TikTokのEC機能「TikTok Shop(ティックトックショップ)」とは? 日本での実装に備えて、効果を出すポイントや始め方を押さえておこう!

TikTokはショートムービーを投稿できる動画プラットフォームです。国内外問わず、多くの人が利用しており、一部の国ではEC機能が搭載されています。動画やライブ配信を活用し、さまざまな商品が販売されており、話題を集めています。本記事では、TikTokのEC機能について詳しく紹介します。TikTokのEC機能や販売チャネルを拡大したい人は、ぜひ最後までご覧ください。
TikTokのEC機能とは? 日本で利用できる?
TikTokには、アプリ内で商品を販売できるEC機能が搭載されています。動画やライブ配信から直接購入でき、ライブコマースのような使い方ができます。閲覧数や売り上げを確認できる機能がついているのも特徴です。
中国、インドネシア、マレーシアなどでは利用できますが、2024年10月時点で日本国内では実装されていません。しかし、複数のECサイトとTikTokの連携が開始されており、近いうちに日本でもEC機能が実装される可能性があります。
TikTokとECサイトとの連携について
2024年10月時点では、日本国内で「TikTok Shop」は利用できませんが、自社ECサイトを母体として、TikTokをマーケティングチャネルとして活用することは可能です。
TikTokの利用者は年々増えており、幅広いユーザーが使用しているため、積極的に活用するのがおすすめです。ここからは、TikTokとECサイトの連携について紹介します。
TikTok広告の活用
「TikTok for Business」を利用することで、TikTokに広告を掲載し、ECサイトへ誘導することができます。「TikTok for Business」は、運用型広告プラットフォームです。広告用のアカウントを作成し、広告動画をアップロードします。広告目的や予算、配信期間などを設定できるのが特徴です。
ビジネスアカウントに設定して商品リンクを貼る
TikTokアカウントをビジネスアカウントに設定すると、外部リンクが貼れるようになります。広告動画からすぐにECサイトへ誘導できるので、購入までのステップがスムーズになります。
ユーザーがわざわざ調べてサイトに移動する必要がないため、集客力の高いメディアから購入までの新たな導線ができることはメリットといえるでしょう。
TikTokを活用したEC運用のポイント
TikTokを活用したEC運用を成功させるには、ただむやみに動画投稿やライブ配信を行えば良いわけではありません。EC運用を成功させるには、下記のポイントが大切です。
- インフルエンサーを起用する
- ターゲットを絞って動画作成やライブ配信を行う
- TikTokオーガニック感がある広告を活用する
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
インフルエンサーを起用する
TikTokを活用したEC運用を行う際は、インフルエンサーを起用するのがおすすめです。インフルエンサーとは、SNSや動画サイトにて影響力を持つ人を指します。
知名度の高いインフルエンサーを動画や広告に起用すると、より多くの人に商品を知ってもらいやすくなります。インフルエンサーのファンは「この人がおすすめするなら買ってみよう」となり、商品の周知だけでなく、売り上げ向上も期待できるのがメリットです。
動画や広告に起用するインフルエンサーを選ぶ際は、商品のターゲットと属性が似ている人がおすすめです。たとえば、プロテインなら筋トレ情報を発信している人、コスメならターゲットに合わせた女性インフルエンサーなどがあげられます。
ターゲットを絞って動画作成やライブ配信を行う
動画作成やライブ配信を行う際は、売りたい商品のターゲット層に合わせた企画を行いましょう。広告を配信する場合は、「ターゲティング」と呼ばれる機能を使うのがおすすめです。
ターゲティング機能は、主に4つの種類に分けられます。
機能 | 特徴 |
デモグラフィック | 年齢・性別・地域・言語の項目を設定できる |
ユーザーリスト | カスタムオーディエンス:今まで接触したことがあるユーザーに対して動画を配信する機能 類似オーディエンス:カスタムオーディエンスを基に類似したユーザーにも広告配信をする機能 |
興味&行動 | ユーザーのアプリ内での行動をもとに興味関心をターゲティングできる機能 |
デバイス | ユーザーが使っているデバイス(iOSやAndroidなど)の条件を指定してターゲティングできる機能 |
このようなターゲティング機能を活用し、自社の商品やサービスに合ったターゲット層にアプローチすることが大切です。
TikTokオーガニック感がある広告を活用する
