消費行動に影響を与える感情「11の欲望(Desire)」とは?【電通の分析】
電通のプロジェクトチーム「DENTSU DESIRE DESIGN(DDD、デンツウ・デザイア・デザイン)」は、「心が動く消費調査」(2021年から計3回にわたって実施)から消費行動に強く影響を及ぼすドライバーとなる感情を分析、「11の欲望(Desire)」として可視化した。
「欲望」は人々の消費行動を駆り立てる感情で、「欲望」視点を組み入れた消費者理解の追求は、深いカスタマージャーニー(顧客の製品・サービスの購入に至るまでの過程)設計などに役立つとしている。
43種の普遍的な「根源的欲求」に関する質問から欲求因子を抽出、45種の「現代の価値観」に関する質問から欲求因子と関係性の強い価値観を判定した。
また、消費トレンドや社会情勢を考察し、時代性を捉えた「11の欲望(Desire)」として可視化。DDDでは、この考え方を「欲望(Desire)行動モデル」と呼んでいる。
近年、ECサイト上の商品ページの閲覧履歴や購買履歴、商品に対するSNS上での反応など、インターネット上での消費行動に関するデータ取得が容易になり、企業活動におけるデータマーケティングの重要性が増している。
一方、行動データとして顕在化した消費者のニーズに企業側が対応するだけでは、消費行動の背景にある心理を踏まえたマーケティング施策の実行は容易ではない。また、新型コロナウイルス感染症の拡大や物価上昇など、社会環境の変化は消費者の心理に大きな影響を与え、企業におけるマーケティング活動をより困難なものにしている。
こうした状況を踏まえ、DDDは消費者のデマンド、ウォンツ、ニーズのさらに奥に潜む“ほしい・したい”という感情(消費者の「欲望」)に訴えるマーケティング施策が消費者の購買意欲を刺激できると考察した。
「11の欲望(Desire)」は、それぞれの特徴をイメージしやすいように、考察や実際の消費事例も踏まえて消費の背景にある複雑な欲望を定義して可視化し、「欲望」の視点で消費者を分類したクラスター分析も行った。