「SEO施策」って何? 何をすれば良いの?【今さら聞けないECサイトの集客施策 1】
当然のことですが、どれだけ良い商品を揃え、素晴らしい販売システムを構築しても、ショップへのアクセスがなければ商品は売れません。「集客」はECサイト運営にとって重要な要素です。では、どうすればアクセスが増えるのでしょうか? ECサイトにおける集客方法にはいくつかありますが、今回は「SEO」について、基礎から詳しくお伝えします。
そもそもSEOとは?
「ECサイトの運営ではSEOが欠かせない」と耳にしたとことがあると思いますが、そもそも「SEO」とは何でしょうか。「SEO」とは「Search Engine Optimization/サーチエンジンオプティマイゼーション)」日本語で言うと「検索エンジン最適化」のことです。
ネットで何かを探すときには、必ずといっていいほど「Google」や「Yahoo!」などの検索エンジンを使って検索します。例えば、「紅茶 通販」とキーワードを入れて検索すれば、紅茶を通信販売しているECサイトがいくつも表示されますよね。
そうした検索結果において、特定のWebサイトが上位に表示されるように検索結果を調整すること、また、その手法が「SEO」と呼ばれるものです。
なぜSEOが集客に重要なのか
商品を購入してもらうためには、まずWebサイトを見てもらう必要があります。そこで考えなくてはならないのが「どうやって多くの人にアクセスしてもらうか」ということです。
ユーザーの中には、サイトのアドレスをお気に入り登録していて、検索せずに直接サイトに訪れる人もいるでしょう。しかし、サイトに訪れる多くのユーザーは商品名などのキーワードで検索し、検索結果の中からサイトを選ぶという流れでアクセスします。
例えば紅茶を販売している場合、「紅茶 通販」あるいは「紅茶 販売」といった、「紅茶をネットで購入しようとしている人が検索しそうなキーワード」で、検索結果の上位に自社のECサイトが表示されれば、サイトへのアクセスが増える可能性がグンと高まり、集客力がアップするということになります。
SEOが集客方法として優れている理由
検索結果画面は「広告枠」と「オーガニック検索(自然検索)」の2種類で構成されています。Googleの場合、広告枠は検索結果画面の上側と下側、時には右側にも表示されます。Yahoo!の場合は上側と右側に広告枠が設けられており、その他の部分にオーガニック検索の結果が表示されます。
広告枠(検索連動広告/リスティング広告)を購入して自社のECサイトに関する情報を検索結果に表示させる方法は、1クリックごとに支払いが発生し、その掲載順位を上位にしようとするほど1クリックあたりの広告単価が上がる傾向にあります。広告枠はオーガニック検索に比べ、目立つ場所に表示されるにも関わらず、クリック率はオーガニック検索の方が上回ると言われています。
これは、ユーザーの検索リテラシーが高まってきたことによって、広告枠よりもオーガニック検索で表示された情報を信じるユーザーが増加しており、なかなか広告枠に表示されたURLをクリックしようとしなくなっているためです。
つまり、よりクリックされやすいオーガニック検索で上位表示されれば、高い集客効果が見込めるというわけです。SEOによる集客が重視されるのは、そういった理由のためです。
検索エンジンの順位付けの仕組み
では具体的に何を行えばいいのでしょうか。まずは検索エンジンでの「順位付けの仕組み」から説明します。Web上には、「クローラ」と呼ばれる検索エンジンロボットが存在し、文章や画像、PDFなどのあらゆるファイルを収集しています。クローラにより収集されたデータはインデックス化され、Googleが定めた順位決定の基準に従い、順位付けがなされていきます。
ちなみに、Yahoo!もGoogleの検索技術を用いているので、GoogleのSEO施策を行えば、Yahoo!のSEO施策もできていると考えてOKです。
SEOでやるべき3つの施策
Googleが順位付けを行う計算方法を「検索アルゴリズム」といいます。Googleの検索アルゴリズムに則したWebサイトを構築すると、検索結果で上位表示されるので、そのための施策を練るのが「SEO施策」ということになります。
検索アルゴリズムは200項目以上あるとされていますが、公開はされていません。そのため、各サイトの担当者やWeb制作会社やWebコンサルタントなどが各自で試行錯誤しながら、検索上位に上がるために有効な要素を研究、推測し、上位表示を狙っているのです。
