メルカリ、台湾向けにCtoCの越境EC。今後は海外販路をさらに強化する方針
メルカリは8月29日から、グローバル戦略の一環として「メルカリ」台湾向けの越境ECを始めた。台湾向け「メルカリ」の名称は「美露可利」でWebで展開する。台湾在住ユーザーは会員登録すると、日本で出品された商品を購入できる。台湾ユーザーの会員獲得数や流通取引額の目標値は非公開としている。
台湾ユーザー向けのユーザーインターフェース(UI)は繁体字中国語。価格表示は台湾ドルにデフォルト設定する。送料は500円~1500円で、商品の配達にかかる日数は1週間~2週間程度を見込む。
3人に1人は訪日経験があるなど、台湾は日本の商品が受け入れられやすい市場であるため、今回の進出を決めた。メルカリの越境取引で台湾は取引金額・取引件数ともに中国に次ぐ2位。CtoCの越境取引はすでに大きなマーケットになっているという。
メルカリは台湾への進出について、現地でのリユース品に対する需要が高まっていることも理由にあげた。物価上昇が続いているなか、節約志向が高まりリユース品へのニーズが増加。若年層を中心に、環境意識の高まりからリユース品を選ぶ消費者が増えている。日本のリユースショップなども多く出店するなど、今後のリユース市場の成長ポテンシャルも高い。
台湾のユーザーは従来、ほかの海外のユーザーと同様に「メルカリ」に出品している商品を越境ECの購入代行サービスサイトを通じて購入していたが、今回の展開により、Web版「メルカリ」から商品を直接購入することができるようになった。
メディア向けの説明会に登壇したメルカリ執行役員 General Manager Cross Borderの迫俊亮氏は、今後の取り組みとして①海外への越境取引のさらなる加速 ②海外商品を日本の「メルカリ」から購入可能にする――の2点に注力すると説明。台湾向けの取り組みはその一環となる。
台湾向けの今回の取り組みを皮切りに、今後はさまざまな国や地域に向けて越境取引を拡大していく。また、海外ユーザーの「メルカリ」の利用は現在は購入のみが可能だが、いずれは出品もできるようにすることを視野に入れている。(迫氏)
メルカリは2019年から越境取引を開始。中期的な経営戦略にさらなるグローバル展開を掲げる。なお、メルカリの越境取引事業の流通取引総額は前年比約3.5倍、累計取引件数は1700万件超。
現在は、74社の越境EC事業者との連携を通じ、約120の国や地域のユーザーが購入代行サービスサイトを通じて「メルカリ」で出品されている商品を購入できる。
2024年6月には、韓国CtoCマーケットプレイス最大手「雷市場」(ポンジャン)を運営する雷市場と提携。2024年8月初頭にはUS版メルカリで日本の商品を購入できる新機能「Mercari × Japan」の展開をスタートした。