通販売上高ランキング(2016/08/05)

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