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ECサイトの売上アップをバックヤード視点で実現するアプローチとは

バックヤードは“コスト部門”と思われてしまうケースがあるが、実は売上アップも担う重要な業務である

株式会社いつも.

2017年6月2日 9:00

ECサイトの売上アップをバックヤード視点で実現するアプローチとは

今回は、フロント業務におけるEC売上アップの方程式とは別に、物流を含めたバックヤードからアプローチできるもう1つの売上アップの方程式をご紹介しましょう。

EC売上アップの方程式とは「アクセス×転換率×客単価」を指します。フロント側の考えではアクセスを伸ばすためにSEOや広告で集客を行い、転換率アップのためにページの作り込みを行い、客単価をアップさせるためについで買いを訴求するなど、お客様の目に直接触れる部分での売上アップの方法がよく知られています。

今回ご紹介するのは、そんな売上アップの方程式を、物流を含めたバックヤードの観点から、さらに売上アップをめざす方法です。

バックヤードにおいても売上アップの方程式は「アクセス×転換率×客単価」なのですが、そのアプローチの方法が異なりますので、1つずつご紹介しましょう。

アクセス

バックヤードからページへのアクセスを増やすためにできることとして、配送スピードの向上があげられます。各モールの注文から翌日までに商品が届くようなサービスはより多くのアクセスを集めることにつながります。

例えばイベントなどが翌日に迫った時にどうしてもプレゼントしたいものがあったとして、翌日の何時までに届くことがわかればその利便性から利用者が増加します。

転換率

フロント側では、ページを縦に長くして情報量を増やしたり、競合他社にあって自社にない情報を付加するなど購入の決め手となる情報を増やす方法などがあります。

バックヤードの観点から見ると、土日発送、ギフトラッピングや熨斗(のし)対応など、お客さまの目的に応えることで転換率を上げることができます。

無料お試し(返品無料)なども実施できれば、リアル店舗の強みと言われる「見てから試してから買える」といったことにも対抗できるようになります。

客単価

客単価アップには、カートモールの項目選択肢を利用して関連性の高い商品の購入をおすすめするクロスセル(買い上げ点数増加)の方法がよく取られます。抱き合わせ価格を設定することも一般的です。

また、お客さまの購買履歴に応じたチラシやノベルティの同梱などによるアップセル(買い上げ単価増加)も有効な方法といえます。これは同一商品を何度も購入してもらうリピート通販でよく見受けられます。

◇◇◇

このようなサービスをページに表示するのは簡単ですが、実現するためにはバックヤードにコストをかけることになります。

アクセス数のために配送スピードを上げる、転換率のためにサービスを強化する、客単価を上げる――いずれも業務内容は増えることになり、人的リソースの追加や担当者のスキルアップが必要となります。加えて、土日祝日の発送まで行うとなると担当1人での運営は実質不可能と言えます。

注文の処理や作業はある程度自動化できます。例えば「3回以上お買上頂いている方にはノベルティのAを同梱する」「サイトの項目選択肢の内容に応じて商品を自動で追加する」など、eコマースの場合は受注データのいずれかに必要な情報が必ず含まれているために、ほとんどのマーケティングは自動化できます。

ただし、その場合はシステムウェア、ハードウェアに投資をする必要があります。

1つの解決策としてバックヤードのアウトソーシングがあります。いわゆる発送代行、フルフィルメントサービスなどがそうです。自社で投資が出来ない場合もアウトソーシング先の既存システムを使用することで、大企業と同等のアセットを持つことも可能となります。

バックヤードは仕方なくコスト化してしまう業務だと思われがちですが、使い方によって売上アップも担う業務だということを知ってもらいたいと思います。

ただし、その取り組みにより「ミスが増える」「出荷が遅れる」など基本部分がないがしろにされてしまっては本末転倒。お客さまのためにもなりません。プロへのアウトソーシングも含め、今一度お客さまのために何をすべきかお考えてほしいと思います。

このようなバックヤードから売上アップの方程式を実現していくためには、ECの風上から風下まで全てのノウハウを一気通貫で有している必要があります。

その効果は絶大です。自社でできることをやり尽くして、さらに次のステージに挑戦したいとお考えであれば、ぜひ一度バックヤードからできる売上アップの方程式実現をご検討下さい。

「株式会社いつも.公式ブログ」掲載のオリジナル版はこちら:
物流を含めたバックヤードから考えるEC売上アップの方程式(2017/05/30)

筆者関連情報

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