松原 沙甫[執筆] 10/29 8:00

矢野経済研究所が年10月28日に発表した国内アパレル総小売市場調査によると、2023年の国内アパレル総小売市場規模(紳士服・洋品、婦人服・洋品、ベビー・子供服・洋品計)は前年比3.7%増の8兆3564億円で、3年連続で前年を上回った。

チャネル別では、百貨店や専門店といった実店舗の回復が顕著だった。イベントなどの再開に伴い、入学式や成人式などのオケージョン需要が回復したことで買い替えや新調の需要が増加した。ECはコロナ禍の期間に急成長した一方、2023年はその反動が見られ成長率が鈍化している。

矢野経済研究所が年10月28日に発表した国内アパレル総小売市場調査によると、2023年の国内アパレル総小売市場規模(紳士服・洋品、婦人服・洋品、ベビー・子供服・洋品計)は前年比3.7%増の8兆3564億円
国内アパレル総小売市場調査

大手アパレルの2023年業績動向は、コロナ禍で受けたダメージから回復して攻めに転じる企業と、ダメージから回復せず構造改革を進めている企業に二分されている。
攻めに転じる企業は、従来ブランドよりも上の価格帯の新ブランドや新業態を開発・投入している。コロナ禍で停滞していた上質なファッション需要を掘り起こしていると考えられる。

一方、コロナ禍のダメージから回復していない企業は、経営効率の向上や不採算ブランドの撤退などを中心とした構造改革を進める動きがある。

構造改革を進めている企業は、顧客への価格訴求力のあるアパレルテナントに押されてショッピングセンターを中心に出店意欲が減退。攻めに転じる企業は、従来も価格帯が上の新ブランドや新業態のテナント出店が好機と見て、出店を強化していく構図となっている。

今後の国内アパレル総小売市場規模について、2025年ごろまではコロナ禍前の市場規模の水準に向けて、回復基調で推移する見通し。

アパレル市場は長期的には少子高齢化・人口減少の影響を受けて穏かに減少するものの、原材料費の高騰や物流費の増加、人件費の上昇によって販売単価が上昇基調にあるため、落ち込み幅は当面抑えられる見込みという。

労働賃金の上昇トレンドが継続し1人あたりの衣料品支出金額の減少に歯止めがかかり、家計の衣料品支出額が増加するケースが考えられるとしている。

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