中林慎太郎[執筆] 6/25 8:00

皆さん、ECのシステムやパートナーをどんな基準で選んでいますか? さまざまな選定基準はありますが、一般的には「機能」「コスト」「実績」でしょうか。筆者の場合それらをある程度は見ますが、会社に稟議を通す為の必要なポイントという認識。「パンフレットやホームページには良いことしか書いてない」と悩む方も多いと思いますが、販促なので仕方がありません。「じゃあ、どう選定するのか?」に対して、物流専門家のYouTubeチャンネル「ロジカイギ」でとてもユニークな提案をしています。当たり前のことだけれど言語化されていることに唸りました(笑)

システム選びは機能、コスト、実績だけでなく「自分たちに合うか」「必要なことは何か」も重要

【システム選び方前編】機能、コスト、実績で選んでいませんか?【泥沼にハマらない方法】 | ロジカイギ@物流業界・ロジスティクス・コンサルタントのコア話(YouTube)
https://youtu.be/fz1temM9r3Q?si=8ro9wUSwCFhbhtcV

ある一定レベルまでは自分たちがどういう風にそれを使いこなせるか、もしくはきちっとした型ができているかみたいなことがあるじゃないですか。でも、ここの物流会社よくない!とか、ここ変えたいとか…例えば何社か物流倉庫を選定するみたいになったときに、各倉庫のここが悪いとかあぁだっていうのは…。そもそも自分たちが正しい情報を出せてるのかとか、外注化する上でのルール化みたいなことがちゃんと統制できているのか。(小橋氏)

何かを変える際に「誰が悪い」「あれが使いにくい」といった話を本当によく聞きます。基本的に誰かのせいにしたくなるのが人の心理。

紹介している動画は物流の話がメインですが、ECでいうと受注や制作の外注、受注ソフトやカートを選定する際に、自分たちがしたいこと、これは譲れるけれどこれだけは譲れないこと、今提供しているサービスは本当にお客さまに喜んでもらえているのか、コストに見合ったサービスなのか、などしっかり内部を見る機会にして、客観的に健康診断(外注化する上でのルールの明確化)をしてみることがまず重要です。後は変化を嫌がる組織にどうやって導入するのか。ここは人の部分ですね。

一般的にサービスとかシステム選ぶ時って、機能と、コストと、実績ですみたいな話でさ、3大比較ポイントって当時呼んでたんだけど、これって、まあ当たり前なんだけど、その通りだよねって話なんだけど裏があるなと思っててね…。

僕がシステム会社で機能比較表作ったら僕が有利に作るに決まってるじゃん。そういう目線でちゃんと見た方がいいよ。

月額1万円なのか1万2千円なのかっていう違いってあります?っていう話で。じゃあそれがアルバイトさんとかの人件費とかに換算すると、数時間とかそのへんの話でしょってなったときに、システムってすごく重要なとこなんだから、基盤になるような。で、どこまでそこのコストだけに神経質になるのっていう話はあるのかな

大切なのは実績社数がどれくらいあるかとか、自社に近い事例がちゃんとあるかどうか、みたいなところを中心にするんであって、あまり実績っていうのを鵜呑みにしすぎてもしょうがないっていう感覚かなと思ってるんで。(伊藤氏)

稟議する際に機能、コスト、実績は大事です。自分が最終決裁者ではない場合、特にこの部分は重要かもしれません。ただ、選定者がこの部分だけを見て判断してしまうと、基本的に導入後「使ってない、使えない」というコスト垂れ流しのポンコツシステムができあがります。これもまずは健康診断をした上で、今できること・できないこと(けれどやりたいこと)をしっかり分析した上で、できなくなること、できるようになることをしっかり見極めることが重要ですよね。

筆者は天邪鬼なので実績インタビュー記事はほとんど見ていません(笑)。伊藤さんが話していた「良いことしか言わないから」というのが理由です。それよりも、サービスが自社に合うか合わないか、付け加えるならその会社の理念、そして対応してくれている営業さんを信用できるか、という点を選定する際に考慮しています。

まず自分たちが今何が必要なのか、機能としてだったりとか。コストどれだけあれば別に大丈夫だよねだったりとか。実績だったら、実際見てみないとわからないよねとか、そういうことをちゃんと、決裁者から話してあげることで、そのへんの泥沼にハマらないでできるし。物流とか、実際見に行かないとわからないと思うので、スペックだけをあんまり信用しない方がいいですよ(長井氏)

