E-Commerce Magazine[転載元] 8:00

「定期販売を始めたい」「定期販売展開をしたい」。このように、定期販売を始めたいけれど必要な機能や始め方がわからず、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。定期販売は、固定収入を獲得できたり、在庫管理をしやすかったりなど事業者にとって多くのメリットがあります。本記事では、ECサイトの定期販売の始め方について紹介します。定期販売とサブスクリプションや頒布会(はんぷかい)の違いも解説しているので、興味がある方はぜひ最後までご覧ください。

定期販売とは?

定期販売とは、商品やサービスを定額料金で定期的に提供する販売モデルです。たとえば、化粧水や乳液を2か月に1回届けたり、栄養サプリを毎月届けたりなど、継続して使う商品に取り入れやすい販売方法です。

定期販売に似た販売方法として、サブスクリプションや頒布会があげられます。似たような印象を持たれやすい販売方法ですがそれぞれに違いがあります。定期販売と2つの販売方法の違いを見ていきましょう。

定期販売とサブスクリプションの違い

サービスの提供元がどのような意味で使っているかに左右される内容ですが、ECサイトにおける「サブスクリプション」は、定期販売と同義で使われることが多いです。

定期販売は同じ商品を一定間隔でユーザーに届けるもの、サブスクリプションは頒布会のイメージで毎月異なる商品が届くものという意味で使われることが多い傾向にあります。

定期販売と頒布会(はんぷかい)の違い

定期販売と頒布会(はんぷかい)の違いは、毎月届く商品内容にあります。頒布会は、季節に合わせたフルーツやお菓子など毎月違うものが届きます。一方で定期販売は、初回に購入した同じ商品が毎月届く点が大きな違いです。

頒布会は、サービス提供会社が厳選した商品が毎月届くため、定期販売とは違い、ワクワクやドキドキなど楽しみを感じられるのも特徴です。

定期販売のメリット

定期販売は、一般的なEC販売よりも多くのメリットを期待できます。単品定期販売の場合は、商品の管理に手間がかからないうえに、低コストで始められるのがメリットです。さらに都度購入よりも顧客が自社商品を購入し続けてくれやすくなり、安定した利益を見込めます

また、契約人数にあわせて在庫を仕入れられるため、在庫管理がしやすいのも特徴です。過度に在庫を仕入れる必要がなく、不良在庫となり廃棄する可能性も軽減できるため、赤字リスクを抑えられます。

ECサイトの定期販売に必要な機能

ECサイトの定期販売に必要な機能は、下記があげられます。

  • 定期購入機能
  • 自動決済機能
  • ステップメール機能
  • 販促機能
  • 顧客分析機能

あくまでもこれらは最低限必要な機能です。上記以外にアンケートや解約時の意見ボックスなどもありますが、必要に応じて導入を検討しましょう。

定期購入機能

1つ目の機能は、定期購入機能です。定期購入機能とは、指定したお届け日や配送スパンに合わせて自動的に受注を行う機能を指します。定期販売は、すべての顧客に同じスパンで商品を配送するわけではありません。人によって1か月毎や3か月毎などスパンが異なるため、それぞれに合わせて発送できる機能が必要です。

多くのECシステムには、定期販売機能が初期搭載されています。しかし、なかにはお届け日やスパンを細かく設定できないケースもあるため、事前に確認しておきましょう。もし設定できない場合は、新たなシステムに乗り換えるか、受注管理システムを別で連携する方法があります。

自動決済機能

定期購入は、自動決済機能も欠かせません。自動課金のタイミングはEC事業者によって異なりますが、ユーザーファーストで考えると1か月ごとや初月無料で2か月目から決済スタートとするのがおすすめです。

しかし、年払いに大幅な割引を設定することで、顧客目線で見ると純粋に安く商品が買えるようになります。販売者目線で見るとまとまった売り上げを確保でき、運営が安定する、人的・金銭的リソースを他の場所に回せるなど、双方にとってのメリットがあります。

そのため、実情としては、月払いや年払い(+3か月払い、6か月払いなど)を選択できるパターンが多くあります。

ステップメール機能

ステップメール機能とは、目的に応じたメールを条件設定し、顧客に配信できる機能です。たとえば、初回購入者に向けた「アップセルメール」やサンプル購入者向けの「定期販売誘導メール」があげられます。

「定期購入にするとよりオトク」「継続して使う場合は、定期購入がおすすめ!」などのメールを送ることで、定期購入してもらいやすくなります。

販促機能

割引キャンペーンやクーポン、定期販売購入者限定のノベルティやポイント付与などの販促機能も導入しておきましょう。たとえば、コスメを販売したい場合は「定期販売限定! ミニサイズのクレンジングを1本プレゼント!」などとすると、顧客はお得感を抱き、購入してもらいやすくなります

