紳士服販売のAOKIは12月1日、公式オンラインショップにAIエージェントを導入した。オンラインショッピングにおける顧客体験の質を高めるのが狙い。
AOKIが導入したAIエージェントは、ユーザーの閲覧履歴やクリック動作といった行動データをAIが記憶・分析し、個々の嗜好(しこう)に合わせた商品をリアルタイムで提案する仕組み。メンズ・レディース・大きいサイズなど、ユーザーが探している商品ジャンルを対話形式で把握し、その内容から好みに合った商品を提案する。
従来の一律的なレコメンドとは異なり、サイト訪問時の目的や関心をAIが理解し、ユーザーごとに最適なアイテムを自動で提示できるのが特長。これにより、膨大な商品のなかから「自分に合う一着」を見つけやすくなり、購入までの導線もスムーズになるとしている。
AOKIは今回のAIエージェント導入について、単なるシステム追加ではなく、デジタル空間においても顧客1人ひとりを深く理解し、ニーズやウォンツに応える接客力を高めるための施策と説明。AIが蓄積する「記憶」を活用することで、実店舗のスタッフのように顧客の好みや着用シーンを想定した、温かみのある接客提案の実現をめざすという。
今後もAOKIは、ユーザー視点に立ったサービスの拡充や、購買時の「不」の解消に取り組み、より良いショッピング体験の提供を進める方針。
今回導入したAIエージェントは、Atlasが開発した「EC Agent」。ユーザーの閲覧履歴やクリック動作といった行動データを記憶・分析し、顧客の嗜好に合わせた商品をポップアップなどで即時に提案する。
Atlasは、AIエージェントの基盤となる「Memory Layer(長期記憶)」技術を開発・実装するスタートアップ企業。ユーザーの行動や文脈をAIの記憶として解析し、高精度な推論を可能にする独自技術を強みとしている。