多くの人が口コミを参考にお店探しをしています。店舗に投稿された口コミに適切な対応をとることで、それを見た人の来店意欲を高めることができます。
しかし、
- 「口コミにはどんな返信をすればいい?」
- 「☆1の評価がつけられた…どうしよう」
- 「口コミ返信に効果はあるの?」
といったギモンやお悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、口コミに返信すべき2つの理由と、3つのポイントを解説します。さらに、参考にしながら書くことで返信の効果をアップできる「パターン別返信の例文10選」付きです。
ぜひ、より効果的な口コミ返信をするために本記事をご活用ください。
Google口コミへの返信はなぜ重要?2つの理由
Google口コミへの返信は重要、となんとなく知っている人も多いでしょう。
では、なぜ重要なのでしょうか。Googleマップでの順位を上げるためでしょうか?
実は、口コミに返信したからといって、Googleマップ・Google検索での順位が大きく上がるわけではありません。また、検索されそうなキーワードを入れて返信しても、そのキーワードが検索に引っかかるといった影響はほとんどありません。
では、Google口コミへの返信がなぜ重要なのか、その本当の理由を解説します。返信のメリットを知って、さらに効果的な口コミ返信をしていきましょう。
1. 口コミを投稿してくれたお客様との信頼関係を築くため
口コミ返信機能は、お店を利用してくれたお客様とコミュニケーションをとれるツールの一つです。丁寧に返信することで好印象を与えることができ、「もう一度行ってみようかな」と再度来店していただくことにもつながります。
Googleも、「顧客との信頼関係の構築」につながるとして、口コミに返信することを推奨しています。
クチコミに返信することは、顧客との信頼関係の構築につながります。
- <参照>Google ビジネス プロフィール ヘルプ:Google でクチコミを読んで返信する方法
2. 第三者にお店のサービス・魅力について正しく伝えるため
口コミ返信は「口コミ投稿者とオーナーの1対1のやりとりではない」ではありません。口コミを閲覧している第三者もオーナーの返信を見ているのです。
そのため返信の際には、「口コミを見ている方に、お店のサービス・魅力について正しく伝える」ことが非常に重要です。良い返信ができれば、以下のような好影響が期待できます。
- 丁寧に返信していれば好印象を与えられる
- さらにお店の魅力が伝わって、利用の後押しになる
- ネガティブな口コミなどによる誤解を防ぐ効果もある
Google口コミへの返信 3つのポイント
では、口コミに返信する上で、重要なポイントを3つ紹介します。
ポイント1. 定型文から脱却しよう
口コミに返信する際、「口コミ投稿ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。」のような、決まりきった文章で返信していませんか?
この返信だと、「あ、返信してくれたな」と気に留めてもらう効果はあると思いますが、口コミを投稿した本人の「また行こう」であったり、口コミを見ている人の「良さそうなお店だから行ってみようかな」といった、次の来店行動を喚起できるかというと、そこまでの影響力はなさそうですよね。
このような定型文から脱却するために、以下のような流れで返信すると効果的です。
- 口コミを投稿いただいたことへのお礼
- 口コミの内容を受けてのコメントや、再度来店したくなるような「新たな情報」のアピール ※ネガティブな口コミであればその内容に沿った返信
- お待ちしております といった締めの言葉
ここで重要なのは2の「新たな情報」です。新たな情報がないと、口コミ投稿者の来店意欲を掻き立てることができません。
「口コミだけでは伝わっていない、オーナーだからこそ知っている情報」を入れるとさらに効果的です。
たとえば「当店のシチューは何時間もかけて煮込み、素材にもこだわって作っています」などの情報を入れれば、店舗の魅力をより伝えることができます。
ただし、毎回こういった返信を考えるというのは大変なので、自分のお店の良いところ・魅力を書き出しておいて、口コミの内容によって引き出せるようにしておくと少しは負担が軽減されるでしょう。
ポイント2. お客様の声にきちんと向き合おう
お客様の声に向き合うことも重要なポイントです。「新たな情報」が入っていても、「口コミを見た上での返信」という感じがしない返信はもったいないといえます。
たとえばメニューの「味」に関する口コミなら、「美味しいと言っていただけて嬉しいです。」のように返信でも「味」に言及し、コメントに沿った内容にしましょう。
また、ネガティブな口コミへの返信の際には、「新たな情報」のアピールは控えた方が良い場合が多いと思われます。極端ですが、「美味しくなかった」という口コミに、「当店では、ラーメンのスープを何時間もかけて煮込み、素材にもこだわって作っています」と返信してしまっては、コミュニケーションとして成立していないですよね。
お客様の声に向き合い、「コミュニケーションをとる」ことを意識しましょう。
ポイント3. お店の主張を伝え、正しく認識してもらおう
特に悪い部分への指摘や批判的な意見の口コミが投稿された場合は、悪印象や誤解を与えないように補足する返信をしておくことが重要です。
たとえば、お店と関係のない悪評が投稿されてしまっているなら「お店をお間違いではないでしょうか」といった文言が良いでしょう。また、口コミで指摘されている問題がすでに解消されている場合は、「ご指摘いただいた内容ですが、今現在は~~~のようにすることで解消しております」といった返信で改善したことをアピールすることができます。
批判の口コミを放置してしまうと、集客に悪影響を及ぼしかねません。返信でお店側の主張を伝え、状況を正しく理解してもらえるようにしましょう。
口コミ返信 パターン別の例文10選
これまで口コミ返信のポイントを解説してきましたが、いざ返信をしようとすると迷ってしまうといったこともあるでしょう。
そこでパターン別に口コミ返信のテンプレートを紹介します。お店の状況、業種・業態、口コミの内容に合わせて書き換えながらご活用ください。
良い口コミへの返信例