他にも、サプリであればサプリケース、プロテインなどのドリンクはシェイカーなど、販売したいものに関連するアイテムをノベルティとするのがオススメです。

顧客分析機能

顧客分析機能とは、定期購入者の情報を分析する機能です。購入者の年齢や男女比、購入経路などを分析することで、定期販売の販促策に活用できます。

特に「サンプル購入から定期販売につながったのか」「通常販売からなのか」など購入経路を分析し、経路に応じた対策を講じることでより多くの顧客を定期販売に取り込みやすくなります。

ECサイトの定期販売を成功させるためのポイント

ECサイトの定期販売は、ただ始めるだけでは思ったように売り上げが伸びないことも少なくありません。定期販売を成功させるには、下記のポイントが大切です。

  • 自社商品が定期販売に向いているかを確認する
  • 定期販売に十分なリソースを割ける状態で始める
  • システムの導入など予算に収まるかを確認する
  • 常にユーザーのニーズを満たす
  • 特定商取引法に抵触しないように注意する
  • 定期販売に変わる売り方も模索する

それぞれのポイントについて見ていきましょう。

自社商品が定期販売に向いているかを確認する

定期販売を始める際は、自社商品やサービスが定期販売に向いているかを確認しましょう。定期販売に向いている商品とは、消耗品や継続して使うことで効果や利益を得られるものを指します。たとえば、コスメ、サプリ、プロテインなどが代表的です。

一方で家具や家電など、購入頻度が少ないものは向いていません。定期販売に向いてないものを販売しても売り上げ向上は期待できないため、他の販売モデルを検討しましょう。

定期販売に十分なリソースを割ける状態で始める

十分なリソースを割ける状態で始めるのも、定期販売において大切な要素です。定期販売を始めた直後は、なかなか購入者が増えなかったり、ページへのアクセス者が少なかったりするケースも少なくありません。

成果が出なくてもトライ&エラーを繰り返し、サイトを運営したり、Web広告やコンテンツを作成したりする必要があります。リソースがない状態ではじめてしまうと、途中で挫折してしまう可能性もあるため、リソース確保は欠かせません。

システムの導入など予算に収まるかを確認する

システム導入には、初期費用だけでなくランニングコストもかかるため、予算に収まるかを確認しましょう。また、初期費用だけに注目してしまうと、予算を越えてしまう可能性もあります。長期的な視点を持ち、システム導入を検討しましょう。

常にユーザーのニーズを満たす

常にユーザーのニーズを満たすことも大切です。定期販売は、常に同じ商品を提供し続けていると、顧客の満足度が低下し、途中解約されてしまう可能性があります。途中解約を防ぐためには、ユーザーのニーズや意見を把握し、高い満足度を維持することが大切です。

同じ商品やサービスでも、ユーザーからの意見や競合と比較すると改善点が浮上してきます。細かなリニューアルだけでなく、時にはニーズを踏まえ、大幅なリニューアルを検討してみてもよいでしょう。

特定商取引法に抵触しないよう注意する

定期販売を始める際は、特定商取引法に抵触しないよう注意しましょう。特定商取引法とは、EC事業者による違法・悪質を防止し、消費者を守る法律です。

ECサイトのなかには、「初回割引」「お試し」など顧客が惹かれるワードを並べ、顧客に商品を購入させておき、実際には購入回数に縛りがある定期購入だったり、2回目以降に高額な費用を請求されたりする悪質なケースも存在します。悪質な販売は特定商取引法に抵触するため、やめましょう。

定期販売を行う際は、下記の項目をわかりやすく記載することで、顧客に安心感を与えやすくなります。

  • 商品の分量や販売価格
  • 支払い時期・支払い方法・引き渡し時期
  • 申し込み期間・申し込みの撤回・解除

定期販売に代わる売り方も模索する

定期販売以外の販売方法も模索しておくことが大切です。もし定期販売ができなくても、売れる方法や販売チャネルを持っておけるよう、マーケティング戦略を考えましょう。最近では、SNSでの販売やライブコマースも主流になりつつあり、商品やサービスによっては多くの顧客の流入を期待できます。

まとめ

ECサイトにおける定期販売は、毎月決まった商品を販売する方法です。長期的な安定した売り上げを見込めるうえに、在庫数を把握しやすいのがメリットです。本記事で紹介した定期販売に必要な機能は、多くのECサイトに搭載されています。

また定期販売を始める際は、自社商品に合っているか、十分なリソースを割けるかなども確認しておきましょう。

この記事はフューチャーショップのオウンドメディア『E-Commerce Magazine』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。

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