宮本和弥[執筆] 6:30

エニグモは海外ブランド・ファッション通販「BUYMA(バイマ)」において、注文完了後のサンクスページ画面で広告を配信する取り組みを始めた。

小売りやEC事業者などが保有する会員データベースを活用し、消費者の購買・行動データをベースに広告を配信する取り組みは「リテールメディア」と呼ばれている。「BUYMA」で取り扱っていないサービスや商品の広告を表示するリテールメディアの取り組みを通じて、付帯収益の創出を図る。

注文完了後のサンクスページ画面で広告を配信する仕組みは、米国のECマーケティングテクノロジー企業Rokt(ロクト)の「Rokt Thanks」を導入して実現した。

エニグモは海外ブランド・ファッション通販「BUYMA(バイマ)」において、注文完了後のサンクスページ画面で広告を配信する取り組みを始めた
「BUYMA」での広告配信イメージ

「Rokt Thanks」は、ECサイトで顧客が買い物を完了した直後の「サンクスページ(購入完了ページ、購入確認画面)」上で、顧客それぞれにとって関連性の高い広告をパーソナライズで表示する。Rokt独自のAI・機械学習技術を用いて導入ECサイトが所有するファーストパーティデータを分析。オファーの内容から画面上での表示方法に至るまで、「BUYMA」の世界観に合わせて最適化ができる。購入直後というタイミングを活用し、購買体験を妨げず自然に情報を届けられる設計。

「BUYMA」は、世界中のパーソナルショッパーから直接商品を購入できるマーケットプレイス。出品数は650万点以上、185カ国に在住するパーソナルショッパーが23万人以上登録されており、日本では入手困難なアイテムを含む豊富な商品ラインナップを提供している。こうした希少性やグローバル性により、平均購入単価は3万円を超えており、「特別な購買体験」を重視したサービスだとしている。

エニグモは「Rokt Thanks」の導入にあたり、購買体験への影響を確認、ネガティブな反応は見られなかったため全面展開したという。

購入体験のなかで最適なオファーの表示を実現したことで、パフォーマンスも高い水準で達成。導入後の3ヶ月間(2025年4月から2025年6月までの実績値)に、表示されたオファーに対する顧客からの平均クリック率は5.8%を達成し、広告による収益性を示すeCPM(広告1000回表示あたりの広告収入)は2万円+の付帯収益の獲得を実現した。

「Rokt Thanks」は、トランザクションの増加に比例して付帯収益を創出できる仕組み。エニグモは、主力サービスに注力してユーザー数や取引数を拡大することが、そのまま付帯収益の成長にもつながる構造が成立しており、コアビジネスの進化とともに価値が連動する健全な循環モデルとして機能しているという。

エニグモの執行役員 今寺優介氏は以下のようにコメントした。

「BUYMA」では、“ハレの日のサービス”として、心に残る特別な購買体験を大切にしている。「Rokt Thanks」の導入にあたっては、この世界観を損なわずに新たな価値を加えられるかを重視した。購入完了後という文脈を活かし、自然な形で外部オファーを届けられる設計や、導入・運用のしやすさが決め手となった。社内の運用負荷はほとんどなく、安定した成果が得られている。

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