まずはしっかり自分を知ること。未来に対して何が必要なのか、その会社が自分たちに合っているのかを見極めることが重要です。たとえば「○○社と比べて劣っているところはどこですか? 絞り出してみてください」と聞いてみるとか。

システムを変更する、新しく導入するというのはすぐに変えれば良いというものでもありません。システムは勿論、人やバックアップ体制などもしっかり見比べて、自分の現状と問題点を見極めた上で「じゃあ、ここにベットする」と判断する。今考えうる5年後を見据えて、自社に合ったシステム・会社選びを行うことが重要だと思います。

後編はもう少し選定基準や問題点を具体的に解説しているので、興味があれば是非。

関連動画:【システム選び方後編】アナログの情報収集、試用、導入後四半期ごとに確認すること | ロジカイギ@物流業界・ロジスティクス・コンサルタントのコア話(YouTube)
https://youtu.be/PkcvtB3CIQU?si=hR-PMErTYK_2nYia

要チェック記事

郵便料金が10月に値上げ 封書は84円→110円、レターパックは370円→430円に 「デジタル化で郵便物数は右肩下がり」 | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2406/13/news165.html

佐川急便とヤマト運輸の値上げや、「ネコポス」廃止でゆうパケットに注目が集まったことが直近の一大ニュースとなっていましたが、郵便物の値上げまで。今後もまだまだ目が離せない、物流業界で懸念される「2024年問題」。

LINE Payサービス終了に関するお知らせ | LINE Pay
https://line-pay-info.landpress.line.me/payment-info/

Zホールディングスが提供するサービスの1つなので、統合的な意味合いもあるのかも? リリースはされていませんが、代替えは「PayPay」?! 今後の決済サービスの淘汰は自然の流れ?! 今後のキャッシュレスの動きはキャリアなども含めた囲い込みの施策キーにもなるので要注目です。

「Forever 21」の買い物体験向上施策5選。決済後のパーソナライズ提案、アプリ誘導などの改善例 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12407

まだまだ国産カートやモールでは難易度が高いと思いますが、近い未来やってくる、顧客軸での買い物体験向上の施策。「できないから興味がない」ではなく、知見を貯めて備えておくのも大切ですね。

変形するAI宅配ボックス「スマロビ」提供開始--販売機能も併設、再配達をゼロへ | CNET Japan
https://japan.cnet.com/article/35220238/

未来が近未来になっていよいよ登場。関西では無人餃子販売が数年前に流行りましたが、日本だからスピード感を持って成り立つ無人宅配ボックスももうすぐ?

【2023年RevOpsに関する実態調査】売上規模3,000億以上の企業では4社に1社がマーケティング、セールス、カスタマーサクセスの部門連携による一体的な取り組みを行っていると回答! | バーチャレクス・コンサルティング
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000000699.html

マーケティング、セールス、カスタマーの三部門連携は大手だけの話ではありません。むしろ大手の方がしっかり部門連携をしている。本来、小さな会社ほど縦割りを横串で刺すことが容易かも?!

今週の唸った・刺さった・二度見した

安芸高田市議会 令和5年第3回(9月)定例会 会議録 | 安芸高田市
https://www.akitakata.jp/akitakata-media/filer_public/77/f0/77f01dc1-1edf-4823-aaf0-0de036fe0d20/aki-takadashi-rei-wa-5nen-dai-3kai-teireikai-kaigiroku-r050913.pdf

議員の多くの方もしかして市長の政策、足引っ張ったら、私が悔しがるとか思ってませんか。思いませんよ。よろしいですか。市長として、市のために仕事をしています。なので、自分の市長として推進している政策・施策が進まなければ、残念だなとは思いますが、それは、市民がかわいそうだなという感想です。

少し前の安芸高田市議会中の石丸市長の発言ですが、個人的には最近ハマった言葉。

会社員時代、「会社に提案したんだけれど、もう何を言っても仕方ないから今後は提案しない」と言っている同僚がいてビックリしたことを思い出しました。その提案は誰の為の提案なのか。人間なので感情はありますが、「会社が良くなるように」と思って出した提案でも、10個出したら9個NG。いろいろな理由があって承認が下りないことはあります。それでも感情的にならず、「会社の未来にとって本当に重要なものなら」と提案し続けたあの頃を思い出しました。

まったく違う切り口にはなりますが、この姿勢の言語化が妙にグイっと自分に刺さったので、今週の名言として紹介しました。

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