株式会社いつも. 2017/7/28 10:00

EC業界は中小企業がメインプレイヤーとなり、モバイル・ITインフラの成長に伴って市場と共に順調に自然成長を続けてきました。しかし、ここにきて大企業の参入が目立つようになっています。

彼らはマーケティングやバックヤードに大規模な投資を行い、ECの市場に早いスピードで入り込んできています。この動きは加速しており、今後はさらにEC業界では競争が激化することが予測されています。

大企業がしっかり準備をしてから参入している一方、これまでECを行ってきた企業は時代の変化に合わせてシステムや体制をつぎはぎしてきた背景があり、オムニチャネルの実現やサービスの多様化が求められる今の状況に対応することが難しくなっている現状があります。

そんな課題を抱える企業が、今後さらなる競争力を身につけるためには、すべての土台となるバックヤード全体の改善は急務です。

今回は、バックヤードを改善するために必要な3つの視点「顧客目線・現場目線・経営者目線」から、課題解決の際に大切にすべきポイントを紹介しましょう。

顧客視点

大前提として顧客の視点からECに求められることは、

  • いろいろな商品を選びたい
  • いつ届くか知りたい
  • 早く欲しい
  • 問い合せに早く対応してほしい

といった、利便性とそれを約束する信頼関係の構築です。

約束通りのお届けはもちろん、きめ細やかなおもてなしまで行い、顧客と強い関係を構築することがEC事業者に求められています

大企業は膨大な会員データ、購買データを持っており、それらを駆使しバックヤードにマーケティングを実装しています。たとえば、顧客ランクごとのノベルティ封入や購入商品別のサンクスメール・フォローメールでのクーポン配布などがあげられます。

経営者視点・現場視点

この顧客ニーズを満たすために、現場と経営者は何を大切にすべきなのでしょうか。少なくとも同じことをしようとしてもシステム投資なしに数十種類のノベルティを使い分けるのは、現場側への甚大な業務負荷となります。

顧客ニーズを満たすことができるのは、あくまでも現場です。そのため、経営者がどこまで現場を理解できているかはとても重要。顧客のニーズに対応する現場を作ることができているかが大切なポイントとなります。

その一方、経営者は企業としてやりたいことが現場で実現可能かどうか、しっかり見極めることが必要になってきます。

経営者は現場がどのような状態なのかを知ることは重要です。

  • 属人的ではない、誰でも行なえる業務となっているか
  • 工数が少なく負荷の偏りがないか
  • ミスが少なくなる体制ができているか

誰でも行えるような仕組みになっていて、コスト削減や品質向上に対する取り組みが行われているかという点が必要になります。バックヤードにも数値目標は必要です。より高度なマーケティングを行うのであればなおさらです。

経営者が自社の現場を理解できていないと、バックヤードも生産性管理の方法もわかりません。目標のないまま業務を行い、結果としてできる施策も制限されていきます。

大企業ほど徹底したインダストリアルエンジニアリングが行われており、作業を「見える化」して数値での管理を実行。効率化と高度なマーケティングをできるようにしています。

もちろん、その状態でも現場を回して業務を行うことはできますが、「顧客ニーズ」「売上アップ」の目線だけで新しい取り組みをバックヤードに求めていくと、属人的な現場ではリソース不足と業務負荷増大による疲弊を招きます。

生産力の限界を迎えた時には売り上げも頭打ちとなり、ミスによる顧客の離脱にもつながりかねません。現場の疲弊はさらに進行すると、優秀な人材が流れてしまうということも。通常業務さえ行うことができなくなる恐れさえあります。

資本投下の先にあるのは顧客と現場のニーズ、どちらも実現する効率化・自動化されたバックヤードです。システムや設備への投資を惜しまず、徹底した省人化を進めたいですね。

大量に集客しているからというだけではなく、その負荷に耐えられるバックヤードがあるからこそ、早いスピードでシェアを拡大することができるようになるのです。このような現状の中、さらに成長を続けていくためにも早急なバックヤード構築が必要です。

現場の声だけを聞いていては顧客のニーズを満たすことができず、顧客だけを見ても現場の疲弊を招いてしまいます。経営者はどちらかに偏るのではなく、3者全体の状態が良くなるようにバランスを取ることが、これからのEC業界で勝ち残っていくために重要なのです。

【押さえておくべき3つのSTEP】

  • 顧客のニーズを確認
  • 現場へコストダウン・品質向上の指標を実装
  • 受注処理決済梱包業務の自動化

受注から出荷指示まで自動化できることもECの強み。大規模な投資がなくても効率化されたバックヤードを構築することは可能なのです。

筆者関連情報

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