小売4団体がデフレ再燃懸念などで「キャッシュレス・ポイント還元事業」の抜本的な見直しを要請
大手スーパーマーケットやドラッグストアチェーンなどが加盟する小売業界の4団体は9月18日、政府が10月から開始するキャッシュレス決済・ポイント還元事業の見直しを求める要望書を、経済産業大臣に提出した。
ポイント還元率が企業規模によって異なることや、コンビニ大手などがポイント還元制度の例外規定である即時値引きを予定していることに対し、小売事業者の競争環境を歪めると指摘。また、過度な値引き競争がデフレ再燃を招くとし、制度の見直しや厳格な運用を求めている。
菅原一秀経産大臣に意見・要望書を提出したのは、全国スーパーマーケット協会、日本スパーマーケット協会、日本チェーンストア協会、日本チェーンドラッグストア協会の4団体。
ポイント還元対象店舗の登録期限を2019年9月末で打ち切ることや、実質的な値引きとなる「即時充当」の見直し、ポイント還元の対象商品からたばこを除外することなどを要望した。その上で、2020年6月に設定されているポイント還元制度の期限を延長しないよう求めている。
1.「対象加盟店の登録期限」を2019年9月末に
ポイント還元の対象店舗の登録期限を、2019年9月末で締め切るよう求めた。現行制度では、登録店舗の申請を随時受け付けており、申請期限は2020年4月末となっている。
2.「即時充当」制度の見直し
買い物の精算時にポイントを還元する「即時充当」について、公平・公正な競争環境が損なわれるとともに、過度な値引き競争がデフレを再燃されるとして、即時充当制度の廃止や厳格な制度運用を求めた。
「即時充当」はポイント還元制度の例外として認められている。4団体は、コンビニ大手などが即時充当を予定していることについて、「やむを得ない場合でなくとも即時充当を認めているとの懸念を持たざるを得ない」と指摘している。
清算時にポイントを即時還元する仕組みは、コンビニ大手のほか、Amazonも導入を予定している。
3.たばこの除外を要望
たばこをポイント還元の対象から外すよう要望した。定価販売が義務付けられている、たばこがポイント還元の対象になると、実質的な値引きになるため。
政府はポイント還元制度の導入に伴い、ポイント還元対象店舗以外にも、たばこの値引き販売を認めた。ただ、4団体は、値引きを行う際のシステム改修などが小売店の大きな負担になるとし、ポイント還元対象商品からの除外を求めている。