TikTokでは、ユーザーが見て「面白い」「欲しくなる」など興味関心を惹きつけられる動画や配信を行うことが大切です。TikTokユーザーによる素人感があるオーガニック投稿は好まれやすい傾向にあります。
また拡散やクリックされやすい動画の特徴として、最初の6秒間の視聴率が高いとCTRが高くなる傾向にあります。CTRとは、ユーザーが表示されたコンテンツをクリックした割合の指標です。
他にもTikTokの動画作成において大切なポイントは、下記の通りです。
- 縦型フォーマット
- 人が実際に話しているナレーション
- 動画の始めから人物を登場させる
- 商品の価格を表示する
- 数量限定・期間限定など限定要素を組み込む
「TikTok Shop」の種類
「TikTok Shop」には、下記の3種類があります。
- LIVE Shopping
- Shoppable Videos
- Product Showcase
日本ではまだ実装されていませんが、ECサイトとの連携も始まっており、近いうちに実装される可能性も十分にあります。実装された際には素早く利用できるよう、「TikTok Shop」の種類について詳しく理解しておきましょう。
LIVE Shopping
1つ目は、LIVE Shoppingです。LIVE Shoppingは、ライブ配信を活用して顧客に商品の販売を促進できる機能です。商品の魅力や使い方を説明しながら、リアルタイムに顧客からの質問や要望に答えられます。動画よりもユーザーのニーズに合わせて紹介できるのがメリットです。
LIVE Shoppingで紹介した商品は、配信画面に表示されている商品ページまたはショッピングアイコンをタップすると購入できます。
Shoppable Videos
Shoppable videosは、商品の紹介動画を投稿し、顧客の販売を促進する販売方法です。ユーザーのニーズを汲み取り、わかりやすい動画を作成することで、接客をせずとも商品やサービスを販売することが可能です。動画を表示させるターゲットを絞り込んで配信することで、より効率的に売り上げを伸ばせるでしょう。
LIVE Shoppingと同様に、ショッピングアイコンをタップすることで、簡単に商品を購入できます。
Product Showcase
Product showcaseは、自身のアカウントページにショッピングタブを設定できる機能です。イメージとしては、アカウントページがECサイトのようになり、そこから商品を購入できるようになります。自社商品以外もショッピングタブを設けられるため、アフィリエイターが企業の商品を紹介することも可能です。
商品のターゲット層に合ったインフルエンサーに紹介してもらうことで、自社ページだけで運用するよりも効率的に売り上げ向上をめざせるでしょう。
「TikTok Shop」に期待できる効果
「TikTok Shop」機能を上手く活用すると、自社ECサイトやECモールのみの運用よりも多くの効果を期待できます。「TikTok Shop」に期待できる主な効果としては、下記があげられます。
- 音声や映像を使うことで、より商品を購入してもらいやすい
- 動画広告にショッピングページを表示させておけば、接客せずに購入してもらいやすい
- 商品やサービスの魅力をわかりやすく伝えられる
「TikTok Shop」の魅力は、音声や映像を使える点です。テキストや画像のみの紹介よりも、使い方や魅力が伝わりやすく、購入してもらいやすくなります。
「TikTok Shop」を始める手順
「TikTok Shop」はまだ日本では実装されていませんが、実装された際には素早く利用できるよう、始め方の手順を知っておきましょう。
- Seller Centerにアクセスし、TikTokショップアカウントを作成する
- ショップに商品を追加する(オンラインストアと同期することも可能)
- TikTokアカウントをリンクする
販売促進や集客のために広告を出す場合には、「TikTok for Business」の広告アカウント作成が必要です。あらかじめ作成しておくことをおすすめします。
まとめ
2024年10月時点では、日本版TikTokにEC機能は搭載されていません。ただし、TikTokのEC機能は使えないものの、TikTok広告を活用したり、ビジネスアカウントに商品リンクを貼ったりしたりとECサイトの販促に活用することは可能です。
また、いくつかのECサイトではTikTokとの連携が開始されているため、近々実装される可能性も十分にあります。実装されたときに備え、「TikTok Shop」の始め方を知っておくと良いでしょう。
この記事はフューチャーショップのオウンドメディア『E-Commerce Magazine』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。