海外セレクトショップのアパレルが購入できるECサイトのFarfetch、日本市場に進出
300店以上の海外セレクトショップの洋服などが購入できるECプラットフォーム運営のFarfetch(ファーフェッチ)が日本市場に進出したことがわかった。すでに日本語対応した「Farfetch」の運営を開始。日本法人も2014年8月に設立し、カスタマーや物流業務の人材募集も始めている。
ファーフェッチはイギリス発の、ファッションセレクトショップのオンラインプラットフォームを運営する外資企業。直近の売上高は2億7500万ドルで、前年比100%増という成長を遂げている。
2008年にサービスを開始し、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンパウロなどにオフィスを拡大。世界中の海外セレクトショップと提携し、1000以上の海外ブランドをECで世界各国の消費者に販売している。
「FARFETCH」は自社で在庫を抱えず、注文が入ると世界中の提携したセレクトショップが直接商品を購入者に届けるのが特徴。「DHL Express」または「UPS」といった国際配送で世界各国の消費者に商品を配送している。
似たようなセレクトショップのプラットフォームを展開している「ZOZOTOWN」は、日本のセレクトショップを集めているのに対し、「FARFETCH」は海外のセレクトショップが参画。スタートトゥデイは一部自社で在庫を抱えているが、「FARFETCH」は在庫を抱えずプラットフォーム事業に徹している。
日本語版の「FARFETCH」は、世界のセレクトショップが扱うアパレルなどを日本の消費者に販売。同時に、日本のセレクトショップへ「FARFETCH」への参画を募り、欧州や米国など世界各国に“日本発”アパレルブランドの販売を手掛ける。
直近ではシリーズDラウンドで6600万ドルの資金を独立系投資会社から調達。新市場として掲げるロシア、日本、中国へのオムニチャネル機能の導入、現地語サイトの開発促進などの投資に充てる方針を示していた。
日本法人は「Farfetch Japan株式会社」で、本社は東京都品川区に置いている。設立は2014年8月。すでにカスタマーサービスや物流といった責任者の募集を始めている。
日本のセレクトショップにとって、「ZOZOTOWN」は店舗に訪れることができない消費者への販路の1つとなっている。
「FARFETCH」は日本のセレクトショップの参画を募り、海外ユーザーへ“日本発”のアパレル商材を販売できるようにする。IT投資ができない、ECのノウハウがない、海外ECへの障壁が高い、といったことから海外展開を断念していたセレクトショップにとって、「FARFETCH」も魅力的な売り場になるかもしれない。
日本には楽天など海外ユーザーへ商品を販売するプラットフォームはあるが、セレクトショップの利用は進んでいないのが実情。「FARFETCH」は日本ブランドの海外展開という意味では魅力的な販路だが、その一方で、「ZOZO」など日本のプラットフォーマーも負けずに、日本企業の海外展開を後押しできる魅力的な売り場になってほしい。