米Amazonが開発したスーパー向けのスマートショッピングカート「Dash Cart(ダッシュカート)」が進化している。2020年の導入以降、顧客のフィードバックをもとに改良を重ねてきた。最新世代の「Dash Cart」は、ハード・ソフト両面で大幅なアップデートを実施している。
「Dash Cart」は、カメラや重量センサー、モニター、ディープラーニング機能などを搭載したスマートショッピングカート。カート自体が「スキャン」「計測」「決済」までを担うことで、レジに並ばずに買い物を完了できるのが最大の特長だ。
消費者はAmazonアプリなどに表示されるQRコードでログインして利用、専用レーンを通過するだけで自動的に決済が完了する。レシートはデジタルで発行される。
最新「Dash Cart」の5つの進化ポイント
Amazonは、最新世代の「Dash Cart」について、「時間の節約」「予算管理」「利便性向上」をキーワードに、顧客の要望を反映した5つの機能強化を打ち出している。
内蔵モニターで支出と節約をリアルタイムに可視化
カートに搭載したモニターには、商品を入れるたびに価格と合計金額がリアルタイムで表示。これにより、精算前から現在の支出額を把握でき、予算管理がしやすくなる。「Alexa」のショッピングリストと連携し、事前に登録した商品を店頭で確認しながら買い物できるほか、店内マップによる売り場案内や、周辺商品の特売情報のパーソナライズ表示にも対応する。商品を入れたり取り出したりする動作を認識し、レシート情報をリアルタイムで更新するため、購入状況を常に把握できる。
レジの行列を回避
カート側面にスキャナーを搭載し、商品を素早くスキャンしてカートに入れられる。買い物終了後は専用の「Dash Cartレーン」を通過するだけで決済が完了。レジ待ち時間をほぼゼロに抑えられる設計で、ピークタイムの混雑緩和や店舗オペレーションの効率化にもつながる。
支払い方法の選択肢が拡大
最新の「Dash Cart」では、支払い方法の選択肢も拡充した。クレジットカードのタッチ決済、モバイル決済、Amazonアカウントにひも付いた支払い方法などが利用できる。買い物開始時や決済時に任意の支払い方法を選択でき、Amazonのエコシステムと実店舗の決済環境を両立している。
25%軽量化&40%容量アップで「まとめ買い」に対応
ハードウェア面では、旧モデル比で約25%の軽量化と約40%の容量拡大を実現した。「買い物袋4つ分」相当の収納力を備え、大量購入にも対応する。家族向けのまとめ買いや週末の大量購入にも扱いやすく、駐車場までカートを押して行き、そのまま車に積み込む利用シーンも想定している。
生鮮食品をカート上でそのまま計量
最新の「Dash Cart」には、生鮮食品用のスケール(計量器)を内蔵している。果物や野菜をカート上で直接計量し、カメラや重量センサー、AIモデルと連携して正確な価格を算出する。店内の計量コーナーに行く必要がなく、ラベル印刷や店員対応も不要となる。生鮮売り場での待ち時間や動線の無駄を減らし、買い物全体の効率化につなげている。顧客満足度と導入状況
最新世代の「Dash Cart」は現在、テキサス州マッキニー、バージニア州レストン、マサチューセッツ州ウェストフォードの「Whole Foods Market」店舗で利用可能だ。2026年末までに、全米の数十店舗へ拡大する計画としている。
Amazonによると、最新の「Dash Cart」はすでに数千回の買い物で利用されており、利用者の9割以上が体験に満足しているという。顧客の声を反映した機能改善により、「時間の節約」「予算管理」「利便性」といった重視ポイントを強化している。