出前館、サンクス画面で外部広告を表示。デリバリーサービスの値下げに向けてリテールメディアで広告収益を創出
フードデリバリープラットフォームの出前館はこのほど、注文完了後のサンクスページ画面で広告を配信する取り組みを開始した。
小売りやEC事業者などが保有する会員データベースを活用し、消費者の購買・行動データをベースに広告を配信する取り組みは「リテールメディア」と呼ばれている。出前館で取り扱っていないサービスや商品の広告を表示するリテールメディアの取り組みを通じて、付帯収益の創出を図る。
注文完了後のサンクスページ画面で広告を配信する仕組みは、米国のECマーケティングテクノロジー企業Rokt(ロクト)の「Rokt Ecommerce」を導入して実現した。
「Rokt Ecommerce」は、ECサイトで顧客が買い物を完了した直後の「サンクスページ(購入完了ページ、購入確認画面)」上で、顧客それぞれにとって関連性の高い広告をパーソナライズで表示する。Rokt独自のAI・機械学習技術を用いて導入ECサイトが所有するファーストパーティデータを分析。購入直後に関連性の高いオファーをリアルタイムで表示できる。
広告主営業のほか運営管理は基本的にRoktが実施するため、出前館は社内リソースに負担をかけることなく広告事業をスタート。顧客体験を損なわない優良な広告ラインナップから、自社と競合しない広告主や商品・サービスのカテゴリのみを表示するようコントロール。質の高いオファーをサンクスページで表示する。
出前館は、国内でフードデリバリーサービスを定着させる取り組みの1つとして広告配信を手がける。フードデリバリーはコロナ禍以降、社会インフラとなりつつある一方で、店頭価格よりも割高になる傾向から消費者にとって贅沢品として位置付けられやすく、より身近なサービスとしての定着が課題という。多くのユーザーが気軽に利用できる価格設定を実現するため、広告事業による追加の収益基盤を構築。広告収益をサービス提供価格に反映し、値下げを行う取り組みに今後注力するとしている。
出前館の執行役員 営業管理本部 広告部 大枝千鶴部長は以下のようにコメントした。
デリバリーサービスにおいては広告収入の基盤作りが重要。Roktとのパートナーシップにより、品質にこだわりながらも社内の工数・リソースを割くことなく広告事業を強化していく。第2の収益の柱を支えに、これからもお客さまの日常生活に寄り添うサービスを提供していく。