バニッシュ・スタンダードが「オムニチャネル接客」構想を発表。店舗スタッフDXアプリ「STAFF START」のオフライン接客サポート機能を提供

バニッシュ・スタンダードは、店舗DXアプリ「STAFF START」で顧客の見える化とAIアドバイスによる「オムニチャネル接客」を実現する構想を発表した。
AIによる接客支援機能などを提供
「オムニチャネル接客」では、店舗スタッフが「STAFF START」で顧客データやAIを活用し、オフライン(実店舗)とオンライン(EC)双方で売り上げを最大化できることをめざしている。構想実現に向けて、3つの機能を発表した。
① AIアシスタント機能第二弾「接客支援AI」

各店舗スタッフがより質の高い接客を実現するために、膨大な顧客行動データに基づいたアドバイスを提供するAI機能。9月3日に提供した、オンライン接客の投稿をアシストする「コメント下書き作成機能」に続いて提供する機能だ。
店舗スタッフごとに、新規・リピート顧客別の平均購入金額・平均購入回数、商品売上ランキング情報といったEC売上実績を閲覧できる。さらにAIのアドバイスを加えることで、より質の高いオンライン接客を支援する。
また、オフライン、オンライン双方の顧客情報に基づくアドバイスを実店舗での接客にも活用できる機能を2026年1月ごろに実装予定だという。
② オムニチャネル顧客カルテ(2026年1月ごろ提供開始予定)

店舗での購入履歴、ECでの購入履歴・お気に入り情報などを「STAFF START」アプリに集約。来店したユーザーの顧客IDを読み取ると、各スタッフが閲覧できるようにする。
ユーザーとの会話から得た情報は「接客メモ」機能を使うことで、ユーザー情報のアップデートが可能。また、ユーザーデータをもとに、最適な接客トークをAIが提案する。
「オムニチャネル接客カルテ」の事前申込受付は、9月17日から開始している。
③ スタッフCRM(2026年ごろ提供開始予定)

実店舗やECサイトで接客したユーザーに対し、各店舗スタッフがCRMを行える機能。接客したユーザーにアプリを通じて直接アプローチを行ったり、スタッフからの連絡を各ブランドの公式アプリ上に配信したりできる。
また、どんなユーザーにどのような内容を送信したらよいかを、AIが顧客データを元に提案する。
スタッフの満足度向上が重要
サービス提供に際し、バニッシュ・スタンダード 代表取締役CEOの小野里寧晃氏は、「スタッフと買い手の人口減少が重要な課題だ」と話す。また、今回オフライン接客でのサービス提供を開始した理由について、次のようにコメントした。
LTVを生み出すのはブランド体験。店舗が世界観、温度感などを表現しており、ブランド体験ができる場所を失ってはいけない。
本丸(オフライン・店舗)でのお客さまの満足度向上が、スタッフの満足度向上、成功体験にもつながる。システム上でのオムニチャネルは進んでいるが、人と人とのオムニチャネルはできていない。(小野里氏)
バニッシュ・スタンダード 代表取締役CEOの小野里寧晃氏
発表会に出席した、パル 取締役専務執行役員の堀田覚氏は、「リアル店舗の価値をきちんと定義しなければいけない」と話す。
パルもコロナ禍でECが加速度的に伸びた。しかし、エンゲージメントが高くないまま終わってしまうケースもあり、課題感として持っていた。
エンゲージメント強化に一番良いのがリアルだと考えている。ECだけで成長するのではなく、両輪で進めていくことを自社の強みにしていきたい。(堀田氏)
パル 取締役専務執行役員の堀田覚氏