世耕経産大臣もECモールの取引実態に言及、「公取委には迅速な調査と必要な対応を」
世耕弘成経済産業大臣は2月26日の閣議後記者会見で、「Amazon.co.jp」が5月に導入を予定している全商品ポイント還元1%の仕組みについて見解を求めた記者の質問に対し、「仮にエレクトロニックコマース市場における優越的な地位を濫用した一方的な契約変更によって、出品者の過度の負担を強いるようなことがあるのであれば、これは、中小企業の公正な競争条件をゆがめる大きな問題だというふうに考えています」と言及した。
アマゾンジャパンは5月23日から、「Amazon.co.jp」で販売されるすべての商品を対象に、「Amazonポイント」を販売価格の1%以上付与することを必須にする予定。直販事業とマーケットプレイスの両方が対象で、マーケットプレイスにおけるポイント原資は、商品を販売している出品者の自己負担となる。
ポイント原資1%以上を負担する仕組みの導入は、「かなり一方的ではないかという見方も出ている」という記者の質問に対し、世耕弘成経済産業大臣が原則論を述べたもの。
公正取引委員会が行っているデジタルプラットフォーマーの取引実態の調査についても言及。「中小企業を支援する立場からしても、やはり、中小企業は非常に、このEC市場に依存している部分が大きいわけでありますので、中小企業支援の立場からも、公取には、ぜひ迅速な調査と必要な対応を進めていただくことを強く期待したいというふうに思っています」とコメントした。
なお、公正取引委員会は2018年1月から11月にかけて、大手ECモールと出店者の間で独占禁止法違反に該当する問題が生じていないか調査を実施。その調査結果を1月29日に公表した。
報告書では、ECモールの出店料や出店審査の透明性などに対する出店者の意見などを踏まえ、今後もECモールの運営実態などの情報収集を実施、違反行為には厳正に対処するとまとめている。
デジタルプラットフォーマーに関する調査などを踏まえ、世耕経済産業大臣は次のように語った。
2月13日の未来投資会議で、安倍総理の方からデジタルプラットフォーマーに関するルール整備について発言がありまして、3点述べておられます。
1つは、取引の透明性、公正性の確保に向けたルールの整備。そして2つ目が、データの独占による競争阻害への対応。3つ目が、高い専門的知見を持ち、迅速な対応を可能とする新体制の整備について具体化をしていくことになっています。
今回のケースも踏まえながら、関係省庁との検討を具体化、迅速化していきたいというふうに思っています。