経産省がECのルールを定めた準則を改定。AIスピーカーによるネット通販の規則などを追加

AIスピーカーで誤発注した場合の契約消条件や、定期購入の申込画面に記載すべき内容などをまとめている

渡部 和章

2018年7月31日 9:00

経済産業省は7月27日、電子商取引(EC)などに対して関連法規がどのように適用されるかを明記した「電子商取引及び情報財取引等に関する準則(以下、準則)」を改定した。

人工知能を使った音声認識スピーカー(AIスピーカー)の普及が進んでいることから、AIスピーカーを使ったネット通販に関する見解を追加。

また、「平成28年 改正特定商取引法」が2017年12月に施行されたことを受け、定期購入の申込画面に記載すべき内容や、通販広告の規制に関する記載を改定した。

AIスピーカーによる誤発注は取り消せる?

準則では、消費者が発注する意思がないのに、AI スピーカーが発注を誤認識した場合の契約取消の可否について例示した。

たとえば、「テレビドラマの中でのAIスピーカーを使った発注の場面の音を、AIスピーカーが拾って注文してしまった」「幼児が母親にお菓子をねだっている音声を、お菓子の発注と誤認識して注文してしまった」といったケースでは、消費者は注文を取り消せるとしている。

AIスピーカーを提供している事業者が取るべき対策として、AIスピーカーが認識した注文内容をユーザーに通知し、ユーザーから確認が得られた場合に注文を確定することが有用としている。

また、発注者(消費者)が商品名を言い間違えて別の商品を注文してしまった場合も注文が無効になるとしている。ただし、発注者に「重過失」がある場合には契約を取り消せない。

経産省の見解では、言い間違えは誰にでも生じ得ることから、一度の言い間違えでそのまま注文されてしまうシステムであれば、言い間違えが「重過失」とされる可能性は低いという。

ただし、発注が完了する前に発注内容に誤りがないかを確認する仕組み(AIスピーカーと連動したメールやアプリによる確認など)が組み込まれている場合には、発注者に重過失があると認定される可能性があるとしている。

定期通販やファックス広告の記載を改定

通販を規制する「平成28年改正特定商取引法」(2017年12月施行)において、定期購入に関する規制が追加された

定期購入で商品を販売する場合、通販の広告や購入申込画面において、定期購入契約であることや支払金額の総額(各回の商品代金や送料、および支払総額)、契約期間(商品の引き渡し回数)などの販売条件を明示する必要がある。

こうした変更を受け、定期購入に関する準則の記載を改定した。

サプリメントのECにおいて、1年間の定期購入後に契約が自動更新されるケースについて例示。ECサイトの利用規約の中に「当初の契約期間1年を経過した後も、新たに連絡がない限り、引き続き1年間契約が更新されるとみなされる」という条項があり、その条項が申込画面に必ず表示され、同意する旨のチェックを入れると申込みが完了する仕組みとなってれば自動契約が認められるという。

別の事例では、サンプル購入の1か月後に通常料金での定期購入が自動的に始まるケースをあげた。契約が新たに自動的に成立することが申込画面には記載されておらず、利用規約が申込画面からもリンクされていないような場合には、通常料金での販売を自動的に開始することは認められないとの見解を示している。

このほか、改正特定商取引法によって無許可でのファックス広告が禁止されたことを受け、準則の通販広告規制に関する記載の中に、ファックス広告が認められる条件などを追加している。

経産省は2018年5月、準則の改定案を公表し、パブリックコメントを6月20日まで募集していた。

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