鳥栖 剛[執筆] 6/11 9:00

TikTok Japanは6月4日、「TikTok」が日本社会にもたらす経済的・社会的影響を多角的に分析したレポート「TikTok Socio-Economic Impact Report〜日本における経済的・社会的影響〜」を公開した。調査はマクロミルグループに委託した。

「TikTok」が日本にもたらす価値を「経済的価値」「ユーザーにとっての価値」「クリエイター経済圏としての価値」の3つの観点から総合的に分析した。

「TikTok」が日本社会にもたらす経済的・社会的影響を多角的に分析したレポート「TikTok Socio-Economic Impact Report〜日本における経済的・社会的影響〜」
国内名目GDPへの貢献額は4855億円と推計

「TikTok」の「経済的価値」

2024年に「TikTok」の利用を通じて発生した推定消費額は2375億円。前年の1772億円から37%増え、金額ベースでは約603億円の増加になったという。

「TikTok」が日本社会にもたらす経済的・社会的影響を多角的に分析したレポート「TikTok Socio-Economic Impact Report〜日本における経済的・社会的影響〜」
約4万2000人の雇用に影響したと推計

国内名目GDPへの貢献額は前年比114億円増の4855億円。調査では雇用への波及効果も高いと指摘し、約4万2000人の雇用が「TikTok」を通じて支えられたと推計した。また、中小企業においても影響は拡大し、名目GDPへの貢献額は1094億円(前年は606億円)、雇用者数への影響は約9700人(前年は5300人)と、いずれも前年比で大幅な伸びとした。「TikTok」を通じて新たな顧客と接点を持ち、販売活動や採用活動の成果を得ている事業者が多く見られたという。

「TikTok」が日本社会にもたらす経済的・社会的影響を多角的に分析したレポート「TikTok Socio-Economic Impact Report〜日本における経済的・社会的影響〜」
中小企業における影響も大きい

「TikTok」の「ユーザーにとっての価値」

ユーザー関連の調査では、「TikTok」ユーザーのうち33.9%が「『TikTok』のコンテンツを見て商品やサービスの購入経験がある」と回答。若年層ほど購入経験の割合は高い傾向だった。また、60歳代でも19.5%が経験があると回答し、「TikTok」は幅広い世代の消費行動に影響を与えていることがわかった。

視聴頻度についてはユーザーの61.5%が「ほぼ毎日視聴している」と回答。77.5%のユーザーが「「TikTok」は新しい情報を得られる」と答え、ライフハックや料理・家事、美容系、エンタメなど日常生活に密着した動画コンテンツが、情報との新たな出会いを生んでいることがわかった。

さらに、「商品を購入した」「お店やスポットに訪れた」など「TikTok」をきっかけに何らかの行動を起こしたと答えたユーザーは58.6%にのぼり、プラットフォームとしての行動喚起力の高さが定量的に示されたとした。

「TikTok」の「クリエイター経済圏としての価値」

クリエイターに関する調査では、「TikTok」を通じて創作活動を行うクリエイターは全国で226万人にのぼり、その経済活動による推定収益は1197億円と試算した。

「TikTok」が日本社会にもたらす経済的・社会的影響を多角的に分析したレポート「TikTok Socio-Economic Impact Report〜日本における経済的・社会的影響〜」
クリエイターの推定収益額は1197億円

「TikTok」での活動によって「他のクリエイターとのつながりができた」(36.7%)「ファンとの交流が活発になった」(36.0%)と感じるクリエイターも多く、26.7%が「企業案件やコラボ依頼が増えた」と回答している。「TikTok」を通じた新たなキャリアのきっかけやビジネスチャンスの場として機能していることが確認されたという。

調査ではクリエイターの83.3%が「今後も『TikTok』で活動を続けたい」と回答しており、持続可能な活動基盤としての「TikTok」の価値も明らかになった。

地域振興にも貢献

クリエイターによる地域紹介動画を通じて、「地域に行きたくなった」と感じたユーザーは68.5%、「地域の理解が深まった」と答えたユーザーは45.6%に達し、「TikTok」が地域振興や関係人口の創出にも寄与していることも示されたという。

実際に、「TikTok」が2024年に実施した観光プロジェクトでは大きな経済効果をもたらしたとする。日本・台湾・韓国の人気クリエイターが沖縄・九州地域を訪問して地域の魅力を発信した「TikTok Connect By Tourism」(2024年3月実施)では、同年のゴールデンウィークに同地域で40億5000万円の経済効果を創出。ほかにも、「TikTok Local Love in 福岡」(2024年5月開催)では14億1000万円、「TikTok Connect By Tourism〜〜瀬戸内の魅力発信・裏瀬戸芸プロジェクト〜」(2024年10月開催)では38億6000万円の経済効果をもたらしたと推計している。

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