Amazonの小売事業者向けAIショッピングアシスタント「Agentic Shopping Assistant on AWS」とは?

AWSは、小売事業者向けのAIショッピングアシスタント構築支援ソリューション「Agentic Shopping Assistant on AWS」の提供を開始した。Amazonが自社の対話型AIショッピングで培ったノウハウをもとに、各社のデータやブランドに合わせてカスタマイズできる。

鳥栖 剛[執筆]

6月1日 7:30

米Amazon Web Services(AWS)は5月27日、小売事業者向けのAIショッピングアシスタント構築支援ソリューション「Agentic Shopping Assistant on AWS」の提供を開始すると発表した。Amazonの対話型AIショッピング機能「Alexa for Shopping」の開発・運用で得た知見を基に、アーキテクチャ、スターターコード、導入支援サービスをパッケージ化。小売事業者は、自社の商品データや業務ルール、ブランドトーンに合わせてカスタマイズした対話型ショッピング体験を構築できる。

Amazonが提供を始めた小売事業者向けAIショッピングアシスタント「Agentic Shopping Assistant on AWS」とは? アマゾンの対話型AIショッピングアシスタントのノウハウや技術を活用+カスタマイズ可能
「Agentic Shopping Assistant on AWS」の活用イメージ

「Agentic Shopping Assistant on AWS」は、自然言語による対話を通じて、商品探索から比較、購入判断までを支援するAIショッピングアシスタントを構築するための基盤。AWSによると、AmazonのAIショッピングアシスタントは2025年に3億人以上の顧客が利用し、約120億ドルの増分売上を生み出したという。こうした実運用で培ったノウハウを、Amazon以外の小売事業者にも提供する。

汎用的なチャットボットではなく、各事業者のカタログデータ、顧客基盤、購買環境、ブランドボイスに合わせて個別最適化できるのが特長。小売事業者は、自社の商品知識や顧客理解、カテゴリ特性を生かしながら、ブランド主導の対話型コマース体験を設計できる。AWSによると、対話型ショッピングセッションのコンバージョン率は、従来のキーワード検索の3.5倍に達するという。

技術基盤には、「Amazon Bedrock」「Amazon Bedrock AgentCore」「Amazon OpenSearch Service」などのAWSサービスを採用。Amazon.comでの数十億回規模のショッピング対話を通じて検証した構成をベースとしており、Amazonは自社を「Customer Zero(最初の利用者)」と位置付けている。まずAmazon自身の小売事業で活用・検証した上で、外部企業向けに提供する形だ。

導入については、「AWS Generative AI Innovation Center」やシステムインテグレーターが支援する。AWSによると、ゼロから数年かけて開発するのではなく、約60日で導入できるという。小売事業者は、AWSが提供する基盤を活用しながら、自社独自のデータや接客方針を反映したショッピングアシスタントを短期間で構築できるとしている。

導入事例として、Tapestry傘下のKate Spadeが「AI Gift Concierge」を構築。ギフト選びで迷う顧客に対し、贈る相手や用途、好みのスタイルなどを自然な対話で聞き出し、商品提案につなげる仕組みで、「Amazon Bedrock AgentCore」を活用した小売向けAIアシスタントとして紹介されている。約2.5か月のテスト期間を経て公開したという。

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