博報堂DYホールディングスのAI研究所「Human-Centered AI Institute」が実施した「AIと暮らす未来の生活調査2025」によると、生成AIの利用率は33.6%で、「生成AIの情報を信頼している」と回答した割合は55.1%にのぼった。また、人間が担うべき仕事として「日々のお買い物、買い回り品の購入」が上位にあがった。
生成AIの認知率・利用率
生成AIの認知率は85.3%に達し、約1億510万人が生成AIを認知していることが明らかになった。利用率も33.6%と高く、推定約4140万人が実際に生成AIを利用している。
年代別傾向では、特に10代の利用率が62.6%と他世代を大きく上回った。さらに50代以上でも4人に1人が利用しており、幅広い年代に生成AIが浸透している。

生成AIの利用目的・利用シーン
生成AIの利用目的では、全体の43.6%が「便利な道具」と回答した。
年代別では、10代が「便利な道具」としつつも「悩みを相談できる存在」「遊び相手」としても活用。50代以上は「便利な道具」「サポート要員」としての使用が中心で、情緒的なつながりを求める傾向は比較的低かった。
また、利用シーンは92.6%がプライベート・学業・ビジネスでの利用で、ビジネス利用は47.5%、ビジネスのみの利用は7.4%にとどまった。

生成AIの情報の信頼性
情報の信頼性は、生成AIの情報を「信頼している」と回答した割合が55.1%と過半数を超えた。一方、「信頼していない」は8.0%にとどまった。

「生成AIの情報だけでは不十分で、他メディアの情報も必要」と考える利用者は48.3%で、「生成AIだけで十分」と考える割合は21.5%だった。
AIに任せたい仕事
AIに任せたい仕事は、「ルーティンワーク・単純作業」(43.4%)、「翻訳」(41.2%)、「環境モニタリング」(40.7%)、「予測分析」(39.2%)が上位にあがった。
一方、人間が担うべき仕事は「日々のお買い物、買回り品の購入」(38.8%)、「医療処置・手術支援」(35.5%)、「教育支援」(34.2%)、「医療診断」(34.0%)が上位に。「買い物は自分で楽しみたい」という声が多く見られたほか、「カスタマーサポート(問い合わせ・クレーム対応)」でも人間が臨むべきという回答がやや多かった。
生成AIとの共存による「望ましい未来」
生成AIとの共存による「望ましい未来」について、「リアルタイム翻訳により、言語の壁なく国際的に仕事ができる」(20.6%)が最多。次いで「生成AIのパーソナルドクターが肉体的・精神的なケアをしてくれる」(17.1%)、「精神的に疲れる業務を生成AIに任せられるようになる」(15.7%)、「生成AIが病気のリスクと対策を教えてくれる」(15.5%)など、心身のサポートへの期待が高い。
調査概要
- 調査名称:AIと暮らす未来の生活調査2025
- 調査方法:インターネット調査
- 調査時期:2025年9月
- 調査対象:全国の15~69歳の男女
- 調査機関:マクロミル
- 有効回答数:事前調査3万2180サンプル/本調査 2400サンプル
- 分析・集計:エム・アール・エス広告調査
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