竹内 謙礼[執筆], 清水将平[執筆] 6/4 8:00

『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』の一部を抜粋して紹介する連載3回目は、「『楽天市場』とGoogleの関係性」についてのお話です。

「楽天市場」を攻略するポイントをまとめた過去記事は、以下をクリックしてください。

「楽天サーチ」と「Google」の関係性を理解する

楽天市場への流入はGoogleの検索経由が7割

楽天サーチの検索結果で上位表示を狙う楽天市場内SEOを理解するためには、まず楽天市場とGoogleの関係性から理解する必要がある。

「多くのユーザーは楽天市場のトップにある検索窓に欲しい商品のキーワードを入力し、検索結果から商品を探して、購入している。Googleの検索から流入してくるお客は、そんなに多くはないだろう」

そう理解しているネットショップの運営者がほとんどといってもいい。実際、RMSを覗くと、ネットショップへの流入を示す「楽天サーチ経由」の割合が最も多く、楽天市場の検索窓に欲しい商品を入力している人の多さを実感することができる。

しかし、弊社の調査によると、「楽天サーチ」の検索結果にたどりつく約7割の人が、Googleの検索結果(Googleの検索エンジンを利用するYahoo!JAPANも含む)で上位表示された楽天市場の検索結果ページ経由で流入しているお客であることが判明している。

なぜ、Google経由のお客がこれだけ多いのに、RMS上では「楽天サーチ経由」という結果になってしまうのか。このあたりをもう少しくわしく解説したい。

たとえば、Google で「母の日 カーネーション」と検索した場合、検索結果のトップに表示されるのは、楽天市場の『【楽天市場】母の日 カーネーションの通販』の検索結果のページである。

このGoogleの検索結果の上位に表示された楽天市場のページをクリックして、楽天市場の「母の日 カーネーション」の検索結果にお客が流入し、楽天市場は見込み客をサイトに呼び込んでいるのである。

楽天市場 最強攻略ガイド Similarwebを使用して調査したところ、楽天サーチにたどりつく約7割は Google の検索結果経由であることが判明
Similarweb(https://www.similarweb.com/)を使用して調査したところ、楽天サーチにたどりつく約7割は Google の検索結果経由であることが判明

つまり、楽天市場のトップページの検索窓に「母の日 カーネーション」というキーワードを入力し、その検索結果からお客が流入しているのではなく、GoogleやYahoo!JAPANの検索窓でキーワードを入力し、情報収集をしたり、検討したりする段階で、検索結果の上位に表示された楽天市場のページをクリックして、お客がネットショップに来ているのが、実際に起きている消費行動なのである。

集客の流れを考えれば、改めて「ジャンル登録」の重要性が浮き彫りになる

商品ページを見に来る人は、Googleの検索から楽天市場に流入してくるお客であり、そのGoogleの検索結果の上位に表示されるのが「楽天市場の検索結果」である以上、ネットショップがやるべき施策は

「楽天市場内の検索結果に表示されるジャンルで、いかに上位に表示させるか?」

楽天市場 最強攻略ガイド 「母の日 カーネーション」で調べたGoogleの検索結果
「母の日 カーネーション」で調べたGoogleの検索結果
楽天市場 最強攻略ガイド 楽天サーチの「母の日 カーネーション」の検索結果
楽天サーチの「母の日 カーネーション」の検索結果

という楽天市場内SEOになる。

どのジャンルに商品を登録し、どのようにそのジャンル内で上位表示させるかが楽天市場内SEOの基本戦略である。ジャンル対策をおろそかにしてしまうと、集客に苦戦して、商品ページにお客を流入させることができなくなってしまう。第2章の商品ページづくりの項目で、ジャンル登録の方法についてくわしく解説しているので、再度、ジャンルの登録方法などの施策を読み込んでもらいたい。

楽天市場内SEOの施策を展開する前に、Google検索から楽天市場のネットショップにお客がしっかり流入しているかどうかを確認する必要がある。

RMSでネットショップに流入してくるキーワードを調べたうえで、再度Googleの検索窓にも同じ検索キーワードを入力し、検索結果の上位に楽天市場のページが表示されていれば、「Googleで検索→楽天市場の検索結果ページに流入→楽天市場の商品ページに流入」という集客の流れは確実と言っていいだろう。

