しまむらのEC売上100億円突破が視野に。2024年上半期で61億円で約2倍成長、店舗受取率約84%

しまむらの店舗受取比率が高い理由は、商品の配送料金設定とビジネスモデルがあげられる。2000店舗を超えるグループ内店舗での店舗受取を実施。ECサイトでの注文商品について、実店舗の物流・配送網を使って商品を送る店舗受取は「送料無料」に設定している。

松原 沙甫[執筆]

2024年10月7日 10:00

しまむらの2024年3-8月期(2025年2月期中間期)におけるEC事業の売上高は、前年同期比94.9%増の61億3000万円だった。取扱商品や予約販売の拡大により、売上高が前年同期比で約2倍増と大幅に伸長した。

EC事業における店舗受取比率は前年同期比4.1ポイント減の83.9%。店舗受取比率は予約販売が増加したことで、直送割合が増加した。ECの今期売上計画は90億円で計画比で40~50%増となる見通し。

中間期における全社売上高(連結)は同4.3%増の3305億9500万円、EC化率は1.9%。前期(2024年2月期)のEC売上高は72億4000万円で、通期は100億円の大台突破が見えてきている。

しまむらの2024年3-8月期(2025年2月期中間期)におけるEC事業の売上高
EC事業について(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

ECと相性が高いインフルエンサー企画商品とキャラクター商品が好調。さらに、店舗で完売した商品をオンラインストアで受注生産する取り組みを通じて、売り上げを最大化した。また、EC限定でアウター衣料と肌着の取り扱いサイズを拡大した。また、「トレンドフェア」を打ち出し、秋冬物の先行予約販売を実施。気温が高い状況下でも多くの受注があったという。特にインフルエンサーコラボ企画のウール混ニットなどの上質な素材を使用した高価格帯商品が好調だったとしている。

2023年12月から開始した越境ECでは、香港、台湾、米国、東南アジアでの受注が売上の約85%を占めている。

なお、店舗受取比率が高い理由は、商品の配送料金設定とビジネスモデルがあげられる。2000店舗を超えるグループ内店舗での店舗受取を実施。ECサイトでの注文商品について、実店舗の物流・配送網を使って商品を送る店舗受取は「送料無料」に設定している。

一方、個人宅配は「ゆうパック」の場合、全国一律送料550円(税込)、大物の場合は1100(同)、「ゆうパケット」は対象商品1点注文の場合のみ全国一律220円(同)が必要になる。しまむら事業の2024年3-8月期(中間期)における客単価は2895円、1点単価は944円。店舗受取を後押しするため、ショッピングカート内では商品合計価格で「店舗受け取りなら送料0円!」と表示し、「お得さ」を強調。ECビジネスでは送料を事業者が負担する送料無料バーは設定してないため、多くの利用者が店舗受取を選択していると見られる。

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