良い口コミ(褒めてくださっている口コミ)への返信の例文を紹介します。
商品・メニューについて褒められた
×××にご来店いただきありがとうございました! ○○○は、当店自慢の商品です。~~~にこだわって作っています。秋には~~~という商品も発売しますので、ぜひご検討くださいませ。 ×××一同、またの来店をお待ちしています。 |
接客について褒められた
×××にお越しいただきありがとうございます。 当店スタッフの接客をお褒め頂き光栄です。スタッフにもこの口コミを共有したところ、大変喜んでおりました。 今後もご満足いただけるよう、丁寧な接客を心掛けます。スタッフ一同、またのご利用をお待ちしております。 |
店内の雰囲気・景色について褒められた
この度は×××を選んでいただきありがとうございました。 店内の雰囲気を気に入っていただけたようで嬉しいです。窓から見える景色も魅力のひとつだと感じております。 四季によって見える景色も変わりますので、ぜひ季節が変わりましたら見に来ていただけたらと思っております。 □□□様のまたのご利用を心よりお待ちしております。 |
来店した際の思い出を書いてくれた(※結婚記念日で利用しましたなど)
□□□様、お誕生日おめでとうございます!大切な記念日に×××をご利用くださり、大変嬉しく思います。 これからも商品やサービスにこだわり、□□□様の記念日に再度利用してもらえるよう、励んでまいります。 またお越しいただける日を心待ちにしています。 |
このように、お店を褒めてもらったなどのポジティブな口コミに対しては、お礼を述べ、さらに「新しい情報」を付け加えたり褒めてもらったことを喜んでいるといったことを書いたりして、再来店を促すことがポイントです。
悪い口コミへの返信例
次に、悪い口コミ(批判を受けた)への返信の例文を紹介します。
商品・メニューについて指摘を受けた
例. 味がまずいと言われてしまった場合
ご来店ありがとうございます。また貴重なご意見ありがとうございます。 当店○○○の商品の味につきまして、□□□様のお口に合わなかったようで申し訳ございません。当店のスタッフがこだわりを持って作っている商品ではありますが、さまざまなご意見を参考に、さらなる改善を図ってまいります。 ご満足の頂ける商品を提供できるよう、精進してまいりますので、今後とも×××をよろしくお願いいたします。 |
例. 高いと言われてしまった場合
この度は、×××をご利用いただきありがとうございます。また貴重なレビューを投稿して頂き、ありがとうございます。 ご指摘いただいたメニューの価格につきましては、原料価格の高騰に伴い、値上げをいたしました。 ですが、この価格でも皆様にご満足いただけるよう、引き続き商品や接客などの質向上に努めてまいります。またのご来店を心よりお待ちしております。 |
接客について指摘を受けた
当店をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。 この度は当店の接客に私共の配慮が行き届いておらず、□□□様に不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません。いただいた内容はスタッフに共有しました。 ご満足いただけるようなお時間を提供できるよう、スタッフ一同改善に努めてまいります。今後もご愛顧賜りますようお願い申し上げます。 |
コメントがなく、☆1,2の低評価
例. 評価への感謝と謝罪をする
□□□様、ご来店ありがとうございます。また貴重な評価をありがとうございます。 当店にてご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。今後は□□□様にご満足いただけるよう、スタッフ一同励んでまいります。 機会がございましたら、またのご来店をお待ちしております。 |
例. 低評価の理由を尋ねる
□□□様、当店へのご来店ありがとうございます。この度はご迷惑をおかけしまして大変申し訳ございません。 当店では、お客様の声をもとにサービスの改善に努めております。もしよろしければ、改善点等ございましたら追記いただけますでしょうか。 大変お手数ではございますが、ご意見をお聞かせできれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。 |
事実と異なる内容の批判
□□□様 恐れ入りますが、口コミの投稿先をお間違いではないでしょうか?当店では~~~というメニューを提供しておりませんので、周辺の他の飲食店と混同されているかもしれないと思い、返信させていただきました。 今一度ご確認いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。 |
このように、ネガティブな口コミに対しては、意見を真摯に受け止めている姿勢を示すことが重要です。口コミの投稿者だけでなく、第三者も口コミとその返信を見ていることを意識して、丁寧な対応を心がけましょう。そうすることによってネガティブな口コミであっても返信を見た人に好印象を与えることができます。また「事実と異なる」内容については、それをアピールしましょう。
※なお、店舗に無関係の口コミや嫌がらせの口コミは、Googleに申請すれば削除できる場合もあります。詳細は以下の記事をご覧ください。
口コミ返信の成功事例
成功事例として、渋谷駅近くのラグジュアリーホテル、セルリアンタワー東急ホテルの口コミ返信を紹介します。
定型文ではなく、口コミの内容に合わせた返信をされています。なんと、「たった2文字」の口コミにも丁寧な返信をされていました。
「口コミの内容を受けてのコメントをする」「来店したくなる情報をプラスする」といった必要な情報を網羅している、理想的な口コミ返信です。
なんとこのような返信を月150件の口コミすべてに実施しているといい、お客様から「口コミ返信を見て泊まろうと思った」と言われるなど新規客の獲得につながったり、口コミ返信やサービスの改善を進めたことで良い評価が集まりやすくなり口コミの総合評価も上がったりと、しっかりと口コミ返信の取り組みを利益につなげていました。
より詳細な内容を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。