楽天市場 最強攻略ガイド Googleで検索→楽天市場の検索結果ページに流入→楽天市場の商品ページに流入
Googleで検索→楽天市場の検索結果ページに流入→楽天市場の商品ページに流入

一方、この手順で調査して、Googleの検索結果に楽天市場のページが上位表示されていなければ、そのキーワードでお客を集客するのは難しいことになる。商品キーワードに沿ったジャンルにしっかり商品を登録していなければ、Googleからお客が集客できないだけでなく、楽天サーチにもヒットしないので、結果的に店舗に集客できないということになってしまう。

つまり、トップページや商品ページを作り込む前に、まずは商品のジャンル登録を確実におこない、そのうえでジャンルごとに集客できる商品ページを構築することのほうが、楽天市場内SEOで重要な施策になるのである。

もし、どのようなジャンルに、どのようなキーワードを仕込めばいいのかわからない場合は、類似商品を取り扱っている売れているネットショップを参考にすることをおすすめする。楽天市場の検索結果で上位に位置しているネットショップの多くは、ジャンル登録の対策を徹底しておこなっている。複数のジャンルへの登録方法やキーワードの選定の施策が参考になるはずだ。

なぜ、楽天市場の「商品ページ」はGoogleの検索結果の上位に表示されにくいのか?

ここで1つ疑問に上がってくるのは、楽天サーチの検索結果のページはGoogleで上位表示されるのに、楽天市場のネットショップの商品ページは検索結果で上位表示されない点である。

じつは、楽天市場の商品ページは、Googleの検索エンジンと相性が悪い。難易度の高いGoogleのSEOの話をしてしまうと逆にわかりづらくなってしまうので、ここではざっくりと簡潔に説明する。

Googleの検索エンジンがページの要素として重視しているのが「タイトルタグ」と呼ばれる、いわゆる“名札”のようなものである。楽天市場の商品登録の際の項目でいえば「商品名」に書き込むテキスト文が、このタイトルタグにあたる。

Googleの検索エンジンは、このタイトルタグに含まれるテキスト文を頼りに、検索キーワードと同じ言葉なのか、類似の言葉なのか、関連する言葉なのかを判断し、検索順位を決定している(もちろん、タイトルタグ以外の要素も含めて総合的に判断している)。

このタイトルタグの言葉が長い文字の羅列であったり、コロコロと書き換えられたりすると、“名札”がわかりにくくなり、「このページを検索結果で上位表示させるのは止めたほうがいいだろう」と判断され、検索結果で上位に表示されにくくなってしまうのである。

しかし、店舗側はGoogleの検索エンジンの事情など知る由もない。当然、タイトルタグの役割をする「商品名」のテキスト文は自由気ままに変えてしまう。検索でヒットされそうなキーワードを闇雲に挿入したり、楽天スーパー SALEなどのイベント時に「今ならポイント10倍」などの文言を書き足したりしてしまう。

そのため、楽天市場の商品ページがGoogleの検索結果の上位に出てくることが稀になってしまい、Googleの検索結果の上位に楽天市場のページがヒットする場合は、ほとんどがタイトルタグを変更しない、楽天市場が制作した「検索結果」のページになってしまうのである。

なお、Amazonでは、商品名のガイドラインを守ることが厳しく求められており、従っていない商品は検索対象外となってAmazonの検索結果に表示されない場合がある。楽天でも商品名登録ガイドラインが2017年9月に制定されたものの、ガイドラインを守ることで売上が下がる可能性もあるため、違反点数の対象にならないまま運用され続けている。

このように楽天市場とAmazonでGoogleに対する商品ページの検索対策の事情が異なるため、それぞれのサイトで売れる商品に違いが出てしまうのである。

楽天市場 最強攻略ガイド Google検索では【楽天市場】商品名:店舗名と表示される
Google検索では【楽天市場】商品名:店舗名と表示される

この記事は『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』(技術評論社刊)の一部を編集し、公開しているものです。

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