そう言うと、SEO施策というのはずいぶんと難しい施策のように思われるかも知れませんが、SEO施策の基本的な考え方は、実は極めてシンプルなものです。SEO施策の方法は、
- HTML構造など、サイト内の仕組みを改善する【内部施策】
- サイトに掲載するコンテンツ(情報)を強化する【コンテンツ施策】
- 優良サイトからリンクをもらう【外部施策】
大きく分けて以上の3つがあります。
1. 内部施策
サイトにクローラを呼び込み、なおかつクローラがサイト内を巡回しやすいようなサイト構造でサイトを構築します。1つのコンテンツページに対して、関連性の高いコンテンツには、スムーズにページ移動ができるように内部リンクのURLを設置しておくなど、ユーザーにとって利便性の高いサイトにする視点が重要です。
内部施策に関しては情報がどのように整理され、サイトが構築されているかというHTMLの構造も影響してきます。下記のGoogleのガイドラインを参照してください。
参考
- ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン) | Google Search Console ヘルプ
https://support.google.com/webmasters/answer/35769?hl=ja
2. コンテンツ施策
検索エンジンはユーザーの検索意図をくみ取り、最適なページを表示したいと考えています。そのため、検索結果の順位付けを行う際には、ページ内のコンテンツを重視しています。コンテンツを重視する傾向は年々強まっています。
「SEO施策」という言葉には、特別な技術が必要なように感じるかもしれませんが、基本的には「ユーザーが求める、ユーザーにとって有効な情報が盛り込まれたコンテンツを作る」ということを意識していれば、必然的にGoogleにも好まれるコンテンツになり、結果的に「SEO施策ができている」と言えるのです。
ユーザーに焦点を当て、コンテンツを重視するべきであるということは、Googleが公式に「Googleが掲げる10の事実」として公表されています。
参考
- Googleが掲げる10の事実| Google
https://www.google.com/intl/ja/about/philosophy.html
3. 外部施策
あなたがブログを持っていたとして、他に良いサイトや便利なサイトを見つけたらどうするでしょうか? きっと自身のブログで「こんな良いサイトがあったよ!」とブログの記事内にURLを貼って紹介することでしょう。検索エンジンは多くの人に紹介されているサイトを「ユーザーから評価されているサイト」と捉え、検索順位決定の指標の1つにしています。
自身のサイトが他のサイトでURLとともに紹介されていることを「被リンク」と言います。 「被リンクが多い=リンクを数多く紹介されている」ということです。
被リンクが多いサイトは、検索順位が上がりやすいということで、その昔、SEO施策として被リンクを買う手法が存在した時代がありますが、検索アルゴリズムが変更(アップデート)され、現在では、人為的に被リンクを増やそうとする行為はペナルティの対象となりました。ペナルティを受けると検索エンジンに表示されない状況になる恐れもあります。
シンプルに考えるならば、コンテンツを充実させ、魅力的なサイトを育てていくことを意識し続けるだけです。その結果「これは良いサイトだ!」と純粋に他サイトで紹介され、質の高い被リンクが集まってくる好循環を生み出していくこと。それこそが最高の外部施策です。
まとめ
SEOの基本は何よりもユーザーに役に立つサイトを構築すること。シンプルなSEO施策を3つご紹介してきましたが、結論もシンプルです。
ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
上でご紹介した「Googleが掲げる10の事実」にもあるように、ユーザー目線の優良なコンテンツを地道に作っていくことが、自社のECサイトが検索結果で上位表示されることにつながり、アクセス数の増加へとつながるのです。
そして訪れた貴社のECサイトで商品が魅力的に紹介されていたならば、ECでの売上も着実に伸びていくことでしょう。
この記事はフューチャーショップのオウンドメディア『E-Commerce Magazine』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。