渡部 和章 2019/5/10 9:00

日本航空(JAL)は5月8日、日本から中国へ越境ECを行う企業に対し、商流の構築をサポートするとともに、国際輸送プラットフォームを提供すると発表した。宏遠(ホンユエン)グループホールディングスとの共同出資で越境EC支援事業を手掛ける新会社を7月1日に設立する。

新会社の社名は「JAL宏遠株式会社」。資本金は2億円で、日本航空が51%を出資する。

JAL宏遠は日本企業と中国ECサイトの商流をマッチングするほか、日本から中国への国際配送や輸出の手続き、フルフィルメントなどを総合的に支援する。

【JAL宏遠が提供する主なサービス】

  1. 日本企業と中国ECサイト運営会社間の商流マッチング、および、売買仲介
  2. 羽田空港隣接地に建設中の物流施設における商品の保管・管理
  3. 物流施設でのフルフィルメントサービス(発注に応じた商品の仕分け、梱包、ラベリング、発送)、輸出通関、国際航空輸送手配
  4. 羽田空港から北京首都空港までの航空輸送
  5. 北京首都空港で宏遠グループが展開する越境EC通関センターでの貨物の取扱い、輸入通関、個別配送
  6. 中国向け越境EC進出に向けたさまざまな支援
日本航空は日本から中国へ越境ECを行う企業に対し、商流の構築をサポートするとともに、国際輸送プラットフォームを提供する
提供サービスイメージ図

日本航空と宏遠グループホールディングスは2019年4月8日に契約に合意したという。

2社は共同のリリースで新事業について次のようにコメントを発表している。

国内外の多彩なネットワークを有し、航空貨物輸送に長い経験を持つJALの強みと、中国・北京を拠点に越境EC物流に関する知見・ノウハウ・施設を有する宏遠グループの強みを活かし、日本・中国双方の架け橋となり両国社会に貢献できる企業となるべくチャレンジし、「一歩先を行く価値の創造」に向けて取り組んでまいります。

国内の航空会社大手では、ANAホールディングスが出資先のACDを通じて越境EC支援事業を手掛けている。ACDは中国向け越境ECモール「ACD MALL(全日空海淘)」を運営しているほか、越境ECカート「マルチリンガルカート」などを提供している。

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